医師といえば、勤務時間が長く当直やオンコール対応など激務で働いている方が多くいる職業です。医師に楽な仕事はないというのは前提ですが、その中でも比較的多忙ではないと言われている仕事や診療科は存在するのでしょうか。

  • 勤務医の楽な診療科は?
  • 楽で人気のアルバイトは?
  • 医師免許でできる臨床以外や医師以外の楽な仕事は?

上記のような疑問を持つ方に向けて、プロの転職エージェントが「医師としての楽な仕事」について詳しく解説します。キャリアプランを立てる際のヒントにしてみてください。

勤務医でも楽な仕事はある?

医師の働き方改革が進められる中、特に激務のイメージがあるのは勤務医ではないでしょうか。
これは勤務医が業務量を自分の都合で調整できないためであると考えられますが、診療科や雇用形態によってはそれほど多忙では無いと言える仕事もあるのです。

ここでは勤務医における楽な仕事について見ていきましょう。

忙しくない・比較的楽だと言われる診療科

一般に「比較的楽で、忙しくない」と言われている診療科は以下のとおりです。

<比較的忙しくない科>

  • 眼科
  • 耳鼻科
  • 皮膚科
  • 放射線科
  • 麻酔科

これらの診療科は当直やオンコール、緊急手術や長時間にわたる手術が少ないとされる診療科です。
そのため眼科や耳鼻科、皮膚科、放射線科、麻酔科は勤務医の中でも比較的楽な仕事であると認識されています。

勤務医でも楽で忙しくない3つの働き方

勤務医でも楽で忙しくないと言われている働き方があります。
下記で3つ紹介します。

①寝当直

アルバイトとして勤務する場合は比較的楽な仕事も多いでしょう。中でも当直でありながらゆったりと勤務できるのが「寝当直」です。
寝当直とは、その名のとおり「寝ることのできる当直」。つまり急変するような入院患者や救急患者の対応がほとんどない病院で当直を勤めることを指しています。

寝当直は急性期病院ではまずありませんが、療養型病院やリハビリテーション病院などでは募集しているケースがあります。
通常当直中はほとんど眠ることはできませんが、寝当直の場合は就寝中に起こされるケースはほとんどありません。
また当直中は眠ることはもちろん、自分の時間として使うことも可能です。
肉体的・精神的疲労およびストレスはほとんどないと言ってよいでしょう。

②健診や人間ドック

健診や人間ドックの医師の仕事は、勤務時間が短い上に高単価のため人気の高いアルバイトです。
夏季休暇などで医師の人手が手薄となる夏場は、特にアルバイトの需要が高まります。
半日以下の勤務で数万円の報酬が得られるため、楽に収入を増やしたいという方にぴったりの仕事です。

③スポットのアルバイト

開業医が休暇を取る場合、スポットのアルバイト医師を求めるケースもあります。
クリニックでの外来診療を1日任される場合は数万~10万円程度の報酬となりますが、高度な処置技術を持つ医師などはさらに高い報酬が期待できます。

平日の日中に勤務できるクリニックのスポットアルバイトは、特に小さな子どもがいるなど家庭を優先したい事情のある医師に人気です。
家庭生活に重きを置かざるを得ない方にとっては、精神的にも身体的にも楽な仕事であると言えるでしょう。

しかし多忙な状況では、条件に合ったスポット求人を簡単に見つけられません。
このような時は、医師専門転職エージェント「メッドアイ」に相談してみるのも一つの方法です。
一人で悩むよりも、一度気軽に相談してみてはいかがでしょうか。

医師の楽な働き方とセカンドキャリア考察

医師にとって楽な仕事を目指す理由には2つのパターンが考えられます。
一つは現状の仕事がつらく一刻も早く楽な仕事に転職したいケース、もう一つは今すぐというよりは将来的に楽な仕事に移行したい、つまりセカンドキャリアとして楽な仕事を考えたいといったケースです。

