転職や転科を考える医師の中には、精神科医に興味があるという方もいるのではないでしょうか。
転職を検討するとき、その診療科の医師数はどれくらいなのかや、給与水準はどうか、忙しさはどうかなどを気にしがちです。

しかし、まず自分に適性があるのかどうかを考えておく必要があります。

「精神科への就職に興味があるが、自分が向いているのか不安」
「自分の性格が精神科医に向いているか知りたい」
「精神科医として働くために必要な資格や考え方などが知りたい」

この記事では、精神科医に向いている人の特徴をご紹介します。
精神科医になるために必要な資格や、精神科医の働き方、転職事情も詳しく解説しますので参考にしてください。

精神科医に向いている人の7つの特徴

まずは、精神科医に向いている人の特徴をご紹介します。
他の診療科と共通したポイントがある一方で、精神科医独特なものもあります。

1. 聞き上手でコミュニケーション能力が高い人

患者さんやその家族とのコミュニケーションは、基本的にはどの診療科でも重要なポイントとなります。
精神科の場合はさらにそれが強くなる傾向があると考えておくといいでしょう。
精神疾患がある患者さんの中には、混乱していてうまく愁訴できないというケースもあります。
言葉だけでなく動作や視線など、さまざまな面から状態を読み取る能力も大切です。
また、家族など周囲の人とのコミュニケーションも重要で、発症原因や背景を探るのに役立ちます。

2. 患者の気持ちに寄り添える人

精神科を受診する患者さんの症状はさまざまです。
些細な言葉で傷つきやすい方や、不安に駆られてしまう方も少なくありません。
コミュニケーションをうまく取りながら、最大限相手の気持ちに寄り添い、サポートしていくことで、治療が進めやすくなります。
ただし、中にはネガティブな気持ちを引きずっている方もいるため、過度な感情移入は禁物です。
適度な距離感を保ちながらも、相手に寄り添っていると感じてもらえるような言動が求められます。

3. 冷静な対応や判断が出来る人

患者さんがパニックを起こしたり、不安から暴れてしまうような場面もあり得るのが精神科医療の現場です。
どのようなことが起こっても常に冷静に対処できるスキルは持っていた方がいいでしょう。
咄嗟の対応や判断は、経験を積むことでも身に付いてきます。
しかし、冷静さを保てるかどうかは性格も関わってくることですので、向いているかどうかを判断する材料になり得ます。
同じ病気でも状態によって症状も変わってくるため、目の前の状況だけで判断するのではなく、物事を俯瞰して見られるスキルも必要でしょう。

4. 精神力が強く責任感のある人

パニック障害やPTSD、アルコールなどの依存症など、精神科の症例では、治療が長期にわたるものが多くあります。
最後までやり遂げるという強い責任感が求められるのです。
さらに治療期間中は、患者さんの病気によるネガティブな気持ちにずっと寄り添い続けることにもなります。
長い期間にわたり、患者さんの気持ちも支えていける精神力も必要でしょう。
その代わり、徐々に回復していく患者さんを見届けられる達成感は、何物にも変え難いものとなります。

5. 地道な勉強が続けられる人

医療技術の進歩は目を見張るものがあり、まさに日進月歩の勢いで新しい薬や治療法などが出てきます。
一方で、今まで使われていた治療法が禁止になるケースもあり、常に最新の情報や技術を学び続けなくてはなりません。
精神科に限った話ではありませんが、臨床の最前線で働くためには、地道に勉強を続けることが必要になってくるのです。
日々の忙しい仕事の合間を縫ってコツコツと学ぶ意欲がある人が向いていると言えるでしょう。

6. 排泄物の処理が苦手でない人

精神科医として働くのであれば、とくに排泄物の処理が苦手な人は向いていないと考えていたほうが無難です。
医療現場では診療科を問わず、ある程度体液や血液などの汚染とは関わり合うことになります。
そして精神科の場合は、排泄物によるトラブルも珍しくありません。
入院している患者さんが排泄をうまくできずにトラブルになったり、中には排泄物をいじくり回すというトラブルもあります。
不潔なものでも必要とあれば向き合える耐性を持っていないと、精神科で働くのは難しいかもしれません。

7. 自分を大切にできる人

医師が治療のために患者さんに寄り添うことは大切なことですが、あまり感情移入しすぎるのも問題です。
患者さんの妄想やネガティブな言動に引きずられて、医師自身が精神的な疾患を患ってしまうケースもあり得ます。
常に患者さんに寄り添いながらも、一歩引いた立ち位置で自分をしっかり守ることが大切です。
気持ちや体力に余裕があれば、冷静な判断や対応も問題なくこなすことができます。
仕事に打ち込みながらも、自分の心身もきちんと守っていける強さが必要です。

精神科医に必要な資格や条件とは?

