医師のアルバイトの時給は、働く地域や医師としてのスキル、業務内容によって上下することがあります。

  • 医師のアルバイトの時給相場が知りたい
  • 医師としてアルバイトをしたいが相場より時給の高い仕事を選びたい
  • 医師のアルバイト先の業務内容を知りたい

このように思っている方に向けて、医師のアルバイト事情や、好条件のアルバイト先を見つけるコツをお伝えします。

医師は平均年収が高いと言われていますが、拘束時間が長いため、日給に換算すると意外と低くなってしまう場合もあります。そのため、日給や時給で換算すると、本業よりもアルバイトのほうが条件が良いというパターンもあり得ます。

少しでもアルバイトに興味がある人は参考にしてください。

医者のアルバイト時給の相場は約1万円

医者のアルバイトの時給相場は約1万円です。具体的な時給は、地域や職種、業務内容によって左右されます。
相場と比較して、業務内容が報酬に見合っているか判断しましょう。

例えば当直のアルバイトは、忙しくなければ仮眠を取ることもできて、自由時間もあるにも関わらず、一晩で10万円を超える案件もあります。
参考:賃金構造基本統計調査

医者のアルバイトの形態は2種類

医者がアルバイトをしたい場合、スポットで働くか、定期的なアルバイトとして働くかの2種類です。
アルバイトは時間外勤務や日当直、オンコール、学会発表や論文作成の義務がないため、理想的なライフスタイルを確立しやすいと考えられます。

スポット(単発)で働く

スポットで働く場合は、派遣会社にあらかじめ情報登録をしておき、単発で働きたい特定の日を決めて働きます。
スポットで募集が出るのは、病院やクリニック側に急な人手不足が出た場合であるため、時給は相場よりも高めに設定されていることが多いです。

  • 明日の予定がなくなったからアルバイトがしたい
  • 今月は多めに稼ぎたい
  • 本業が閑散期のためアルバイトをする余裕がある

スポットのアルバイトほ、このようなニーズに合わせて好きなタイミングで入ることができ、かつフレキシブルに働く量を調整できます

しかし、地域によっては募集に対して応募数が多いこともあり、人気の案件はすぐに埋まってしまいます。
スポットで働く場合は複数入ることで大きな収入を得ることも可能ですが、
安定した収入は保証できないため、スポットをメインにする医者は少ないでしょう

定期アルバイトとして働く

非常勤医師として、週何回、何時~何時など一定期間決められた内容で働くのが定期アルバイトです。

定期アルバイト(非常勤医師)の場合、自分の患者を継続的に診療でき、やりがいを感じる医師が多いです。
ただし、非常勤医師は入院患者に介入することは基本的にないため、外来の担当患者が入院した時に治療に参画できないもどかしさがあります。

医師のアルバイトが禁止されている3つのパターン

医師は初期臨床研修の時期や公立病院に勤務している場合、アルバイトは禁止されています。
また、市中病院においては、アルバイトを始める前に就業規則を確認してアルバイトが禁止されていないか確認することが必要です。

1.初期臨床研修医の場合

医師法や、臨床研究に関する省令において、初期臨床研修医のアルバイトは禁止されています。
具体的には、以下のように提言されています。

  • 診療に従事しようとする医師は、臨床研修を受けなければならない
  • 臨床研修を受けている医師は、臨床研修に専念し、その資質の向上を図るように努めなければならない
  • 臨床研修病院は、届け出た研修プログラム以外の研修プログラムに基づいて臨床研修を行ってはならない

ただし、初期臨床研修が終了するとアルバイトは可能になります。その際は、勤務先の施設の規定を確認しておきましょう。
参考:医師臨床研修に関するQ&A(研修医編)|厚生労働省

2.公立病院の勤務医の場合

公立病院勤務の場合、公務員にあたるためアルバイトは禁止されています。
地方公務員法(昭和二十五年法律第二百六十一号)で定められており、隠れてアルバイトをしていることが公になると、本業は解雇されるリスクがあります。

ただし、地域連携目的や、派遣元の大学での定期非常勤は行ってよい、という条例を出している自治体もあります。
また、国立病院機構は2014年に非公務員化されており、承認を得ればアルバイトは可能としている施設が多いです。

3.就業規則により禁止されている場合

医療機関によっては就業規則で禁止している場合があります
アルバイトを始める前に、就業規則を確認しておきましょう。就業規則は医療機関の総務課などで取り扱っていることが一般的ですが、電子カルテ上から確認できることもあります。

また、大学病院では、医局斡旋以外のバイト禁止というパターンもあります。
ただし、大学の教員として働いている場合、本業に支障が出ない範囲であればアルバイトが認められることもあります。

医者の主なアルバイト内容

医者の主なアルバイトは、当直、健診、外来の3種類に分けられます。
各仕事内容と時給相場を解説しますので、アルバイト選びの参考にしてください。

当直の仕事

診療時間外の救急対応、夜間外来などの対応を行うのが当直のアルバイトです。

一般的には常勤医がローテーションで入っていますが、常勤医の負担軽減目的で、当直アルバイトを募集している施設があります。当直バイトを募集している主な医療機関は、二次救急対応の施設や、急性期病院などです。
夜間に受診する患者の疾患は非常に幅広く、例として以下のものが挙げられます。

  • 悪寒や吐き気などの内科的疾患
  • 飲酒に伴う転倒、骨折
  • 交通事故
  • 脳梗塞や心筋梗塞

当直アルバイトの日給相場は一回につき6〜10万円程です。
拘束時間は15時間前後のため、時給に換算すると5000〜6000円となります。
仮眠を取ったり、勉強をしたりと自由な時間もあると考えると時給の価値はこれ以上に上がると考えられるでしょう。

