医師は常勤だけではなく、非常勤として働くこともできます。
「なぜ医師は非常勤で働くのか?」
「非常勤の給与や待遇はどうなの?」
「非常勤の求人の探し方は?」
上記のように、非常勤として働く理由や待遇面などが気になっている方に向けて、非常勤として働く理由や待遇面、求人の探し方を解説します。
医師が非常勤として働くのには理由があり、条件に当てはまれば、収入UPも可能なのです。非常勤医師の平均年収や勤務時間も調査したので、この記事を参考にして、ライフスタイルに合わせやすい働き方を見つけてみてください。
今さら聞けない「非常勤」「常勤」の違い
医師の雇用形態には「非常勤」と「常勤」の2種類があります。
常勤 | 一日8時間程度の勤務でかつ一週間2時間、週に4日勤務 |
---|---|
非常勤 | 常勤の勤務時間以外の勤務をする |
非常勤は病院でアルバイトのように働くことができ、配属先によって異なりますが、勤務実態は平均で週27時間です。
たとえば、常勤医師の勤務時間が週63.3時間に対し、非常勤の病理科は48.0時間、小児科は31.0時間、外科は25.1時間と言われています。
また、非常勤が配属される一番多いケースは外来で、続いて病棟管理や当直などです。
その他には、オンコールがないことも常勤と非常勤の違いのひとつです。
待遇面では常勤と異なるものの、自分の都合に合わせて働けるのが非常勤です。
なぜ医師が非常勤として働くのか? 4つの理由
医師が非常勤として働く理由は人それぞれですが、主なものは以下の4つです。
- 収入増のための副業として
- 経験・スキルアップのため
- 家事や育児と両立するため
- 開業の準備期間として
それぞれを詳しく解説していきます。
①収入増のための副業として
常勤医は収入増のため非常勤を副業としていることが多いのが特徴です。
労働政策研究・研修機構の調査では、49.5%もの常勤医が副業として別の医療機関で非常勤医として働いているという結果が出ました。
非常勤を掛け持ちする理由は以下のとおりです。(複数回答)
順位 | 理由 | 割合 |
---|---|---|
第1位 | 収入を増やしたいから | 48.1% |
第2位 | 勤務先からの指示 | 36.5% |
第3位 | 1つの勤務先だけでは生活が営めないから | 34.4% |
第1位と第3位を見ると、収入面での理由で非常勤を選択していることが分かります。 あわせて読みたい
このように「収入アップのため非常勤として働く」という考え方は、医師の世界では定着しています。
②経験・スキルアップのため
医師はさまざまな分野や診療科目の中から、1つを選択して勤務しています。
しかし、勤務している医療機関で、得意分野や診療科目の症例数が少ないと、思うように経験やスキルアップができません。
経験やスキルアップを目的として、非常勤という働き方は選択肢の1つです。
ただし、診療科目や分野によっては求人数の偏りはあります。
たとえば、泌尿器外来や内科系の専門外来は、ニーズが高いため求人が多くあります。
一方、外科系は術後管理までが業務であるため、執刀医を非常勤で募集していることはありません。
ただし、眼科の手術なら非常勤でも募集があり、美容外科や美容皮膚科でも研修後に非常勤でも執刀医として活躍できる場もあります。
このように、分野や診療科目によって非常勤として経験を積めたりスキルアップができるかは異なります。非常勤を検討している場合は、求人をこまめに確認することが大切です。
③家事や育児と両立するため
女性医師の中には、結婚・出産とライフスタイルが変化する方もいます。
日本医師会女性医師支援センターの『女性医師の勤務環境の調査』では、女性医師の中で家庭・育児に関する悩みがあるのは71.1%でした。
その内、現役の子育て中女性医師では90.6%も家庭・育児に関する悩みがあるとの結果が出ました。
また、「産休・育休が取りづらい雰囲気」「育児休業制度がない」といった理由で離職する女性医師もいます。
非常勤として働くことで以下のメリットを得ることができます。
- 好きな時間で働ける
- 効率的に収入を得られる
- 人脈が広がる
非常勤であるため「午前のみ」「午後のみ」といった働き方が可能です。
子どもの送迎や行事にも対応できます。
収入面では、医師の時給相場は診療科目にもよりますが目安は10,000円です。
短時間で効率的に収入を得ることが可能です。
非常勤はさまざまな医療機関で同時に働けます。
1つの医療機関での人脈だけではなく、複数の医療機関で人脈を作ることにも繋がります。
非常勤は育児もこなしつつ、一般的なパートと比べると高収入を得ることができたり、人脈を広げたりすることができる働き方です。
将来的に常勤医師に復帰したい時、就職先を紹介してもらえるチャンスも増えます。
非常勤で働くことで仕事から完全に離れずにいられるため、復帰の段階になっても最新の医療についていくことができます。
家庭と仕事を両立するには、家族の協力も必要です。 あわせて読みたい
非常勤で働く場合であっても、家族とどのように協力をしながら育児をしていくかも話し合っておきましょう。
④開業の準備期間として
非常勤を選択する医師の中には、開業の準備期間として働く場合もあります。
開業するにはさまざまな準備があり、通常1年前後は準備期間が必要です。
開業には多くの資金も必要になります。開業の準備期間も収入を得るため非常勤として働く医師も少なくありません。
また、ブランク期間を作らないためにも、非常勤を活用する医師もいます。
気になる非常勤医師の待遇と働き方は?
