ネット上では「医者は激務すぎる」「医者にならなきゃよかった」といった声をよく目にします。
しかし、実際に医師がどのような点でつらさや大変さを感じているのか、詳しく知る人は少ないかもしれません。

  • 医師のつらさの原因は何か
  • つらくて辞めたいと思ったときはどうすべきか
  • 医師がやりがいを感じる瞬間とは

今回は、こうした疑問を持つ方に向けて、医師専門の転職エージェントが「医師が感じる仕事のつらさ・大変さの原因」や「辞めたいと思ったときの対処法」、さらに「医師としてやりがいを感じる瞬間」についてわかりやすく解説します。

この記事を読むことで、医師の現場で直面する悩みやプレッシャーを整理できるだけでなく、今後のキャリア選択に役立つ情報も得られます。

  • 医師のつらさ・大変さの原因
  • 医師をやめたいと思った時の具体的な行動
  • 医師としてやりがいを感じる3つのタイプ

ぜひ最後までご覧ください。

医師のつらさ・大変さの4つの原因

医師のつらさや大変さの原因にはどのようなものがあるのでしょうか?

  • 命を預かる責任
  • クレームや医療訴訟
  • 生活リズムの不規則さ
  • 人間関係の悩み

上記の4項目に焦点を当てて、解説していきたいと思います。

命を預かる責任

まず、命を預かる責任の重さが挙げられます。

医師という職業柄、これは当然のこととして受け入れられがちですが、人の命を預かる責任が常に付きまとうということは並大抵のプレッシャーではありません。
命を預かるという前提がある以上、医師における業務においてはどんな些細な作業にも緊張感が伴うことになるからです。

中でも恐ろしいのは、誤診や診察内容の見落としです。
誤診の内容によっては、患者さんの命や今後の人生を左右することにも繋がりかねません。

また、勤務医・開業医に関わらず、診断ミスなどのマイナスイメージは病院側の信頼にも直に関係してくることになります。

そういったさまざまな問題が起きないように、日々最大限の注意を払いながら診察を行っていることからも、その負荷は相当なものであることがわかります。

クレームや医療訴訟

次に、クレームや医療訴訟問題が挙げられます。

クレームに関しては、患者やその家族から直接受けるケース電話やメールなどで不特定多数の人間から受けるケースがあります。
多い時では、それが毎日続くことになるのです。
いずれの場合でも、医師に相当なストレスがかかることは間違いありません。

さらに、クレーム処理よりも大変なのが医療訴訟を起こされた場合です。
医療訴訟において、医師や病院側が直接的な責任を問われることは稀であると言われています。

しかしながら、他人から訴えられるという行為そのものが精神的に大きなダメージになるということは想像に難くありません。

生活リズムの不規則さ

また、生活が不規則でプライベートに影響があるということが挙げられます。

ご承知の通り、医師の仕事は大変な激務です。
当直対応なども求められるため、当然生活リズムも崩れやすくなってしまいます。

そのため、家族とのまとまった時間を確保することも難しいというのが多くの医師の現状です。
さらに、救急のある病院で勤務する臨床医や、外科・産婦人科といった急性期に属する専門科医では、より一層の多忙を極めることとなります。

このような科では容体が急変した患者さんにいつでも対応できるように、24時間体制で呼び出しに備えています。
仮眠や食事を取る間もなく、夜通し勤務することも稀ではありません。
そして、夜勤の後は通常通りの日勤に戻るため、連続勤務時間が24時間を超えることもあるのです。

人間関係の悩み

最後に、人間関係の悩みが多いことが挙げられます。

官公庁や民間の企業が実施した医師を対象としたアンケート調査の結果では、悩みやストレスの原因ランキングとして「長時間労働」や「待遇」と並んで「人間関係」が常に上位にランクインしているという状況です。

特定の医療現場では今なお年功序列が色濃く残っており、正しいと思うことがあったとしても自身の意見や提案を素直に述べることが難しい環境となっています。

他に悩みとして多いのは、看護師や薬剤師など、複数名が一つのチームで行う業務が多く存在することにより、同じ医療スタッフとの折り合いがつかないことです。

特に経験の浅い若手医師の場合、ベテラン看護師などから不当な扱いをうけることもあり、パワハラ・モラハラ問題として近年話題となっています。

医療現場においてはこれらの要因が複雑に絡まり合うことから、人間関係に関しての悩みが多く発生する結果になっていると考えられます。

医師転職お役立ちnavi 公式 Instagram 医師キャリアに関する有益な情報を発信中!