ただし夜間外来の場合は、ひっきりなしに患者が来院する場合もあるため、当直バイトを考える医師は体調管理をいつも以上にしっかり行いましょう。

健診の仕事

医師のアルバイトで人気が高いのが健診関連の仕事です。
健診のアルバイトの日給は平均1万円であり、そのほか交通費が支給される場合もあります。
健診での主な業務内容は、患者の問診や聴診、健康診断の結果説明、生活指導などです。残業がなく、急変時の対応も不要です。

健診のアルバイトには、大きく分けて、院内健診と出張健診の2種類あります。
院内健診は、医療機関の健診センター、または専門の健診センターで行う健康診断です。
出張健診は、企業や学校に医療スタッフが出張して健康診断を行います。
出張健診バスに乗って複数の会場を移動することもあるため、早朝の出張や、宿泊を要するケースもあります。

専門医の資格が必要な場合の業務では、X線の読影、内視鏡検査、乳がんや子宮けいががんの検査などが含まれます。
専門医の資格が必要な業務に携わる場合、平均よりも高い時給で募集されていることもあります。

外来の仕事

募集案件の多い仕事で、非常勤として総合病院やクリニックに勤める業務のことです。
時給相場は1万円程ですが、地方や医師が不足している地域ではもっと上がる可能性があります。

非常勤として固定の曜日と時間で働く場合が多く、診療科を細かく選べば専門分野を生かすことができます。「内科一般当直」のように飛び込みで来院する患者の診療にあたることもあります。

時給の高い医師アルバイトの業務内容

ここからは、どのような業務内容の医師アルバイトが、時給の高い傾向にあるのかをご紹介します。

1.専門性が高く経験が求められる業務

高額アルバイトの条件として「専門医資格を取得した卒業後5年以上の医師であること」が求められる傾向にあります。
この場合は、訪問診療、救急対応、専門外来、各診療科の内視鏡や手術、麻酔など、高い診療スキルを要する業務を担当します。
特に重症救急患者の対応が必要な急性期病院での当直は給与が高く、
日給で10万円程になる場合もあります。

2.医師不足のエリアや診療科での業務

医師偏在は問題となっており、医師が少ない地方や、医師数が少ない診療科では、比較的時給が高めに設定されていることがあります。
産科、麻酔科、外科などの募集は多く出ており、専門性のある医師にはとても人気の高いアルバイトです。また、診療報酬が高い整形外科や訪問診療なども狙い目です。

3.自由診療がメインのクリニックでの業務

自由診療を行っているクリニックでは、時給が高く設定されていることが多いです。
美容皮膚科、再生医療、外科などで自由診療を行っています。アルバイト先として人気が高く、かつ募集も少ないため競争は激しいです。

美容整形には専門的な技術が必要なため、アルバイトで従事することは難しいですが、問診や処方だけなら需要があります。
都心の方が自由診療を行っている施設が多いため、自由診療がメインのクリニックでアルバイトをしたい場合は、地域を絞って探しましょう。

条件の良いアルバイトを見つける3つのコツ

ここでは、条件の良いアルバイトを見つけるためのコツを3つご紹介します。
今後のアルバイト探しのヒントにしてください。

1.求人情報サイトをこまめに見る

条件の良いバイトはすぐ埋まってしまう可能性も高いのが事実です。
自分の希望する条件に合うものを見つけるためには、アルバイト求人の情報をこまめに確認しましょう。

転職サイトはランキングで比較されていることも多いですが、人気のサイトほどすぐに求人が埋まってしまうため注意しましょう。

2.医局から紹介してもらう

医局から紹介してもらうことで、自分の勤務状況に合うバイトを紹介してもらいやすいというメリットがあります。
同じ医局の医師に患者を引き継いでもらうこともあるため、ある程度安心して勤務できるでしょう。ただし、時給は安くなってしまう傾向があります。

3.専門のエージェントに相談する

医師専門のエージェントであれば、独自の非公開求人を抱えている場合もあるため、タイミングよく情報を紹介してもらえます。
希望の業務内容や立地、時給などの希望条件をコンサルタントに伝えておくと、新しい募集があるごとに案件を紹介してくれるのでおすすめです。

医師専門のエージェントなら「メッドアイ」

時給の良いアルバイトをお探しならば、医師専門のエージェント「メッドアイ」をご活用ください。メッドアイは、豊富なコンサルタントが医師の希望を細かくヒアリングし、おすすめの医療機関との橋渡しをします。

メッドアイなら経験豊富なコンサルタントに無料で相談できるため、少しでも転職に迷ったらぜひ登録してください。
非公開求人を紹介してもらえたり、業界の転職事情を聞けたり、利用価値があるはずです。長い目で転職を見据えたときに、情報収集だけしておくのもおすすめです。

まとめ(医者のアルバイト時給の相場は?)

医師のアルバイトはスポットで働く場合と、定期アルバイトで働く場合の2種類あります。
時給の相場は約1万円ですが、医師が不足している地方の地域や、自由診療の場合は相場よりも高い時給に設定されていることが多いです。

ただし、初期臨床研修医や公立病院勤務の医師はアルバイトが禁止されているので注意してください。市中病院や大学病院では禁止の規則はありませんが、施設の就業規則でアルバイトが禁止されていることがあるので、事前確認を怠らないようにしましょう。

時給の高いアルバイトを見つけるには、こまめに求人情報サイトをチェックする、医局内で紹介をしてもらうといった方法がありますが、医師専門の転職エージェント「メッドアイ」なら非公開の案件も豊富にあるので、ぜひ活用してください。