どちらのケースにしても今後の医師としてのキャリアプランの構築に関わることであるため、よく考えておきましょう

キャリアプランが重要な理由については、こちらの記事で詳しくご紹介していますので参考にしてください。

【医師の転職】医師免許でできる仕事(臨床以外)3選

医療現場で治療をメインに働くだけが医師ではありません。病院で働く以外の医師としての働き方について見ていきましょう。

  • 産業医
  • 介護老人保健施設
  • 公衆衛生医師

産業医

産業医の主な仕事は医学的な知識を活かし、企業などに勤務する労働者の健康を守ることです。
50名以上の労働者を雇用する事業者は産業医を選任し、労働者の健康管理などに従事させなければいけません。

産業医は医師であることに加え、厚生労働省の定める要件を満たすものでなければならないとされています。

企業の規模が大きければ企業に専属的に勤務、つまり常勤となる「専属産業医」、中小規模であれば「嘱託産業医」となります。
嘱託産業医は月に数回企業へ訪問し業務を行いますが、専属産業医は常勤と言っても必ずしも週5日勤務しなければいけないということはなく、それ以下であるケースが多くなっています。

介護老人保健施設

介護老人保健施設(老健)では、常勤の医師が1名配置されていることが必須です。
老健は入所者の在宅復帰を目標とした施設で、リハビリテーションを中心としたサービスを提供しています。

その中で医師は主に入所者の健康管理および疾患の治療・処方を行う他、看護師やリハビリ専門職、介護職員への指示などを行います。

医療機関に勤務した場合と比べると収入は低めであるものの、精神的・肉体的な負担も少なく楽な仕事の一つとして希望する医師の多い職場です。

公衆衛生医師

保健所や自治体など地域保健の分野で働く医師が「公衆衛生医師」です。
都道府県や政令市などでは保健所の設置が法律により義務づけられている他、保健所長は原則医師でなければいけません。

公衆衛生医師は公務員として採用されるため、ワークライフバランスを保ちつつ働くことが可能である上に、経験に応じてキャリアアップも目指せることが魅力です。

【医師の転職】医師以外の仕事3選

医師として働くわけではありませんが、医師免許取得者としての知識を活かした仕事があります。

  • コンサルティング業界
  • 製薬企業
  • 保険会社

コンサルティング業界

医師免許を持つ方の需要が高まっているのがコンサルティング業界です。特に病院の経営など医療の分野に特化したコンサルティング会社では、その分野に関する専門性の高い知識を持つ医師のニーズが高い傾向にあります。

その他製薬業界や医療機器メーカーなどに強いコンサルティング会社でも、医学の知識が役立ちます。ただし勤務医ほどではないにしろ、コンサル会社での勤務も激務であると言われています。
楽な仕事とは言えないかもしれませんが、現状と比較し検討してみる価値はあるでしょう。

製薬企業

医師として製薬会社に勤務する「メディカルドクター」として、医薬品の安全性・有効性試験のデータ分析、新薬開発などに従事する方法もあります。

製薬会社の社員となり、もちろん当直や夜勤などもありません。
カレンダー通りの休日を希望するなど、ワークライフバランスを重視したい方などにはおすすめの職場です。

保険会社

医師の資格を活かしつつ保険会社に勤務するのが「社医」です。
社医は生命保険加入社もしくは加入希望者の健康状態の確認や妥当な保険料の査定、保険金の支払いに関することなど、医学の知識を活かし業務を遂行します。

一見楽な仕事のように見えますが、医師としての幅広い知識が必要である上、同様の仕事を受け持つ他職種のマネジメントを求められるケースもあります。

とはいえ、会社員としてワークライフバランスを良好に保てる職場であると考えれば、医師としては楽な仕事であると言えるでしょう。

まとめ(医師の楽な仕事について)

医師が楽な仕事を求める場合、一般的に忙しくないと言われる眼科や耳鼻科、皮膚科などの診療科を選択する方法があります。
また楽なアルバイトとして人気の寝当直や健診、スポットなどに従事するのもおすすめです。

さらには思い切って臨床の場から離れるという選択肢もあるでしょう。
このようなケースでは産業医や老健の医師として働く、企業で医学の知識を活かして働くなどの選択肢があります。

ただし、医師にとって重要とされるキャリアプランを熟考した上で、楽な働き方を模索すべきであることを忘れてはいけません

いざ自分のキャリアプランに迷いが生じてしまったら、転職エージェントに相談するのも一つの方法です。
医師専門転職エージェント「メッドアイ」なら、先生のキャリアプランに合った職場探しを全力でサポートします。