医局に所属をしていても、何かをきっかけに「辞めよう」と思うこともあるでしょう。
しかし、本当に辞めてもいいのか悩む方がほとんどではないでしょうか。

「医局を本当に辞めるべきか」
「医局を辞める前にどのような事に注意するべきか」
「医局を辞めた人の事例が知りたい」
転職を考えた場合、上記のように心配や不安が出てきます。

医局には所属するメリットとデメリットがあります。
メリットとデメリットを把握することで、後悔のない転職ができるのです。

そこで、この記事では医局を辞めるメリット・デメリットと失敗しないための注意点を解説します。
医局を辞めるか辞めないか、迷っている方はぜひ参考にしてください。

医局で働くメリット・デメリット

医師が病院に就職すると、医局に所属しますることもあります。
医局に所属するメリット・デメリットはどのようなものがあるでしょうか。

ここからはメリット3つ、デメリット3つをご紹介します。
メリット・デメリットを知って、ぜひ本当に辞めるべきかの検討材料にしてください。

医局で働く3つのメリット

まずは、医局で働くメリットをご紹介します。

医局で働くメリットは下記3つです。順番に解説していきます。

  • 学位(医学博士)が取得できる
  • 人脈が広がり、教育環境が整っている
  • 経験の幅(基礎研究や留学)が広がる

①学位(医学博士)が取得できる

医学博士の学位は、医局に所属することで取得できます。
学位(医学博士)は教授のみが授与できるため、医局に所属し続けて取得を目指すことになります。

ただし、学位が重要なのは教育や研究をメインに考えている医師で、クリニックや病院の求人では特に必須ではありません。
学位を取得する・しないは、今後のキャリアプランに合わせて検討してください。

②人脈が広がり、教育環境が整っている

医局に所属すると、上司や先輩医師からの指導を受けることができ、自分だけで行動するよりも、人的交流が広がり人脈形成ができます。

自分だけでは知り合うことが難しい人でも、医師としてのキャリアがある上司や先輩医師が交流の場を設けてくれる可能性があるのです。
また、既存の医局ネットワークを活用することもできます。

医療は学会やテキストなどで情報を得ることは可能ですが、テキスト通りになることばかりではありません。
現場で先輩医師に指導してもらうことは、知識と技術を得るために大切なことです。

上記の通り、医局は人脈を広げたり教育を受ける環境として非常にメリットがある場所だと言えるでしょう。

③経験の幅(基礎研究や留学)が広がる

基礎研究や留学が経験できることも、医局に所属するメリットのひとつです。
さまざまな経験をすることで、医師としての幅が広がります。

大学病院は研究機関でもあるため、最新設備を使用する機会が豊富です。
希少な症例を経験できたり、研究発表の場が増えることもメリットと言えるでしょう。

医局で働くデメリット

メリットだけではなくデメリットを知っておくことも大切です。

ここでは、医局に所属するデメリットをご紹介します。

  • 人事異動がある
  • 業務が多い
  • 給与が低い

①人事異動がある

医局で働くデメリットのひとつが人事異動です。
異動の前に希望を伝えられますが、100%希望が通るとは限りません。

ライフスタイルと人事異動が合わないと、不満を感じる医師も多いでしょう。

②業務が多い

特に大学病院で働いている場合、外来や病棟での業務以外に研究や論文作成、提携病院での診察など、さまざまな業務をこなさなければいけません。

多忙のあまり、肉体的だけではなく精神的な負担も大きいのが現状です。

③給与が低い

大学病院は給与が低いことがデメリットとして挙げられます。

下記のように収入を比較すると、大学病院は薄給になる傾向があります。

  • 民間病院:1,500〜2,000万円
  • 国立大学病院:平均800万円
  • 私立大学病院:平均1,000万円

医師も自分や家族の生活があるため、労働時間に対して給与や待遇面が満たされていないことはデメリットです。

医局を辞めるまでの3つの注意点

医局に対して不満があったり、将来を見据えて辞めることを決意する医師は珍しくありません。
「退職しよう」と決めてから退職に向けてさまざまな段階があり、一つひとつに対して準備が必要です。

