公衆衛生医師の年収の目安は、卒後5年目で650〜1,000万円、経験20年前後で1,100〜1,500万円ほどです(厚生労働省公表の目安)。
臨床医の平均と比べるとやや低い水準ですが、当直がほぼなく生活リズムが安定していることが特徴です。
一方で、「臨床から離れてスキルが鈍るのが不安」「調整業務ばかりで達成感がない」と、辞めたい・臨床に戻りたいと感じる先生も少なくありません。
本記事では、公衆衛生医師の仕事内容・年収・激務の実態を公的データで整理したうえで、辞めたいと感じたときの判断基準と選択肢まで解説します。
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公衆衛生医師とは?仕事内容と役割
公衆衛生医師とは、保健所や都道府県庁などで地域全体の健康と医療体制を守る行政の医師です。全国の行政機関に従事する医師は令和4年で1,856名。
同じ年に医師届出票を提出した医師343,275名の約0.54%にあたり、臨床医とは異なる専門性を持つ少数のキャリアです。
【出典】日本公衆衛生協会「公衆衛生医師の確保と育成に関する調査および実践事業報告書」(令和6年度地域保健総合推進事業)
公衆衛生医師は、個人の患者を診る臨床医とは異なり、地域住民全体の健康や医療体制を整える行政医師です。
自治体や保健所、都道府県庁などで勤務し、地域社会の健康課題を予防的・政策的に解決することが求められます。
主な仕事内容
感染症対策
感染症の発生状況を監視し、疫学調査や医療機関との調整を行います。流行期には地域住民への情報提供や二次感染予防策の策定など、迅速かつ正確な対応が必要です。
健康危機管理
自然災害や食中毒、重大インシデントが発生した際、緊急対応計画を立て、医療機関・行政・関係団体と連携して被害の拡大防止を行います。
母子保健・環境衛生・食品衛生
健康診断や予防接種、学校・保育施設の衛生管理など、日常的に地域の健康維持に関わります。また、食品衛生や水質管理、環境衛生に関する施策も実施します。
地域医療計画の策定
地域の医療資源の分布や医療ニーズを分析し、病院・診療所・救急体制などを含む医療計画を立案します。地域全体の医療アクセスを確保する役割も担います。
医療政策・制度の立案・整備
公衆衛生に関わる新制度やガイドラインの作成、施行のサポート、医療政策の改善提案など、住民の生活の質を向上させるための行政的業務も重要です。
日常業務のイメージ
公衆衛生医師の仕事は、資料作成や会議、関係機関との調整などデスクワークが多く、臨床医のような直接診療は少なめです。
しかし、政策や制度を通して地域全体の健康を守るというやりがいがあります。感染症流行期や災害時には現場対応が発生し、激務となる場合もあります。
公衆衛生医師の社会的意義
- 個人ではなく、地域全体の健康と安全を守る
- 制度や施策を通じて、長期的に地域医療を改善
- 災害・感染症・健康危機への対応で、多くの人命を守る
公衆衛生医師は、臨床医のスキルとは別の視点で社会に大きな影響を与える職種であり、医療と行政の橋渡し役として地域社会で重要な役割を果たしています。 あわせて読みたい
公衆衛生医師の年収はどれくらい?

