病理医とは、患者さんの疾患の正確な診断と、適切な診療に欠かせない重要な役割を持つ医師のことです。
直接的な患者さんとの接点がない病理医ですが、臨床現場に大きな影響を与える仕事を担っています。
- 病理医の平均年収は?
- 病理医の仕事内容とは?
- 病理医になるには?
このように思っている方に向けて、プロの転職エージェントが病理医の年収や仕事内容を詳しく解説します。
病理医になる方法や、病理医が年収を上げるための方法も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
病理医の年収事情
あわせて読みたい病理科の平均年収は1,576万円です。なお本調査では、病理診断科の平均年収も項目として加えております。病理診断科の平均年収は1,320万円です。
全診療科の平均年収1,596万円と比較すると、病理医の年収は平均的と言えるでしょう。
詳しい平均年収については以下の項目で掲載しているので参考にしてください。
病理医の年代別平均年収
病理医の年代別平均年収は以下のとおりです。
年齢 | 年収 | 月額給与 | ボーナス |
---|---|---|---|
25~29歳 | 958万円 | 60万円 | 239万円 |
30~34歳 | 1,053万円 | 66万円 | 263万円 |
35~39歳 | 1,201万円 | 75万円 | 300万円 |
40~44歳 | 1,350万円 | 84万円 | 337万円 |
45~49歳 | 1,512万円 | 95万円 | 378万円 |
50~54歳 | 1,620万円 | 101万円 | 405万円 |
55~59歳 | 1,552万円 | 97万円 | 388万円 |
60~64歳 | 1,093万円 | 68万円 | 273万円 |
引用:https://heikinnenshu.jp/iryou/pathologist.html
上の表は、5歳毎に年収・月収・ボーナスの平均を出したものです。
ボーナスは年2回、4ヵ月分をもとに出したものであくまでも一例です。
研修を終えた20代後半から医師として活躍できるようになり、50代前半まで年収・月収・ボーナス共に徐々に上がっていきます。その後、50代前半をピークに平均年収は下がっていく傾向です。
平均年収を元に算出すると、病理医が一生涯で稼ぐ推定年収はおよそ5億5,100万円です。
日本病理学会の「目指せ病理医!」には「臨床医と比較して給料は低いということはありません」と記載されています。
病理医の仕事内容
病理医は主に下記の3つの仕事があります
- 組織診断(生検および手術材料)
- 細胞診断
- 病理解剖(剖検)
組織診断は、内視鏡医が見つけた病変から採取した小さい組織片(生検)を顕微鏡で診断したり、手術で切除された検体から臨床診断を確認したり、どの程度病気が進行しているかなどを検証する作業のことです。
細胞診断は、婦人科医が子宮粘膜から採取した細胞や外科医が乳腺など体表に近い病変部から採取した細胞を検査することで、人間ドックや子宮がん検診などで行われています。
病理解剖は、病死した患者の遺体を解剖し、臓器・組織・細胞を直接観察して医学的に検討することです。死因、病態解析、治療効果などを検証し、今後の医療に生かすことを目的に行われています。
また分子病理診断も病理医の重要な業務の一つです。
顕微鏡を用いた診断に加え、分子標的薬の選択や内分泌療法の適応を確認するなど、テーラーメイド治療を支えています。
病理医は他診療科と違い、患者さんと直接接することは少ないといえます。 あわせて読みたい
しかし、重大な病気を最終診断するため、臨床にも関連の深い重要な仕事です。
病理医になるには
病理診断で医療の発展を支える病理医になるには、どうすればよいでしょうか。
必要な学歴や資格について詳しく解説します。
病理医に必要な学歴や資格
病理医として活躍するために、医師免許の他に病理専門医資格を取得する方が多くいます。
病理専門医試験の受験資格を得るためには、医学部を卒業し医師免許を取得した後、病院で初期臨床研修や専攻医として病理専門医研修を履修する必要があります。
初期臨床研修は「病理診断科」がある病院を選択しますが、病理診断科を選択できなかった場合は、研修後に日本専門医機構へ専攻医として届け出て登録する必要があります。 あわせて読みたい
病理医が年収を上げる方法
多くの診療科医は独立開業して年収を上げる傾向にありますが、病理医は業務内容上、独立開業ができません。
勤務医が主な病理医が年収を上げるためには、どのような方法があるのでしょうか。アルバイトと転職について詳しく解説します。
①アルバイトする
病理医の求人は、常勤よりも非常勤が多いです。
非常勤の相場は日給1万円前後ですが、病院や地域によっては日給15,000円を上限としている病院もあるため、探してみてもいいかもしれません。
非常勤の病理医求人が多いのは、病理科を持たない医療機関が多いためです。
厚生労働省の必要医師数実態調査によると、全国の病理医約1,300人のうち2割以上はアルバイトやパートなどの非常勤でした。
他の診療科と比べると病理科の非常勤医は需要が高いため、給料が高いアルバイトをすれば収入アップを狙えるでしょう。 あわせて読みたい
②より高待遇の病院へ転職する
病理医は地域や勤務先の病院によって平均年収が異なることが多い職種です。
ある男性の転職成功事例によると、転職前は当直を月4回して年収1,100万円でしたが、転職後は当直なしで年収1,450万円と、350万円もアップしました。
この男性は転職先から当初提示されていた年収は1,300万円でしたが、転職エージェントを利用していたので、コンサルタントが経験やスキル等を的確に伝えて交渉することで大幅な年収アップに繋がりました。
転職エージェントは、コンサルタントが事前に退局時のアドバイスをするほか、退局後の実務面での支援もしてくれます。
転職エージェントを利用することにより「病理医という狭いコミュニティの中で、人間関係に亀裂を生むことなく円満に退局できて安心した」という体験談もあります。
メッドアイのコンサルタントは、高額求人の理由を明確に提示することで「できる限りいい条件で、納得のいく転職の実現」に向けて、先生の転職をしっかりサポートします。
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まとめ(病理医の年収)
今回は、病理医の年収について解説しました。
病理科の平均年収は1,576万円、病理診断科の平均年収は1,320万円です。
全診療科の平均年収は1,596万円のため、病理医の年収は平均的と言えるでしょう。
病理医の主な仕事は下記3つです。
- 組織診断(生検および手術材料)
- 細胞診断
- 病理解剖(剖検)
病気について研究する学者のような存在で、医学発展・医学進歩に深く関わる、貢献度の高い職業です。
病理医は業務内容上、独立開業はできない職種のため、年収アップの手段は非常勤アルバイトや転職の2つです。
転職する際には、納得のいく転職の実現に向けてメッドアイの利用もおすすめです。キャリアを見直すきっかけにもなるため、一度相談してみてはいかがでしょうか。
また当サイトでは、医師のキャリアプランに関する記事も公開しています。今回紹介した内容とあわせて、こちらもぜひ参考にしてください。
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