ここでは、医局を辞めるまでの一般的な3つの注意点をご紹介します。

  1. 辞めるのは自分にとってベストな時期に
  2. 転職先は辞める前に探しておく
  3. 退職姿勢をポジティブにする

①辞めるのは自分にとってベストな時期に

退職を決意したら多くのことを考える必要がありますが、そのうちのひとつが辞めるタイミングです。

学位(医学博士)の取得を目指している場合は、取得した後が辞めるタイミングの一つになります。
ほかに辞めるきっかけとなりうることは、下記があります。

  • 家庭環境の変化(子育てや介護など)
  • 医局のルール変更
  • 開業のための準備
  • 結婚

つまり、辞める時期は「〇〇の時」と一概には言えません。
たとえば、家庭環境の変化の場合、一日でも早く退職したいと思うこともあるでしょう。
自分にとってのベストな時期で、3~6ヶ月と退職までは十分に期間をとって早めに伝えることが大切です。

②転職先は辞める前に探しておく

転職先は医局を辞める前に探しておきましょう。

転職先が決まっていれば、下記のようなことを防ぐことができます。

  • 引き留めや引き伸ばしをされる
  • 転職活動を邪魔される

③退職姿勢をポジティブにする

退職する理由はさまざまです。中にはネガティブな内容もあるでしょう。
しかし、ネガティブな理由であっても、辞めるときは必ずポジティブな理由を伝えることが大切です。

その理由には、以下が挙げられます。

  • 辞めるまでの間に人間関係が悪化すると、医局に居づらくなるため
  • 職場や業務内容の改善を提案されて引き留められる可能性があるため
  • 医師の世界は狭く、今までの人間関係が転職先で役立つ可能性もあり、マイナスの印象を残さないほうが良いため

ポジティブな退職理由とは、下記などがあります。

  • さらに、医師としてスキルアップをしたいため
  • 開業予定のため
  • 働き方を家族のリズムに合わせたいため

ネガティブな退職理由は、仲の良い同僚にも伝えないようにしましょう。

医局を辞めて転職した事例

ここからは、実際に転職エージェントを利用して医局を辞めた転職事例を3つご紹介します。

【整形外科】41歳 男性

整形外科、年収1,800万円、41歳男性の場合です。転職前の業務内容は外来・病棟管理・手術でしたが、転職後は外来のみでの業務に変わりました。

診療科整形外科
転職先での業務外来のみ
転職理由開業することが夢で、クリニック経営の知識や経験を積みたかったため
転職中のアクションプロの転職エージェントに転職活動を手伝ってもらった
転職後の感想プロに相談をしたことでさまざまな面でサポートしてもらえて助かった

【眼科】37歳 女性

眼科、年収660万円、37歳女性の場合です。転職前の業務内容は外来・病棟管理・手術・救急でしたが、転職後は外来・病棟管理・手術の業務内容に変わりました。

診療科眼科
転職先での業務外来・病棟管理・手術
転職理由眼科ではない業務を任されていて、眼科医としてのスキルアップが望めなかったため
転職中のアクション仕事の疲れが限界でプロに相談をした
転職後の感想転職先が見つかっていたにもかかわらず、なかなか上司が教授に退局を伝えてくれなかった。でも、プロに協力してもらったおかげで退職できてよかった

【麻酔科医】36歳 男性

麻酔科医、年収1,400万円、36歳男性の場合です。転職前と転職後の業務は同じオペ麻酔です。

診療科麻酔科
転職先での業務オペ麻酔
転職理由次々と同僚や上司が退職し、今後の展望が見えなくなったため
転職中のアクション転職条件にこだわっていたためプロに依頼をした
転職後の感想転職後のメリット・デメリットも含めて説明してくれたため、転職を安心してできた


転職ならプロの転職エージェントに相談

希望を持って転職をしても「こんなはずじゃなかった」と感じることもあります。
医師を辞める・休職する・転職することは、人生を左右するターニングポイントになります。
そのため、現在の職場と転職先とのさまざまな内容を比較し、慎重に進めることが大切です。

しかし、転職は周囲になかなか相談しにくいと感じる方が多くいます。
そこで、転職を成功させる方法のひとつが、医師専門転職エージェントを利用することです。

転職エージェントの「メッドアイ」では、同じような悩みを抱えている人のサポートの経験があります。
そのため、あなたのキャリアプランに合わせてアドバイスをもらうことができます。
さらに、面接での応え方や履歴書の書き方、転職の流れなどのノウハウも豊富です。
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まとめ(医局を辞めるメリット・デメリット)

医局を退職する際、所属しているメリット・デメリットを理解して行動することが大切です。

退職をする際のポイントは、退職理由をポジティブな理由にして円満退職をすることです。しかし、どのような退職理由であれば角が立たないか分からなくなることもあるでしょう。

そういった、転職活動に不安があるときは、医師転職専門エージェントの『メッドアイ』を利用することがおすすめです。
転職を成功させるためには勢いで転職せずに、落ち着いて転職活動を進めましょう。