| 比較項目 | 臨床医(病院勤務医) | 公衆衛生医師(行政医師) |
|---|---|---|
| 平均年収 | 約1,200万円〜1,600万円 | 約800万円〜1,200万円(公務員給与) |
| 当直・オンコール | あり(月数回〜) | 原則なし(平時) |
| 残業・土日祝休み | 多忙・不規則になりがち | 土日祝休み・カレンダー通り |
| 有事の負荷 | 担当患者の対応がメイン | 感染症・災害発生時に一時的に激務化 |
| 身分・安定性 | 医療機関の職員 | 地方公務員(身分保証あり) |
公衆衛生医師の給与は、自治体の公務員給与体系をベースに決まります。年齢や経験年数、役職、勤務地の地域手当などによって差はありますが、年収のボリュームゾーンは800万〜1,200万円前後です。
管理職クラスになると1,300万〜1,500万円程度に達するケースもあります。一方、病院勤務医の平均年収が約1,200万〜1,600万円程度とされることを踏まえると、収入水準はやや低めです。
ただし当直や夜勤がほぼないため、労働時間あたりの負担は比較的抑えられています。
年収のモデルケース
卒後5年目:650〜1,000万円前後
初任給や基本給に加え、地域手当や住宅手当などが含まれます。若手でも地域医療に関わる責任があるため、比較的高めの水準です。
卒後10年目:800〜1,200万円前後
経験を積むことで係長・課長クラスのポジションに昇進するケースもあり、役職手当が加算されます。専門分野での知識や行政経験も給与に反映されることがあります。
卒後15年目:950〜1,350万円前後
中堅〜管理職クラスになり、地域医療計画の策定や災害・感染症対応などで大きな裁量が与えられる時期です。給与も経験と役職に応じて上昇します。
経験20年前後:1,100〜1,500万円前後(管理職でさらに上振れ)
部長クラスや所長クラスに昇進すると基本給に加え管理職手当が支給されます。地域医療政策や災害対策などの責任が増えるため、給与も上昇します。
【出典】厚生労働省 公衆衛生医師採用情報「キャリアパスや待遇」
※厚生労働省が公表している年収の目安は、卒後5年目650〜1,000万円、卒後10年目800〜1,200万円、卒後20年目1,100〜1,500万円の3区分です。本記事の卒後15年目は、この間を補うために示した目安です(2026年9月15日確認)。
なお、臨床医との比較の物差しとしては、厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」で医師全体の平均賃金が年収換算約1,512万円です。
公衆衛生医師は若手〜中堅では臨床医平均を下回りますが、公務員として安定的に昇給し、管理職では1,500万円前後に届く体系です。
自治体が公表している給与例
実際の給与は自治体の給料表と手当(初任給調整手当・地域手当・期末勤勉手当など)で決まります。募集要項や採用サイトで給与例を公表している自治体もあり、目安として参考になります。
| 自治体 | 公表されている給与例 |
|---|---|
| 名古屋市 | 係員級(臨床研修修了以降)年収約960万円〜/課長補佐級(医師免許取得後11年程度)約1,200万円〜/課長級(同16年程度)約1,380万円〜/部長級(同27年程度)約1,460万円〜/局長級(名古屋市保健所長)約1,520万円〜 |
| 東京都 | 医歴5年 約1,000万円/医歴10年 約1,100万円(いずれも税込) |
| 茨城県 | 医師経験5年(29歳)約1,000万円/20年(44歳)約1,400万円 |
| 全国保健所長会の例(全国の目安) | 30歳前後・技師級 約800万円/35歳前後・係長級 約950万円/37歳前後・課長補佐級 約1,050万円/45歳前後・課長級 約1,300万円/50歳前後・次長級 約1,400万円 |
※名古屋市の年収には給料のほかに地域手当、初任給調整手当、期末・勤勉手当等が含まれ、昇任時期・年収はモデルケースとして示されたものです。全国保健所長会も「実際には各自治体によって様々です」と注記しています(いずれも2026年9月15日確認)。
