近年ニーズが高まっている精神科医と心療内科医。
平均年収について詳しく把握した上で、精神科医を目指したい方もいるでしょう。
また年収を上げるために、精神科医へキャリアチェンジしたいと考えている方もいるかもしれません。

  • 精神科医の平均年収は?
  • 精神科医の年収は他の科と比べてなぜ高い?
  • 精神科医が年収アップを狙うには?

このような疑問をお持ちの方に向けて、プロの転職エージェントが詳しく解説します。
また勤務医の経営母体別平均年収や指定医資格取得の方法も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

精神科医の平均年収は1,230万円

労働政策研究・研修機構の「勤務医の就労実態と意識に関する調査」によると、精神科医の平均年収は1,230万円でした。
全医師の平均年収は1,596万円で、精神科医の年収は全体平均よりも低い傾向です。



精神科医の地域別平均年収

精神科医の年収は、働く地域によっても異なります。以下は、地域別の平均年収をまとめたグラフです。

引用:https://www.recruit-dc.co.jp/contents_nenshuu/seishinka/

関東や中国・四国では、年収1,000万円未満の精神科医が4割以上で、それ以外の地域では1割未満であることがわかります。
また、1,400万円以上の収入を得ている精神科医は、関東以外の地域では6割以上であることがわかります。精神科医は関東ではなく、それ以外の地域で勤務する方が稼げると言えます。


精神科と他診療科の年収比較

ここでは、精神科と他診療科の平均年収を比較してみましょう。

順位診療科平均年収
1脳神経外科1,480万円
2産科・婦人科1,466万円
3外科1,374万円
4麻酔科1,335万円
5整形外科1,289万円
6呼吸器科・消化器科・循環器科1,267万円
7内科1,247万円
8精神科1,230万円
9小児科1,220万円
10救急科1,215万円
11その他1,171万円
12放射線科1,103万円
13眼科・耳鼻咽喉科・泌尿器科・皮膚科1,078万円

データ引用:https://axxis.co.jp/magazine/54624

精神科の平均年収は8位で1,230万円です。1位の脳神経外科1,480万円と比べると、年収の差は約250万円です。
他の診療科と比べても、精神科の年収は高いとは言えないでしょう。


精神科医は収入格差が激しい

精神科医は、勤務先によって大きく収入が異なります。
ここでは、各医療機関の仕事内容と年収事情を紹介します。

①総合病院・精神科単科病院

精神科を有する総合病院や精神科単科病院の医師は、外来患者さんの診療だけでなく入院患者さんの管理なども行うため、多忙な業務に従事することになります。

特に総合病院の場合は、睡眠障害やせん妄など心療内科的症状がみられる他科患者の診療も行うケースが多く、時間外勤務や日当直などもしなければいけません。

精神保健指定医の仕事は、措置入院をはじめとした法的な指示が多く、緊急時の呼び出しに対応しなければならない場合もあります。
このような病院はハードワークではありますが、他の診療科医師と同様に業務内容相応の給与を得ていることが多いでしょう。

②メンタルクリニック

ストレスフルな現代社会で心の悩みを抱える患者さんが増えることにより、精神科や心療内科はとてもニーズが高くなっており、入院施設を持たないメンタルクリニックが多くなっています。
メンタルクリニックの開業医は、外来診療をメインに行います。

認知症を専門的に扱うクリニックでは、介護保険施設などの往診を担うこともあります。
入院施設がないため、時間外勤務やオンコール、日当直は基本的にありません。

メンタルクリニックの開業は、外科や内科のように高額な医療機器を導入する必要がなく、初期投資や維持費を抑えられます。
収益性が比較的高いため、クリニックに勤務している医師の給料もある程度の水準が保たれるのです。

③公的機関

自治体の精神保健福祉センターなどの公的機関は、精神科医の勤務先の一つです。
精神相談などの福祉領域の業務や医療行政に携わります。

公的機関のため時間外勤務は少なく、福利厚生が充実しており、土日祝日の休みも確保されています。ワークライフバランスを重視する医師に人気の勤務先です。

治療や診断することがないため楽な仕事と思われがちですが、精神福祉に関する関係法規など、臨床ではあまり必要とされない知識を求められるため、常に自己研鑽が必要です。

ワークライフバランスを保ちやすい反面、公的機関に勤務する精神科医の年収は1,000万円以下であることが多く、高水準の給与を期待するのは難しいでしょう。

精神科医が年収アップする方法

精神科医が年収をアップさせるには、以下の方法があります。

  • 精神保健指定医資格の取得
  • より待遇の良い勤務先に転職する

各方法について、詳しく解説します。

①精神保健指定医資格の取得

精神科医が年収をアップさせるためには、精神保健指定医や精神科専門医資格の取得が大きなポイントです。

精神保健指定医とは、厚生労働大臣によって指定された医師のことで、指定要件は「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律第18条」に明記されています。
措置入院、緊急入院、医療保護入院など、任意入院以外の判断を遂行できる法的な資格です。

精神保健指定医資格を取得するには、時間がかかります。
5年の臨床経験のうちに3年以上の診断または治療経験が必要です。
その後、精神保健指定医研修会を修了し、5分野5症例以上のケースレポートを提出すると、指定医資格の口頭試問が行われます。

精神科専門医は、日本精神神経学会が定める研修を受けた後に認定される専門医資格です。
精神保健指定医は強制入院の指示ができますが、精神科専門医はできません。そのため、精神保健指定医よりも地位は下になります。

地域包括ケアシステムの構築が進む中で、病院から地域へ移った患者さんの経過観察を適切にできるこれらの医師は重宝されると考えられ、精神科医の年収アップも狙えるでしょう。

②より待遇の良い勤務先に転職する

精神保健指定医資格は国家試験であるため、審査基準が厳しく、難易度が高い資格です。
年数もかかるため、指定医を目指すのは難しいと思われている方もいるでしょう。
その場合は、より待遇の良い勤務先に転職するのがおすすめです。

中央社会保健医療協議会「第23回医療経済実態調査の報告(令和3年実施)」によると、勤務医の平均年収は、勤務先によっては約500万円も収入が異なる場合があります。
より平均年収が高い勤務先への転職は、収入アップの近道と言えるでしょう。

より良い条件での転職を考えるなら、自らのアピールポイントを作るべく戦略的にキャリアを築いていくことが大切です。
転職の際には、同じような悩みを抱えている人のサポート経験がある転職エージェントの利用がおすすめです。

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まとめ(精神科医の平均年収)

今回は、精神科医の平均年収について紹介しました。

精神科医の平均年収は1,230万円です。全医師の平均年収1,596万円と比較すると、精神科医の年収は平均よりも低いことがわかります。
精神科医の年収は地域によって大きく異なり、関東以外の地域は年収が高い傾向にあります。
診療科別の平均年収ランキングでは、精神科は8位の1,230万円です。1位の脳神経外科1,480万円と比べると、年収の差は約250万円です。

平均年収のより高い診療科に転科する場合は、こちらで詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。

精神科医は収入格差が激しく、勤務先の経営母体によっては約500万円もの差があります。
年収を上げるためには精神保健指定医や精神科専門医を取得するのもよいですが、取得するためには年数も労力もかかるため、より待遇の良い勤務先に転職するのがおすすめです。
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