非常勤として働く場合、気になるのは待遇面です。
自由度の高い非常勤ですが、待遇面で満たされなければ迷う働き方になります。
ここでは、非常勤の待遇と働き方について解説します。
非常勤医師の平均年収
非常勤医師の平均日給は、79,980円程度。
平均年収では、週3日勤務で考えると1,100〜1,200万円前後、月収では100万円前後が目安です。
※2021年9月時点の「ドクタービジョン」に掲載された求人を元に計算した結果
ただし、平均年収はあくまで目安で、下記が影響します。
- 勤務する医療機関
- 診療科目
- 勤務時間
- 勤務日数
- 勤務地域
平均日給は地域によって異なり、東北・関東・東海エリアが高くなっています。
また、医師不足が深刻な医療機関や地域で働く場合、非常勤であっても給料が高いことが特徴です。
非常勤の勤務内容は外来が最多
非常勤の勤務内容は外来が一番多いことが特徴です。
次いで当直・病棟管理・日当直と続き、救急対応も含まれます。
外科系では先にも述べたように執刀医は常勤医が担当することが多いため、非常勤が担当することはほとんどありません。
ただし、眼科・美容皮膚科・美容外科は非常勤でも手術に関わることができる医療機関もあります。
勤務時間は平均週27時間
医療法では『常勤医師の最低勤務時間は週32時間』で、『非常勤は週の労働時間が32 時間未満』と定められています。
つまり、常勤と非常勤のラインは1週間32時間が目安ですが、非常勤の実際の勤務時間は平均27時間と最低勤務時間より短めです。
シフトは日勤が半数
非常勤のシフトは、働く医療機関によってさまざまです。
常勤とは違い、フルタイムで働く必要はありません。
そのため、午前のみ・午後のみ・週に数日などの勤務が可能です。
定期非常勤であれば、1週間の勤務日数や勤務時間を決め、固定で働くことができます。
一方、スポットは単発で働くなど、さまざまな働き方ができます。
そのため、子育て中や開業の準備期間に働きたい医師にはとても働きやすいです。
非常勤でよくある2つの働き方
非常勤は働き方によって定期非常勤とスポットに分類できます。
違いは以下をご覧ください。
勤務形態 | 働き方 | 適した人 |
---|---|---|
定期非常勤 | 週1日や週2日と日数を決めて定期的に勤務 | 安定した働き方を求める場合 |
スポットの非常勤 | 特定の日(健康診断日や当直など)のみ勤務 | 時々収入を得られればいい場合 |
定期非常勤は勤務する医療機関や勤務日数・時間を固定します。
そのため、安定した収入を得ることが可能です。
一方、スポットは勤務する医療機関や日数などは固定できません。
求人を見て、働きたい条件があれば申し込んで働きます。
自由度が高い分、安定した収入を希望する場合は不向きな働き方です。
また、スポットの場合、いつ求人が出るか分かりません。 あわせて読みたい
安定した働き方を求める場合は定期非常勤、時々収入を得られればいい場合はスポットがおすすめです。
非常勤求人の探し方は?
非常勤で働きたい場合、常勤と同じように探さなければいけません。
しかし、探し方が分からないという声もあります。
ここでは非常勤求人の探し方を2つご紹介します。
同僚や医師の知り合いからの紹介
医療業界の特徴は『横の繋がりが強い』ことです。
さらに半数以上の医師が非常勤で働いているとのデータもあるため、近くに非常勤として働いている医師がいてもおかしくありません。
知り合いや同僚に非常勤として働いている医師がいる場合は、相談して紹介してもらうことも方法のひとつです。
実際に非常勤として働いている医師から感想や待遇面など、リアルな体験談を聞くこともできます。
医師専門の転職エージェントに相談
他の仕事と同じように、医師という仕事も転職エージェントを利用して探すこともできます。
医師の場合、医師専門の転職エージェントがあります。
医師専門の転職エージェントの『メッドアイ』は、キャリアプランに合わせて話を聞けたり、就業先が決まった後もフォローしたりするサービスが整っています。
無料で利用できるため、転職エージェントを探している方はメッドアイを利用することも方法のひとつです。
下記から医師転職専門エージェントのメッドアイをご覧ください。
まとめ(なぜ医師は非常勤として働くのか)
医師は常勤だけではなく、非常勤という働き方もできます。
また非常勤は常勤よりも働き方の自由度が高く、短時間の勤務をしたり、複数の医療機関で働いたりすることができます。
非常勤の求人を探す方法は、知り合いの紹介や医師専門の転職エージェントの利用です。
医師専門の転職エージェント選びに迷ったら、メッドアイを利用しましょう。
仕事が決まる前はもちろん、決まった後も無料でフォローしてくれます。
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