【出典】名古屋市 公衆衛生医師募集サイト/東京都保健医療局「公衆衛生医師募集案内(勤務条件等)」/茨城県「公衆衛生医師に興味をお持ちの方へ」/全国保健所長会「公衆衛生医師のキャリア」
年収に影響する要素
勤務地(地域手当)
都市部と地方では手当の金額が異なります。へき地勤務や医師不足地域では手当が上乗せされることがあります。
役職・昇進
課長・部長クラスになると管理職手当が加わり、年収が大幅に増える場合があります。
経験年数・専門性
行政医療や公衆衛生の専門知識が豊富な医師は、評価されることで給与に反映されやすくなります。
臨床医との比較
臨床医は手術や当直、夜勤手当で収入を増やせる一方、勤務時間が長く激務になりがちです。
公衆衛生医師は激務は短期間のみで、平時は日勤中心。そのため年収は臨床医よりやや低めの傾向がありますが、長期的に安定して昇給する点が大きな特徴です。
将来的なキャリアパスと年収
公衆衛生医師として数年勤務すると、次のようなキャリアパスが考えられます。
- 自治体の管理職(課長・部長・所長)
- 大学や研究機関での公衆衛生研究職
- 医療コンサルティングや政策立案への転職
- 災害医療や国際保健に関わる専門職
管理職や専門職に進むことで、年収の上限も1,500万円前後まで見込めるケースがあります。
公衆衛生医師のメリットとやりがい
公衆衛生医師として働くメリットややりがいは以下の通りです。
- 地域医療に貢献できる
- 災害や感染症などによる健康被害の拡大防止に携われる
- システムや制度の確立に携われる
1.地域医療に貢献できる
公衆衛生医師は医療機関で働く医師とは異なり、直接患者と関わることは多くありません。 あわせて読みたい
一方で、感染症予防や保健対策などで、住民の健康に関わることはできます。
個人ではなく地域全体の医療に貢献ができるため、健康で活気が溢れる街を作りたいと考えている方にはおすすめの仕事です。
広範囲の医療に関われるのは、公衆衛生医師ならではのメリットでしょう。
2.災害や感染症などによる健康被害の拡大防止に携われる
災害や感染症は多くの人が亡くなってしまう可能性があります。 あわせて読みたい
公衆衛生医師は災害医療やへき地医療、食品や環境などに関する生活衛生、ワクチン接種や保健指導などの幅広い取り組みを通じて、地域での健康被害拡大の防止に携われます。
より多くの人の命を守れる可能性がある仕事です。
医療機関で働いている医師にはできない経験ができるのは、公衆衛生医師ならではのメリットと言えるでしょう。
3.システムや制度の確立に携われる
公衆衛生医師は各自治体の感染症やがん、難病に関する制度を整えたり、システムを作ったりできます。 あわせて読みたい
直接、治療を行うわけではありませんが、システムや制度によって健康で安心して過ごせる社会を作れます。
実際に制度が原因で、つらい思いをしている住民は少なくありません。
そういった方の声を聞いて、住みやすい街を作れるのは公衆衛生医師ならではのメリットです。
公衆衛生医師のデメリット
公衆衛生医師は数多くのメリットがある一方で、以下のようなデメリットもあります。
- 臨床現場から離れてしまう
- 募集枠が少ない
- 感染症の発生や自然災害などの緊急時対応がある
1.臨床現場から離れてしまう
公衆衛生医師になると、必然的に臨床現場から離れてしまうことになります。 あわせて読みたい
転職をした後に現場で働きたいと思っても、ブランクの期間次第では戻りづらかったり、戻った後に業務に慣れるまでに時間がかかったりしてしまいます。
今まで蓄積してきた医師としてのスキルが、ブランクの期間によって失われてしまう可能性がある点はデメリットの一つです。
公衆衛生医師を目指す前に、自分がどのようにして医療に携わりたいのかよく考えておくことが重要です。
2.募集枠が少ない
公衆衛生医師の募集枠の定員は、自治体ごとに1名〜数名程度であることが多いです。 あわせて読みたい
そのため、公衆衛生医師になりたいと考えても、定員次第ではなれないかもしれません。臨床医と比べてなるのが難しい点も、公衆衛生医師のデメリットです。
希望している地域の公衆衛生医師の募集人数が少なく、なかなか就業が難しい場合は、別の地域で探すといいでしょう。
特にへき地であれば人手が不足している傾向にあるため、公衆衛生医師になりやすいかもしれません。
