医師の仕事は診療科ごとに細分化されているため、専門外のことはあまり知らないということもあるのではないでしょうか。
「循環器内科とは?」
「循環器内科医の仕事内容や年収が知りたい」
「循環器内科医の転職事情は?」
今回は、循環器内科医の仕事や年収について、転職エージェントの視点からご紹介します。
循環器内科医の転職事情も解説しますので、参考にしてください。
循環器内科とは
循環器内科とは、言葉通り循環器を診るための診療科です。
循環器とは、心臓や血管、リンパ管など、体液や血液を体に循環させる器官を指します。
主な対応範囲は、血管や心臓に関連する症状です。
診察する症例は下記のようなものがあります。
- 不整脈
- 高血圧症
- 動脈硬化
- 虚血性心疾患
- 狭心症
その他、心筋梗塞や心臓弁膜症など、心臓そのものに問題がある症例も対象です。
患者側の視点では、動悸や息切れ、胸痛などの場合や、血圧に異常がある場合に受診する診療科です。心臓病の原因になる生活習慣病も診てもらうことができます。
循環器内科医は、超音波や心筋シンチグラフィなどの検査技術のほか、カテーテル治療や検査といった精密さを求められる手技まで、多角的な技術と知識が求められます。 あわせて読みたい
循環器内科医になる方法
循環器内科の専門医資格は、他の診療科より取得に時間がかかるのが特徴です。
医師は通常、大学卒業後に臨床研修を受けた後、専門医研修を3〜4年行い各診療科の専門医となります。
循環器内科医の場合は、先に内科専門医資格を取得する必要があります。
循環器内科医の専門医資格の主な受験資格は以下のとおりです。
- 内科の専門医資格を取得している
- 日本循環器学会の正会員歴が3年以上あること
- 満6年以上の臨床研修歴があること(うち3年は学会指定の研修施設での研修)
- ACLS(二次心肺蘇生法)の認定を受けていること
このほかにも、受験する医師本人がタバコを吸わないことや、禁煙の啓発に努めていることなども受験資格に入っています。
大学卒業後に医師免許を取得した後、最短でも7年の道のりが必要です。 あわせて読みたい
途中でキャリアチェンジをしようとする場合も、受験条件を考えると3年以上の時間が必要になるでしょう。
循環器内科医の年収事情
循環器内科医の年収は、内科系の診療科ではやや高めです。
労働政策研究・研修機構によると、内科医の平均年収1,247万円に対し、呼吸器科・消化器科・循環器科の3科で集計した平均年収は1,267万円です。
この3科の年収分布を見てみましょう。
主たる勤務先の年収 | 割合 |
---|---|
300万円未満 | 2.6% |
300〜500万円未満 | 3.3% |
500〜700万円未満 | 6.6% |
700〜1,000万円未満 | 10.9% |
1,000〜1,500万円未満 | 39.8% |
1,500〜2,000万円未満 | 29.6% |
2,000万円以上 | 7.2% |
*独立行政法人 労働政策研究・研修機構「勤務医の勤労実態と意識に関する調査」より抜粋して引用
平均もしくは平均以上の1,000万円から2,000万円の割合が高いという結果でした。
循環器内科は、カテーテル手術などの手技を使う対応があるほか、緊急対応や時間外対応も多くなりがちです。このことからも高収入ゾーンにいることがうかがえます。 あわせて読みたい
循環器内科医からの転職事情
「勤務医の勤労実態と意識に関する調査」では、疲労を感じている循環器内科医は64.4%と高く、学会などへの参加も多い診療科です。
また人手不足も深刻で、7割の医師が「人手が足りない」と感じているという結果でした。
ここからは、循環器内科医の転職事情をご紹介します。
循環器内科医の年収アップなら転職
忙しさの割には収入額に満足できないと感じているなら、転職で年収アップを目指すことが可能です。
医師専門の転職サイトなどをチェックすると、多数の求人情報が掲載されています。
勤務時間や給与条件をしっかりと確認して、年収アップと働きやすさを同時に叶えられる病院を探してみるのがおすすめです。
また、さまざまな症例を経験しキャリアアップしたい場合は、転職サイトの情報だけでは希望が叶わない場合もあります。
転職エージェントに問い合わせるなどして、できるだけ多く病院の情報を集めることが重要になります。
多くの情報を検討して総合的に判断することで、転職に失敗するリスクを減らせるでしょう。 あわせて読みたい
循環器内科医の他の病院への転職は簡単?
循環器内科医は、医師の中でも特に人手不足と言われています。
求人も売り手市場の状態で数多くあるため、転職先を探すのは難しくないでしょう。
しかし「転職が簡単」かというと、そういうわけではありません。
転職先を探すことは容易であっても、今の職場を辞めることが大変になってきます。
「ハードワークが辛い」「給料が低い」といったネガティブな理由だけで転職活動をするのは悪いことではありません。
しかし、そのような理由であっても、今の職場を円満退社ができるように努めることが大切です。
円満退社をすることは、転職後にも有利に働きます。 あわせて読みたい
医療業界は狭く、前の職場でどのような勤務態度であったかなどは新しい職場にも伝わりやすいです。
今の職場で悪い評判を作ってしまうと、新しい職場でも影響が出てしまう恐れがあるため、退職に関するトラブルはできるだけ避けるようにしましょう。
循環器内科医が転職を成功させるコツ
転職を成功させるための大切なポイントは、転職エージェントを活用することです。
転職エージェントを利用するメリットは、以下のようなものがあります。
- 自分の市場価値が把握できる
- 情報量が豊富で、採用担当者に直接聞きにくい内容も交渉してもらえる
- 履歴書や職務経歴書などの作成アドバイスが受けられる
- 退職時のトラブルを避けるためのアドバイスももらえる
- 転職後のフォローアップも受けられる
医師の転職には、半年から長くて1年程度の時間も必要で、その間に面接を受けたり、条件交渉を行ったりします。
さらに今の職場の退職手続きや、新しい病院の入職手続きなどもしなくてはなりません。
忙しい中で転職先探しや面接調整などをしなくてはならず、かなりの労力が必要です。
転職エージェントを活用することで、そうした手続きや書類作成などの慣れない作業もフォローしてくれるので、転職の負担がかなり軽くなります。
まとめ(循環器内科医について)
今回は循環器内科医についてご紹介しました。 あわせて読みたい
循環器内科医の平均年収は、内科系の中では比較的高い傾向があります。
しかし、緊急対応や時間外対応も多く、ハードワークであることも事実です。
労働時間の長さから考えると、収入に満足できないという方もいるのではないでしょうか。
循環器内科医が収入アップを狙うなら、転職がおすすめです。
他の診療科に比べても人手不足が深刻で売り手市場のため、求人は多数あります。
根気良く探していけば、今よりも良い環境で働ける病院を見つけることが可能です。
ですが、今の仕事を辞める大変さや、忙しい中で転職先探しをする余力がないという方もいるでしょう。
そんな時に頼れるのが、転職エージェントの存在です。
医師専門の転職エージェントなら、同じような悩みを抱えた医師の転職を多数サポートしてきた実績があります。
情報量も豊富で、非公開の求人なども多く保有しています。自分で情報収集する労力を省くことができ、転職活動の負担を大きく減らしてくれるでしょう。
無料で登録でき、キャリアプランそのものから相談することも可能です。
「今の仕事がハードで辛い」「収入が少ない」などの悩みがある場合は、まずは気軽に相談してみることをおすすめします。