医師をやめたいと感じた時の対処法

医師のつらさや大変さの原因が理解できたところで、実際問題として医師を辞めたいと思った時はどうすれば良いのでしょうか?

  • 身近な人に相談する
  • 転科やキャリアチェンジを検討する
  • 転職エージェントに相談する

現実的な選択肢としては、上記の3項目が挙げられます。
それぞれについて、詳しく見ていきましょう。

身近な人に相談する

第一の選択肢として、身近な人に相談することが挙げられます。
単純に普段の仕事量が多くて負担に感じている場合は、まず自身に一番近い立場の上司に相談してみてください。

仕事のやり方や向き合い方に関するアドバイスをもらうことによって、案外すんなりと解決することがあります。

対して、仕事量うんぬんではなく、医師としての在り方に漠然としたつらさや不安などを抱えている場合は、友人や家族などの心から打ち解けられる人に相談してみることをおすすめします。

相談するという行為の効果は大きく、考えを言葉にするだけでも自分の気持ちを客観的に理解し整理することができるようになります。

転科やキャリアチェンジを検討する

転科やキャリアチェンジを検討することも、有効な選択肢の一つです。
医師としてある程度の経験を積んでくると、自身の属している科の不満や問題点の一つやふたつ見えてくることでしょう。

また、一度何かに属したからこそ、自分自身の適正や目指すべきキャリアの方向性も固まってくるというものです。
そんな時には思い切って、新しい道を開拓してみることをおすすめします。

転科をすることも良いですが、キャリアチェンジにおいては臨床以外の仕事なども視野に入れてみてください。

固定観念に縛られない自分に合った働き方を早い段階で選択することができれば、その後の長い医師生活もストレスなく過ごすことが可能になります。

転職エージェントに相談する

転職を前向きに考えている場合は、一度医師専門の転職エージェントに相談することをおすすめします。

医師専門の転職エージェントでは、数多くの医師の転職に携わった経験からさまざまな有益な情報を得ることができます。

  • このまま資格や技術を身に着けた場合の将来のポスト
  • 今すぐ転職した場合の待遇

上記のような具体的な情報は、ご自身のキャリアプランの計画における心強い判断材料になってくれます。

医師としてやりがいを感じる瞬間・3つのタイプ

次に、医師としてやりがいを感じる瞬間・3つのタイプをご紹介します。

誰しもが医師としての現在の在り方に不満だけを持っているという訳ではなく、やりがいを見出しながら前向きに捉えている医師の存在も多いです。

  • 人との関わりが生むやりがい
  • 自己研鑽に関するやりがい
  • 名声や収入を得られるやりがい

医師の感じるやりがいは、具体的には上記の3項目に分類されます。

普段の業務からこれらのやりがいを感じることができれば、医師としての適性があると判断することが可能です。
一つずつ詳しく見ていきましょう。

1.人との関わりが生むやりがい

まず、人との関わりが生むやりがいが挙げられます。

  • 人の役に立てる
  • 人を笑顔にできる
  • 人の命を救える
  • 命の誕生に立ち会える
  • 患者や家族に感謝される

上記のような人との密な関わりは、医師としての職務をまっとうする上での大きなやりがいになります。

人の役に立てるという点に関しては、どんな仕事も誰かの役に立っているとも言えますが、医師においてはそれがもっと直接的な意味を持ちます。

病気やケガといった、人間の持つ最たる悩みを直接解消するのですから、これ以上誰かの役に立つ仕事はないと言っても過言ではありません。
働けば働いた分だけ多くの人々を笑顔にすることができるということも、素晴らしい点だと言えます。
また、医師は人の命を救うこともできます。

命を救うという行為は、普通に生きている限りなかなか経験できるものではありません。 

加えて、産婦人科医などにおいては、命の誕生にも間近で立ち会うことが可能です。
生命の誕生とはとても神秘的な現象であり、その瞬間に立ち会えるということもかけがえのない経験となります。
そして、それらの経験を通して出会ったたくさんの患者さんやその家族から感謝の言葉を頂いた時には、医者冥利に尽きる大きなやりがいを味わうことができるのではないでしょうか?