3.感染症の発生や自然災害などの緊急時対応がある
公衆衛生医師は感染症が流行した場合、疫学調査や二次感染予防指導など、通常よりも激務になる場合があります。自然災害が発生した際は、緊急で対応しなければいけないケースもあります。 あわせて読みたい
勤務する地区によって業務内容は異なりますが、有事の際に稼働しなければいけない点はデメリットと言えるでしょう。高い責任感が求められる仕事です。
公衆衛生医師は激務?落ち着いて働ける時期との違い
公衆衛生医師は自治体・部署・時期によって差がありますが、通常、平日日勤が中心で当直・オンコールはほぼ無しです。
このため、普段は比較的落ち着いた働き方ができます。
ただし、以下のような有事には激務になりやすい点は把握しておく必要があります。
- 感染症の大規模流行(調査・調整・住民対応が増える)
- 災害発生時(避難所衛生、医療連携対応が急増)
- 食中毒や重大な健康被害が発生したとき
- 行政発表・記者対応が必要なケース
平時は安定、有事は一時的に負荷が跳ね上がるという特性があります。
公衆衛生医師になるには?求められる条件や素質
公衆衛生医師は全国で統一された資格があるわけではありません。
募集する都道府県の試験に合格することで、公衆衛生医師としての採用が決まります。試験の際は、以下の能力がチェックされるケースが多いです。
- 公衆衛生や医学に関する知識とセンス
- 行政職員としての自覚と責任
- コミュニケーション能力と危機管理能力
1.公衆衛生や医学に関する知識とセンス
臨床医としての知識だけではなく、公衆衛生医師になるためには、公衆衛生に関する知識が求められます。
公衆衛生に関する知識は時代やエリアによって異なるため、健康課題を敏感に感じとるセンスが必要になります。
2.行政職員としての自覚と責任
公衆衛生医師は行政職員であるため、自覚と責任を持って働かなければいけません。
税金によって自分の給料が賄われているという認識を持ち、地域の人々に還元していく必要があります。
行政職員であるため、予算調整や議会対応、報道対応などの能力も求められます。
医学に関する知識が充実していれば、必ずしも公衆衛生医師になれるわけではありません。
3.コミュニケーション能力と危機管理能力
公衆衛生医師は地域のさまざまな機関や団体と連携して働く機会が多いです。そのため、地域の人々と円滑にコミュニケーションを取る能力は不可欠と言えます。 あわせて読みたい
また、感染症や食中毒などが起こった際、速やかに対応できる危機管理能力も求められるスキルの一つです。
公衆衛生医師はこんな人におすすめ
公衆衛生は以下のような人におすすめの仕事です。
- ワークライフバランスを大事にしたい人
- 安定してキャリアアップを図りたい人
- 他職種と連携しながら大きな仕事を成し遂げたい人
1.ワークライフバランスを大事にしたい人
臨床医は激務になるケースも少なくありません。残業が多く、悩んでいる方もいるでしょう。 あわせて読みたい
公衆衛生医師は待遇や福利厚生が一般職の公務員と同じであるため、休暇制度を利用しやすく、ワークライフバランスを整えやすい点が特徴です。
勤務時間は臨床医と比べると少ない傾向で、プライベートの時間を確保したいと考えている方にはおすすめの仕事です。
新型コロナウイルスのような感染症が流行した場合を除き、当直やオンコールもありません。
医師という職業の中では、ワークライフバランスが充実している部類であるのは間違いありません。医療に関わりつつ、自分の時間も大切にしたい方におすすめの仕事です。
2.安定してキャリアアップを図りたい人
公衆衛生医師は公務員としての身分が保証されており、安定的にキャリアアップを図れる点がメリットです。
公衆衛生医師になった後のキャリアは人によって異なりますが、経験や年数に応じて徐々に上がっていくのが一般的です。
自分のキャリアを少しずつ積み上げていきたいと考えている方には、おすすめの仕事と言えるでしょう。
参照:公衆衛生医師 キャリアパスや待遇|厚生労働省
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3.他職種と連携しながら大きな仕事を成し遂げたい人
