医師は忙しく、人命に関わる重責を負うため、ストレスが溜まりやすく、うつ病になるリスクも高い職業です。
「医師がうつ病になりやすい理由は?」
「うつの兆候ってどんなものがあるの?」
「ストレスを溜めないためにはどうすればいい?」
本記事ではこのような疑問をお持ちの方に向けて、医師がうつ病になりやすい理由、兆候、そして日常生活でできるストレス対策について詳しく解説します。
記事の後半では転職に役立つ情報もご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
医師のうつ病はどれくらいいる?

日本医師会(医師の働き方検討委員会)が令和4年(2022年)6月に公表した「勤務医の健康の現状と支援のあり方に関するアンケート調査報告書」によると、医師のメンタルヘルスは依然として深刻な状況にあります。
調査では、回答した医師の 8.8%(※若手調査では13.2%) が中等度以上の抑うつ症状を呈しており、さらに 4% の医師が「自殺や死を毎週/毎日具体的に考える」という強い精神的リスクを抱えていることが報告されています。
過酷な勤務環境が続く中、医療現場におけるメンタルヘルス支援や労働環境の改善が引き続き急務となっています。
なお、広く産業全体で見ると、メンタルヘルス不調により退職した労働者がいる割合は「医療・福祉」分野が 0.3% で、全体の 0.2% よりやや高い傾向にあります。
参考:令和7年 労働安全衛生調査(実態調査) 結果の概況 事業所調査
2024年4月からは「医師の働き方改革」が本格施行され、時間外労働の上限規制や健康確保措置が義務化されるなど、国や医療機関による負担軽減の動きが進められているものの、現場の負担や課題は依然として残されています。 あわせて読みたい
うつ病の兆候が出たら要注意
下記のような自覚症状が出たら、うつ病の予兆があるので注意が必要です。
- 憂うつな気分が続いている
- 物事に興味を持てなくなった
- 集中力が落ちた
- 自分に自信が持てなくなった
- 自分は価値がない存在だと感じる
- 疲れやすくなった
- 眠れない/いつもより早く目覚めてしまう
- 食欲がない
- 体重が減った
- 性欲がなくなった
また、自分自身で気づけなくても、周囲の人間から指摘されて変化に気づく場合もあります。
うつ病には早期の治療が効果的ですので、少しでも心身に不調をきたしたり、普段の自分と違うと感じた場合には、専門科を受診するなどの対処をしましょう。 あわせて読みたい
医師ならではのメンタル不調のサインと段階的な対処法
医師という職業は、命を預かる重圧、慢性的な長時間労働、当直やオンコールによる睡眠不足などが日常化しており、心身に大きな負荷がかかりやすい環境です。
しかし、真面目で責任感が強い性格の医師ほど、周囲に弱音を吐けず、自分自身の限界に気づきにくいという特徴があります。
ここでは、医師が陥りがちなメンタル不調の背景と、その深刻度に応じた段階的な対処法を解説します。
1. なぜ医師は自分の限界に気づきにくいのか?
医師がうつ病や深刻なバーンアウト(燃え尽き症候群)の直前まで気づけない背景には、以下のような特有の要因があります。
「自分が倒れるわけにはいかない」という強い責任感
患者や病院への影響を考えてしまい、不調を感じても「これくらいは気合で乗り切れる」と自己過信してしまいます。
患者と自分の境目が曖昧になる
日常的に他人の心身の苦痛に向き合っているため、自分自身の痛みや不調に対するセンサーが麻痺しがちになります。
「医師だから大丈夫」というプロ意識の呪縛
医療従事者である手前、「メンタルが弱いと思われたくない」「周囲に知られたら恥ずかしい」という心理が働き、受診や相談が遅れがちになります。
2. 周囲(家族や同僚)が気づいたときのサインと声かけ
医師本人は自覚していなくても、家族や身近な同僚であれば小さな変化に気づけるケースが多くあります。以下のようなサインが見られた場合は、早めの介入が必要です。
周囲が気づく主なサイン
以前と比べて笑顔が減った、カルテ記載や診断のスピードが落ちた、ミスが増えた、当直明けの疲労回復が遅い、些細なことでイライラ・落ち込みがあるなど。
周囲からの適切な声かけ
「最近疲れているみたいだけど、無理をしていない?」と責めずに体調を気遣う、「少し休んでみたらどうか」と休息を促すなど、孤立させない姿勢が重要です。
3. 不調の深刻度に応じた「段階的な対処法」
【初期:慢性的な疲労・睡眠障害を感じ始めたら】
まずは「睡眠と休養の確保」を最優先にします。シフトの調整が可能であれば一時的に負荷を減らしましょう。
【中期:気分の落ち込みや仕事への意欲低下が続く場合】
自分の力だけで何とかしようとせず、早めに「心療内科や精神科への受診」を検討してください(プライバシーが守られる外部の医療機関を選ぶのが安心です)。
【後期:強い希死念慮や、業務継続が不可能なほどのバーンアウト】
この状態に達している場合は、仕事の継続は危険です。すぐに「休職」の診断書を取得し、職場から完全に離れて療養に専念する必要があります。
うつ病の主な原因はストレス
うつ病の主な原因はストレスです。
どんな仕事にもストレスはあるものですが、医師の場合は、特に過重労働や人命を扱う重責があるためふりかかるストレスも大きいことが予想されます。
担当する患者さんやスタッフとの人間関係においても、精神的に疲弊する場面が多々あるでしょう。
とくに大学病院の医局に勤務している場合、厳しい上下関係や理不尽なしがらみに悩まされることもあるかもしれません。
医師としての理想が高い場合、自身の能力と仕事のギャップに悩むこともあります。
医師である前に一人の人間として個人的な問題を抱えていることも考えられます。仕事だけではなく、家族や友人関係におけるいざこざなど、プライベートでのストレスにも気を配る必要もあるでしょう。 あわせて読みたい
うつ病の予防策(ストレスを溜めない生活習慣)