医師が精神科で働こうと思ったら、初期臨床研修を終えた後に、病院の精神科に就職することになります。
精神科は他の診療科から転科で入ってくる医師も多い診療科ですので、専門医も精神保健指定医も取得していないという方が少なくありません。

入職後は臨床現場で1つずつ経験を積み重ねて成長していくことになりますが、一人前の精神科医と認められるには、専門医や精神保健指定医の資格取得を目指すといいでしょう。
ときに精神保健指定医には、措置入院や監査業務といった、一般の専門医より強い権限があり、転職活動でも有利に働くことがあります。

専門医の資格を得るためには、専攻医として専門医研修を3年修めた後で認定試験に受かることが必要です。
精神保健指定医の取得には医師として5年以上の経験があることや、精神科での3年以上の経験などが必要で、専門の研修受講が必須です。
取得までの時間がかかり、難易度も高いですが、精神科医の道を極めたいのであれば、取得しておきたい資格と言えるでしょう。

精神科医の仕事について

精神科医が担当する領域は、神経症や精神疾患にまつわる症例です。
ここからは、精神科医が実際の業務として、臨床現場でどのような仕事をしているのかをご紹介します。

精神科医の業務

精神科医の診療業務では、他の診療科と異なり、主に問診が主体となります。
患者さんが何に苦しんでいるのか、どのような症状が辛いのかを問診から読み解き、それぞれに合わせた治療方法を考えなくてはなりません。
症状によっては検査を行ったり、内科や外科など他科の医師との連携も発生します。
治療においては、行動療法や薬物療法が一般的です。
また、心理療法士やソーシャルワーカーなどとのチーム医療になるケースもよく見られます。

精神科医の勤務先

精神科医が活躍できる勤務先は幅広く、どのようなところに勤めるかで働き方も大きく変わってきます。
ワークライフバランスが保ちやすい働き方をしたいのであれば無床のクリニックや産業医などがおすすめです。
ただし、クリニック勤務は長時間勤務はほとんどないものの、土日祝日に診療を行うところが多くあります。

大きな病院の精神科に勤務する場合は、オンコールや当直といった負担や、緊急対応などが発生するため、ハードになりがちです。
しかし、最新の設備が揃っていたり、情報が速く得られたりするため、環境面では有利です。
スキルを磨きたい方や、より多くの経験を積みたい方におすすめと言えるでしょう。

精神科医は需要が増加しており将来性がある

医師不足が叫ばれて久しいですが、精神科医もその点では同様です。
以前と比べて発達障害やうつ病、PTSDなどの気分障害が一般的に認知されるようになったことや、社会の高齢化に伴う認知症患者の増加などもあり、ニーズは増加している状態と言えるでしょう。
ここからは、精神科の求人事情や働く時に気にしておきたいポイントをご紹介します。

比較的求人情報も見つけやすい

精神科医のニーズは増加傾向にあり、そういった点では求人情報は見つけやすいと言えます。
街中のメンタルクリニックや企業の産業医でも、ストレスや人間関係の悩みなどからくるメンタル面のケアができる精神科医の存在は重要です。
また、大きな病院でも、精神科外来や病棟管理だけでなく、他科の患者さんの認知症やせん妄への対応から、精神科医を必要としています。
厚生労働省の「必要医師数実態調査」でも、精神科医の必要求人数は内科や外科に次ぐレベルとなっているのです。

需要がある反面、大変なことも多い

精神科で働くということは、仕事が見つけやすい一方で大変なことも多くなります。
他の診療科に比べると、外来でも患者さんとのコミュニケーションが取りづらい場面に出会うことも少なくないでしょう。
また、病床数が多い医療機関に勤めると、当直や夜間対応など勤務がハードになりがちです。

自分で求人を探しやすいからといって、一見よさそうな求人に安易に決めてしまうと、入職してみたら過重労働が待っているといった失敗に陥るリスクがあります。
精神科でどういったキャリア構築をしたいのかを考え、転職エージェントに相談することがおすすめです。
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まとめ

医師が自分に向いている診療科で働けるかどうかは、仕事を続けていく上でのモチベーションにも関わる重要なポイントです。
もしもどうしても合わないと感じた場合、転職や転科をすることで、キャリアチェンジすることも1つの解決策と言えるでしょう。

精神科医として働くことを希望するのであれば、まずは働きやすく経験も積める医療機関に勤めるのがおすすめです。
経験を積みながら、専門医や精神保健指定医の資格取得を目指し、開業して自分のクリニックを持つなど、キャリアパスが描きやすいという特徴もあります。

精神科はニーズも多く、比較的求人を探しやすい診療科ですが、病院によっては勤務がハードなこともあります。
転職を失敗させないためにも、豊富な情報量とマッチング経験がある医師専門の転職エージェント「メッドアイ」を上手に活用してください。