先ほども述べたように、公衆衛生医師は地域の人々や企業と連携して業務に取り組む機会も多い仕事です。 あわせて読みたい
他の職種と連携をしなければいけないケースもあります。他職種と連携を取りながら、大きな仕事を成し遂げたいと考えている方には、おすすめの仕事です。
他職種とも関わる中で、公衆衛生に関する仕組み作りや制度の確立など、自分だけでは難しい大きな仕事も成し遂げられるでしょう。
成し遂げられた際のやりがいも大きいため、仕事に充実感を求めている方にも向いている職業と言えます。
公衆衛生医師はどれくらい辞めている?離職率と定着の実態
公衆衛生医師の定着は、全国的な課題として調査されています。
道府県保健所長会の会長を対象にした調査(46道府県中40が回答)では、県型保健所の医師について「離職率(中途退職者/新規採用者)は59.1%(75/127)と高率でした」と報告されています。
ここで注意したいのは、この59.1%が在職者に占める退職者の割合ではないことです。
新規に採用した127名に対して中途退職者が75名だった、という2つの人数の比です。それでも、採用した医師が定着しにくい職種であることを示す数字といえます。
【出典】群馬県「公衆衛生情報」2022年7月号 武智医監の記事全文
一方で、全国の医師届出票をもとにした集計では、違う面も見えます。
令和2年から令和4年の2年間で、行政機関に新たに入った医師は473名、行政機関から出た医師は398名でした。平成22年以降のどの比較期間でも入職が離職を上回っており、行政機関に従事する医師数そのものは増加傾向にあります。
離職した医師の年齢分布は、30代後半と60代後半にピークのあるM字型です。
近年は40代後半・50代後半の離職も増えています。入って数年の時期と、役職定年が近づく時期に辞める人が多い、という形です。裏を返せば、その時期を越えて続けている医師も相当数いるということになります。
【出典】日本公衆衛生協会「公衆衛生医師の確保と育成に関する調査および実践事業報告書」(令和6年度地域保健総合推進事業)
公衆衛生医師を辞めたい主な理由
公衆衛生医師として働く中で、「辞めたい」と感じるケースも少なくありません。理由としては、以下のようなものが挙げられます。
臨床から離れたことでスキル維持が難しい
臨床医の経験が長い医師ほど、診療スキルが衰えてしまうことを不安に感じる場合があります。
仕事内容の大半が調整業務で、臨床のような達成感を得にくい
会議や行政書類作成、他機関との調整が中心のため、直接患者を救う臨床医のような満足感を得にくいことがあります。
激務になる時期の精神的プレッシャーが大きい
感染症の大規模流行や災害時などは急な対応が求められ、通常時よりも負荷が高くなります。
異動やキャリアの選択肢が限られやすい
勤務先の自治体内での異動が基本のため、自分の希望するポジションや地域で働けない場合があります。
組織の意思決定が遅く、医師としての裁量が小さいと感じる
行政組織特有のフローや承認待ちにより、自分の判断で即座に動けないことがストレスになる場合があります。
辞めた方がいいか、続けた方がいいかの判断基準
「辞めたい」と感じても、その場の疲労なのか構造的なミスマッチなのかで答えは変わります。次の基準で整理してみてください。
転職(臨床復帰など)を検討してよいケース:
- 臨床の現場感覚を失うことへの不安が1年以上続いている
- 調整業務より診療そのものにやりがいを感じる自覚がある
- この先のポスト(管理職・保健所長)に魅力を感じない
続ける選択が合っているケース:
- 生活リズムの安定(当直なし・土日休)が家庭やライフプランの前提になっている
- 地域全体の健康づくりや政策への関与に手応えを感じている
- 辛さの原因が有事対応など一時的な負荷にある
臨床復帰にはブランクの評価という現実的な論点があるため、迷っている段階で市場の実情を確認しておくと判断しやすくなります。ご自身だけで判断が難しい場合は、無料相談でキャリアの棚卸しからお手伝いします。
実際にメッドアイで非常勤の勤務先を紹介した40代・産婦人科の先生からは「他社にはない細かなフォローがありがたい」という声をいただいています(→転職インタビュー)。