うつ病を未然に防ぐためには、日頃からストレスを溜めない生活習慣を意識することが大切です。
- 規則正しい生活と睡眠の確保: 暴飲暴食や飲酒を控え、十分な睡眠時間を確保する。日中に日光浴をするのも効果的です。
- リフレッシュ方法の確立: マインドフルネスに取り組むなど、自分の良くない考え方を見直す時間をつくる。
- 相談できる環境づくり: 気軽に話せる相手を持つなど、精神的な拠りどころをつくっておく。
医師という職業柄、人命を預かる重責から完全に離れることは難しいですが、日常のちょっとした工夫やセルフケアでストレスを和らげることは可能です。 あわせて読みたい
医師のうつ病についてよくある質問

Q 医師はなぜうつ病になりやすいのですか?
医師は長時間労働や不規則な勤務、命を預かる重責、患者やスタッフとの人間関係など複合的なストレスを受けやすいため、うつ病のリスクが高くなります。特に大学病院の医局では厳しい上下関係も影響します。
Q 仕事を続けながらうつ病の予防はできますか?
はい、可能です。規則正しい生活や十分な睡眠、日光浴、適度な運動、相談できる相手を持つこと、マインドフルネスなど、日常で実践できるストレス対策が効果的です。
Q 職場のストレスが原因の場合、転職は有効ですか?
原因が職場にある場合、転職や休職は有効な対策です。特にうつ病の兆候を感じている場合は、早めに環境を変えることで症状の悪化を防げます。医師専門の転職エージェント「メッドアイ」を利用すれば、在職中でも次の職場探しを進められます。
うつ病になりそうなら転職を考えてみましょう
このままではうつ病になってしまうという危機感を抱いている方は、思い切って転職を考えてみましょう。
うつの原因が現在の職場にある場合、最も効果的な対処法は離職・休職、転職のいずれかです。
今後のことを考えると今すぐに仕事を辞めるというのは難しいかもしれませんが、転職活動はすぐに始められる一番現実的な解決方法と言えます。 あわせて読みたい
我慢して働き続けてうつ病を発症してからでは遅いので、うつ病の予兆を感じているという方は、時間があるときから前もって転職活動を進めるようにしましょう。
日々激務に追われているので一人で転職先の情報収集などをする時間がないという方は、プロの転職エージェント「メッドアイ」の活用がオススメです。
まとめ(医者がうつ病になりやすいのは本当?)
今回は医師のうつ病の割合やうつ病の予防策などについて解説しました。
- 医師の8.8%が中等度以上の抑うつ症状で、2.0%が重度のうつ病
- 集中力や食欲の低下などうつの兆候には注意が必要
- 医師はうつ病の主な原因であるストレスがかかりやすい
- うつ病の予防策としてはストレスをためない生活習慣の構築が効果的
- うつ病の原因が職場にある場合、転職するのもオススメ
うつ病の兆候を感じ取った場合、早急に何かしらの策を講じることが大切です。
原因が現在の職場にある場合は、転職することによって解消されるかもしれません。
その際には、多数の求人情報が網羅されている転職エージェントを活用されることをオススメします。
医師専門転職エージェント「メッドアイ」なら、医師のキャリアプランに合った職場探しを全力でサポートします。




















