医師の年収は、ほかの業種と比較すると高いというイメージがあります。
しかし、実際には「割に合わない」「年収が低い」と感じている医師も少なくありません。
思ったほど年収が増えていないと感じている医師が将来を考える時、収入をどう増やしていくのかということも大きなテーマと言えるでしょう。

この記事では、
「医者の年収の現実はどうなの?」
「なぜ医者の収入は低いと言われているのか?」
「高収入を狙うにはどうしたらいいの?」

といった収入の悩みを持つ医師に向けて、転職エージェントの視点で下記を説明していきます。

  • 医師の年収の現実
  • 医師が「稼げない」と思われてしまう理由
  • 医師が高収入を狙う方法

医師が収入アップを目指すには、大きく分けると以下の3つの方法があります。

  1. アルバイトをする
  2. 転職する
  3. 開業する

それぞれのポイントを紹介しますので、ぜひ参考にしてください。


経験年数別でみる医師の年収の現実

まず初めに、医師の年収の現実を紐解いてみましょう。
以下の表は、経験年数と地域別の勤務医の平均年収をまとめたものです。

地域別・経験年数別にみた勤務医の年間賃金
参考:EPILOGI「【2018年版】地域別、医師の年収比較~生涯年収の地域差が縮小」より引用

上の表を見ると、初年度の医師の全国平均が617万円となっています。
年収1,000万円を突破するのには、5年目〜10年目まで待たなくてはなりません。
都市部とその他地域で比較すると、都市部の方が低くなっています。
この表はあくまでも平均金額で、勤務する医療機関によってかなり差があるのが特徴です。
国立病院や大学病院などで初期研修をしていると、年収は400万円程度というケースもザラにあります。

一方、業界を問わずに大卒の初年度平均年収を見ると、おおむね200万円〜250万円程度です。
厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査の概況」参照)
このため、一見すると医師の年収は高めに見えるのです。

しかし、医師の場合は、ここまでの道のりにも多大な労力と費用が掛かっています。
学費だけ見ても、医学部を6年で卒業するとして、国公立大学なら350万円程度の費用となります。
さらに私立大学の場合は2〜3,000万円以上かかっているという方もいるでしょう。

また、医師になるとわかるのが労働時間の長さと過酷さです。
他業種にはあまりない24時間を超える拘束時間や、業務内容の専門性の高さによる苦労は並大抵ではありません。

そのような業務の過酷さに比べると、やはり「思っていたより収入が低い」と感じる医師も少なくないのです。



医師転職お役立ちnavi 公式 Instagram 医師キャリアに関する有益な情報を発信中!

医師は稼げないと言われる3つのワケ

「医師は稼げない」と言われるのはなぜでしょうか?
それは、すでに述べてきた通り、医師になるまでにかかる費用や労力と、なった後の激務に対して満足できる収入額ではないからです。

ここからは、勤務医が収入に満足できない大きな理由である

  1. 研修医期間の給与の低さ
  2. 払った努力と業務の過酷さに合っていない
  3. 大きく収入を上げるためには開業する必要がある

の3点を詳しく解説していきます。

① 研修医期間の給与が低い

まず初めに、研修医期間の収入の低さについて見ていきましょう。
医師は大学卒業後、2年間の前期研修期間が必須となっています。
厚生労働省のワーキンググループの発表によると、前期研修医の平均年収は以下の通りです。

 1年目2年目
全体平均435万円481万円
臨床研修病院平均451万円502万円
大学病院平均307万円312万円

参考:厚生労働省 臨床病院における研修医の処遇

特に研修先が大学病院の場合は、平均よりもかなり低めとなっているのがわかります。
前項でご紹介した他業種の大卒初任給200万円〜250万円より多少多めと言える程度です。

もちろん、初年度から1,000万円に迫る年収が期待できる臨床研修病院も存在します。
しかし、研修先を選ぶ際に重要視されるのは下記3つです。

  • 指導体制
  • 人間関係
  • カリキュラムの充実度

このため、必ずしも理想の収入額までも実現できるとは限りません。

研修期間は「まだまだ医師になるための準備期間である」という感覚も確かにあります。
ですが、大学で奨学金を借りた場合などは、卒業後はできるだけ早く収入をアップしたいという医師も多いでしょう。
こうしたジレンマから、収入の低さがストレスになるという医師も少なからず存在しています。

②努力と費用に見合ってない

医師が研修医期間を無事終えて、キャリアを積んでいくことで収入は徐々に上がってきます。
経験が5年〜10年あたりになると、平均年収も1,000万円を突破してくるのが一般的です。
金額だけを見れば、他業種と比べて昇給スピードは早めに見えるかもしれません。

しかしその裏には、長時間勤務の元凶とも言える当直業務や、オンコール待機などがあることが問題です。
勤務医の労働時間の長さは常に問題視されていて、いわゆる「働き方改革」の実施を受けても、すべての医師の労働時間が減ることは難しいのが現状です。
24時間以上の拘束時間を月に何度も行ったり、休日でも呼び出しがあれば業務に駆けつけなければならないストレスがあります。

医師の場合、高い費用と一般学部より長い年数を費やし、やっと医師免許を取得して社会に出ても、初期研修という低賃金期間が2年続きます。
その後は他業種よりは高めの水準で年収が上がっていくものの、業務の負担の大きさも他業種よりはるかに高いという苦難が待っているのです。

もし、高収入を目標として医師になったのであれば、その割の合わなさには報われない気持ちを持ってしまうでしょう。
言い換えれば、医師のモチベーションは、収入額ではなく「医師になった理由」で支えられているのです。