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辞めたい場合の4つの選択肢と転職の実務
公衆衛生医師としての経験は、医療・行政・政策の幅広い知識と調整力として評価されます。そのため、辞めたいと感じた場合でも、キャリアの幅は意外と広いです。
重要なのは、「辞めたい」と思った時点でキャリアの幅を狭めず、柔軟に選択肢を検討することです。
病院やクリニックへの転職(臨床復帰)
行政経験を活かして、感染症対策や医療連携に関わるポジションを得ることが可能です。
公衆衛生医師から再び病院やクリニックの臨床医へ戻る選択肢もあります。
- 復帰しやすい時期: 公衆衛生医師になる前に数年以上の臨床経験があれば、診療のベースや手技の土台があるため、復帰のハードルは低く即戦力として歓迎されます。
- ブランクの影響と対策: 公衆衛生医師としての勤務年数が長くなるほど、最新の治療法への追随や手技のブランクが課題となります。将来的に臨床復帰の可能性を残しておきたい場合は、行政勤務と並行して「週1日の定期非常勤(外来や健診バイトなど)」を受託し、臨床現場との接点を維持しておくのがおすすめです。
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臨床復帰の面接では、ブランクの長さそのものより「行政で何を担い、臨床に戻って何をしたいか」を説明できるかが評価を分けます。
感染症対応や地域連携の経験は、地域医療・在宅医療の分野では強みとして評価されることも多く、非常勤で臨床の感覚を取り戻しながら常勤復帰を目指す進め方も現実的です。
当社コンサルタントへの取材でも、採用側が見るのは経歴の字面より「実務で何をどれだけやってきたか」の裏付けだといいます。
行政での対応件数や担当した施策を具体的な数字で示せると、ブランクへの懸念は小さくできます。
実際の転職事例は、メッドアイの転職インタビューでも紹介しています。
※本章は、メッドアイで医師の転職支援を担当する現役コンサルタント(これまでに200人以上の医師と面談)への取材を元に構成しています。
大学や研究機関での研究職・教育職
公衆衛生や疫学に関する専門知識を活かして、教育や研究に従事する道があります。
医療コンサルティングや政策関連企業への転職
行政医師として培った医療制度や政策の知識を、コンサルタントや民間企業での医療戦略立案に活かすことができます。
国際保健・NGO・災害支援などの専門職
災害医療や国際保健に特化した職種で、公衆衛生医師の経験が即戦力として評価されます。
公衆衛生医師に関するよくある質問

Q 公衆衛生医師は「やめとけ」と言われるのはなぜですか?
臨床医と比べて年収水準が低めであること、臨床スキルの維持が難しいこと、行政組織特有の意思決定の遅さが理由として語られることが多いです。
一方で当直のない安定した働き方を重視する医師には合っており、向き不向きの問題といえます。
Q 公衆衛生医師に当直や夜勤はありますか?
平時は原則ありません。勤務は平日日勤が中心です(例:茨城県の募集要項では1日7時間45分・土日祝休み)。
ただし感染症の大規模流行や災害などの有事には、時間外対応が発生します。
Q 公衆衛生医師から臨床に戻れますか?
戻れます。ブランクへの不安は残りますが、非常勤から臨床感覚を取り戻す方法や、行政経験を評価する医療機関の選び方があります。
ブランクの長さや診療科によって現実的な選択肢が変わるため、早めの情報収集をおすすめします。
まとめ(公衆衛生医師の年収と辞めたい場合の選択肢)
公衆衛生医師は臨床医と比べて、業務内容が大きく異なります。
行政職員であるため、安定しているというメリットがある一方で、高い責任能力が求められる側面もあります。
地域の方々に医療を届けたい、街全体を健康にしたいと考えているのであれば、公衆衛生医師はおすすめの仕事です。
しかし、公衆衛生医師としての働き方に悩んだ場合は一人で抱え込まず、ぜひ転職エージェント「メッドアイ」に相談してください。
※本記事の給与・統計データは、厚生労働省の公衆衛生医師採用情報、各自治体の募集要項、日本公衆衛生協会の報告書(いずれも2026年9月12日確認)に基づいています。


