2.自己研鑽に関するやりがい

次に、自己研鑽に関するやりがいが挙げられます。

  • 知識を発揮できる
  • 技術を活用できる
  • 成長を感じられる

医師になるまでには、たくさんの勉強が必要になります。
そして、医師になってからも毎日が勉強の連続です。

医師としてのスキルアップに必要な資格やノウハウなどは、自身の能力如何によって際限なく吸収することが可能です。

そうして身に着けた知識や経験・技術を実際に現場で適宜発揮できるという点は、自己研鑽を積むことの大きなモチベーションとなります。

日々の業務の中で常に己の成長を感じられることも、医師としてやりがいを感じられる重要なポイントです。

3.名声や収入を得られるやりがい

最後に、名声や収入を得られるやりがいが挙げられます。

  • 高収入が得られる
  • 名声が得られる
  • 地域貢献ができる

医師は平均的に高い収入を得ることが可能な職業です。
給与の充実は仕事のやりがいを感じる部分として大きな割合を占めるものになります。

加えて、医師というステータスからは、お金では買えない名声を得ることもできます。
また、地域に根付いたクリニックや医療施設での活動を継続することができれば、大きな地域貢献にもなるでしょう。

自身が生まれ育った地域や思い入れのある土地の住民に対して恩返しができるという点も、得難いやりがいだと言えます。

医師の仕事を長く続けるために大切な考え方

医師の仕事は責任が重く、日々の業務も多忙です。そのため、長く働き続けるには「どう向き合うか」が非常に重要になります。ここでは、医師としてキャリアを長期的に維持するための考え方を3つご紹介します。

仕事の優先順位のつけ方

医師の業務には、緊急性や重要性の高いタスクが常に混在しています。すべてを完璧にこなそうとすると心身に負担がかかり、疲弊してしまいます。

優先順位を明確にすることで、無理なく質の高い医療を提供しながら、自身の負担も軽減できます。

適度な距離感を持った患者対応

医師は患者との関わりが深く、やりがいを感じやすい反面、感情的な負担も大きくなりがちです。

  • 患者や家族に寄り添いつつ、感情的に巻き込まれすぎない距離感を保つ
  • 悩みを抱え込みすぎず、同僚や上司に相談する習慣をつける

適度な距離感を意識することで、燃え尽き症候群や精神的ストレスを防ぐことができます。

キャリアプランを見据えた働き方

長く医師として働くためには、単に目の前の業務をこなすだけでなく、将来のキャリアを意識することが大切です。

  • 将来的に目指す専門分野や勤務スタイルを明確にする
  • 転科や非臨床業務への挑戦など、柔軟な選択肢を持つ
  • ワークライフバランスを考慮し、無理のない勤務環境を選ぶ

先を見据えた働き方を意識することで、長期的に充実した医師人生を送ることができます。

まとめ(医師のつらいことや悩み、やりがいについて)

今回は、医師のつらいことや悩み、やりがいについて解説してきました。
医師のつらさ・大変さの原因は?

  • 命を預かる責任
  • クレームや医療訴訟
  • 生活が不規則でプライベートに影響
  • 人間関係の悩み

医師をやめたいと思った時はどうすべきか

  • 身近な人に相談する
  • 転科やキャリアチェンジを検討する
  • 転職エージェントに相談する

医師としてやりがいを感じる瞬間・3つのタイプ

  1. 人との関わりが生むやりがい
  2. 自己研鑽に関するやりがい
  3. 名声や収入を得られるやりがい

医師という職業の特性上、さまざまな苦労や悩みがあることは避けられないでしょう。
しかしその反面で、他の職業では得ることの難しい大きなやりがいを感じられることも紛れもない事実です。

医師という職業は非常に責任の重い仕事ゆえに、給与面や待遇が良い反面、重圧に悩んだり辛い思いをすることも多いでしょう。
だからこそ自身の適性を見極めながら、慎重にキャリア形成を行っていくことが重要だと言えます。

現在の仕事に辛さを感じ、環境を一度変えて転職することも視野に入れたいと考えている方は、一度転職エージェントに相談してみてもよいでしょう。

医師専門の転職エージェントメッドアイは、経験豊富なエージェントが、あなたの将来におけるより良いキャリア形成の助けになってくれるに違いありません。