③ 大きく稼ぐためには開業医になる必要がある

これだけ苦労が多く、単純に収入面だけで考えると「割に合わない」医師が、どうして高収入のイメージで見られるのでしょうか?
それは、勤務医と開業医の収入の違いにあります。
厳密にいうと、勤務医と「成功している開業医」との収入差、と言えるでしょう。

勤務医の場合、雇われているという立場上、どうしても給与額には天井があります。
その天井を突破するためには、自分で開業する必要があるのです。

しかし、開業といっても、そのハードルがとても高いことは言うまでもありません。
まず第一に開業するとなると莫大な費用が必要となります。
そして、医師としてのスキルだけでなく、経営の知識も必要です。

苦労して開業できても、必ずしも成功するとは限らないという厳しい現実もあります。
開業した地域のニーズに合わせ、マーケティングも駆使していかなければ、廃業せざるを得ないリスクと常に隣り合わせです。

医師が高年収を狙う3つの方法

医師のうち、特に勤務医は業務量の割に合わない収入額に不満を抱く人が少なくないことがお分かりいただけたと思います。

この記事の冒頭で医師の平均年収を見てきましたが、仮に平均額や上回る収入を得られていたとしても、満足度という意味では不満がある方もいるでしょう。

ここからは、医師が収入を上げていくための方法を解説していきます。

医師を続けていく以上、収入アップの選択肢は限られていて主に下記3つです。

  • アルバイトをして収入を増やす
  • もっと給与の高い医療機関へ転職する
  • 開業する

1つずつ、詳しく見ていきましょう。

1. アルバイトをする

1つ目は「本業以外のアルバイトをする」という選択肢です。
これはすでに実践している医師も多いのではないでしょうか。
アルバイトをする医師は非常に多く、それだけ勤務医の収入は満足のいく金額ではないということが現れています。

医師のアルバイトで定番なのが、当直バイトや健診バイトです。
給与の相場としては、当直で1回あたり3〜10万円程度、健診ですと3〜7万円程度です。
どちらも休日や本業の勤務後の時間を使うことになり、ハードではあります。
しかし月に3〜4回こなせれば、300万円〜400万円近い年収アップが狙えます。

アルバイトをする際に気をつけたいのが、就業規則の確認です。
医師は初期研修が終わると、実質アルバイトが解禁となります。
しかし、勤務する病院によっては、副業を禁止している場合があります。自分が勤めている病院が、アルバイト可能かどうかは必ず確認しておきましょう。

2. 好待遇の職場に転職

次の選択肢は「より良い待遇を求めて転職する」ことです。
医師にとって転職は珍しくなく、平均すると4〜5回転職するという医師が多く見られます。
研究職や開発職として、大学病院や企業に勤める医師は多く転職をしない傾向があります。しかし、臨床の現場にいる医師にとって転職は珍しいことではありません。

むしろ、さまざまな症例を見ることができる転職は、臨床医師にとってはプラスの要素です。
このため年収とは関係なく、キャリア形成のために転職する医師も多いです。
また、慢性的な医師不足のため、常に売り手市場であるという背景もあり、医師の転職は引く手数多と言えるでしょう。

しかし、医師が転職するとなると、他業種よりも労力がかかることも忘れてはいけません。
年収アップを目的に転職するにしても、給与が高い病院には、仕事量が増えるリスクもあります。

さらに、医師としてのキャリア形成ができるかどうかも重要な判断要素となるでしょう。
それらは求人情報だけでは見極めが難しいです。

転職を考える場合、転職エージェントなどを上手に活用して、十分すぎるほどの情報収集を行うことが成功の秘訣となります。

3. 開業する

「医師は高年収」と一般に思われるのは、成功している開業医の年収が高いためです。
統計を見てみると、2020年時点で勤務医全体の平均年収が1,467万円であるのに対し、開業医は2,689万円でした。実際に倍近い差が見られるのです。
厚生労働省「医療経済実態調査(医療機関等調査)」参照)

しかし、当然のことながら、開業さえすれば高収入が得られるわけではなく、地域や診療科によっても差が出てきます。
そして何より、地域ニーズにあった経営をする手腕も求められるのです。

それでも、医師になった目標として「開業」を据えている医師は少なくありません。
開業には収入以外にも、自分で思い描いた働き方や、治療方針を貫けるというメリットがあるからです。

開業するためには、当然ながら莫大な準備資金が必要になります。
また、各種の届出やスタッフの採用といった事務的な処理も膨大にあり、自分一人で全てを行うのはとても難しいです。
苦労して開業できても、開業後はスタッフマネジメントや経営力を問われるハードな道のりとなるでしょう。


まとめ(医師の年収の現実)

勤務医の年収は、一見すると他の職種より高く見えますが、その労力に見合っていないと考えている医師はとても多いです。
収入アップを狙うためには、アルバイトや転職、開業するなどの選択肢があります。
しかし、医師が現在の仕事をこなしながら、転職やアルバイトのために情報収集をしていくことは大変なことです。

そこで上手に利用してほしいのが転職エージェントです。
多数の医師のキャリア形成に関わってきた医師専門の転職エージェントなら、情報量が豊富なので、適切なアドバイスも受けられます。
さらに、転職に伴うさまざまな書類作成なども手伝ってもらえるため、転職活動の負担が軽減できるでしょう。

無料で利用でき、専任のキャリアアドバイザーから、適正と希望にあった仕事の紹介が受けられます。
個人で転職活動を行うよりもはるかに多くの選択肢から転職先を選ぶことができるのは、転職活動において最大のメリットとなるのです。

無料で登録でき、アルバイトを探す際にも有利ですので、ぜひ活用することをおすすめします。