眼科は、近年の眼疾患の増加傾向からくる需要の高まりによる安定性や、業務に関して体力的な負担が少ないなどの理由から人気の診療科の1つです。
しかし、他の診療科と比べて年収が低めであることや、長く勤務しても思うように収入が上がらないといった問題も抱えています。
では、眼科医として年収を上げるためにはどのような方法をとれば良いのでしょうか?
「転職して眼科医としての年収を上げたい」
「眼科医として転職して経験の幅を広げたい」
「眼科医へ転職したいけど失敗はしたくない」
今回はこのような考えをお持ちの方に向けて、医師専門の転職エージェントが眼科医に転職して年収を上げる方法や転職先の候補などについて詳しく解説します。
転職に役立つ情報もご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
眼科医が年収を上げるための方法は何がある?
眼科医が年収を上げるための方法としては、以下の3つが挙げられます。
- 眼科医として開業する
- アルバイトを掛け持ちする
- 転職する
眼科医として開業する
1つ目は、眼科医として開業することです。
眼科医は他の診療科と同様に、開業することで年収が上がりやすくなります。
自由診療に特化すれば料金などを自身の裁量で決定することができるため、さらなる高収入が期待できます。
自由診療の施術内容
- フェムトセカンド
- レーザー白内障手術
- 多焦点眼内レンズ
- レーシック
- ICL(眼内コンタクトレンズ)
- add on IOL
- オルソケラトロジー
- 飛蚊症レーザー治療
- 角膜クロスリンキング
- グラッシュビスタ
- 眼科ドック
また、近年では日帰り手術の需要が増加傾向にあることから、入院設備が必要ないケースが多く、クリニック運営のハードルが低いことの追い風となっています。
しかし、レーシックの設備など開業費用が大きい場合もあるため、資金繰りには注意が必要です。
その他必要な設備
- 診察用具(眼圧測定器、眼底検査器、角膜形状計測装置、視力検査など)
- 手術用具(手術用顕微鏡、白内障手術用レンズ、手術用レーザーなど)
- 治療器具や眼科用医薬品(結膜下注射針、点眼薬、瞼板など)
あわせて読みたい
アルバイトを掛け持ちする
2つ目は、アルバイトを掛け持ちすることです。
近年では、金銭的な問題や医師の勤務スタイルの多様化から、常勤医として勤務するかたわらアルバイトを掛け持ちしている医師も多く存在します。
非常勤のアルバイトであれば、本業の合間を縫って好きなタイミングで勤務することが可能です。
異なる現場に赴くことで医師としてのスキルアップができるというメリットもあります。
しかし、当然プライベートの時間は削られることになるので、本業や私生活に支障が出ないようにきちんと自己管理することが大切です。 あわせて読みたい
他の職場に転職する
3つ目は、他の職場へ転職することです。
開業はハードルが高いし、アルバイトの時間まで捻出したくないという場合は転職がおすすめです。
うまくいけば、現在の職場よりも待遇や収入面で好条件な勤務先が見つかるかもしれません。
医師全体としては慢性的に売り手市場であり、民間病院や診療所の転職市場はとくに活発なため、転職も容易となります。
ただし、後述する理由によって、眼科は自分の力で転職先を探すのが難しいかもしれません。 あわせて読みたい
眼科医は転職が難しい?求人数が少ない理由
眼科医の転職は、他の診療科に比べて難しいとされています。
大きな理由としては以下の3つが挙げられます。
- スタッフが少人数で足りてしまうから
- 病院数自体が少ないから
- ワークライフバランスが確保しやすいから
スタッフが少人数で足りてしまうから
1つ目の理由は、スタッフが少人数で足りてしまうからです。
眼科手術や眼疾患に対する治療は対象となる組織が小さいため、他の科に比べてチームが少人数で収まってしまいます。
その結果として、施設ごとの医師の数が飽和状態にあり、求人も少ないということが考えられます。
病院数自体が少ないから
2つ目の理由は、病院数自体が少ないからです。
病院数が少ないということは、それに比例して勤務する医師の数も少ないということになります。
また、地域格差が大きく、眼科の多くは都市部に集中していて地方は病院自体が少なめの傾向にあることも、眼科医の勤務地の制限に拍車をかけています。
ワークライフバランスが確保しやすいから
3つ目の理由は、ワークライフバランスが確保しやすいからです。
眼科医は当直なども少なく働きやすいことから、辞める人が少ないと考えられます。
これは、勤務する医師にとってはメリットでもありますが、そもそも働き口がないことは大きなデメリットとなります。
逆に、常に人が足りない状態で求人を募集しているような場所や、人の出入りが激しいところは訳アリだと見て避けた方が懸命かもしれません。 あわせて読みたい
眼科医の転職先にはどこがある?
眼科医の転職先としては、主に以下の3つの候補が挙げられます。
- クリニック
- 総合病院などの大病院
- コンタクトなどを扱う一般企業
クリニック
1つ目は、クリニック(診療所)です。
眼科クリニックのほとんどは無床施設で、比較的軽微な症状の治療や定期健診、日帰り手術などがメインとなります。
働き方としては日勤が主で、夜勤や当直、オンコールもないことが多いです。
雇用先の数も多く、施設によって待遇もさまざまなので、眼科医の転職先としては比較的上位の選択肢となります。 あわせて読みたい
総合病院などの大病院
2つ目は、総合病院などの大病院です。
クリニックでは対応できないより重度な疾患が取り扱われ、手術も多く、夜勤や当直・オンコールもあります。
人間関係のしがらみもあり、場合によっては転職前よりも体力的・精神的にハードな状況に陥る可能性もあります。
しかし、その分年収は上がりやすい傾向にあるので、転職理由が金銭面の不満の場合にはおすすめです。 あわせて読みたい
コンタクトなどを扱う一般企業
3つ目は、コンタクトなどを扱う一般企業です。
主な仕事内容は、商品の監修業務や従業員の診療・治療で、勤務形態はほとんどの場合が日勤になります。夜勤や当直、オンコールも発生しません。
求人はそれほど多くありませんが、1つの選択肢としては十分検討の余地があります。
企業の大きさや資金力によっては、破格の待遇で迎えられることもあるので、転職の際にはぜひ該当する求人をチェックしてみましょう。
眼科医が転職で年収をアップさせる3つの方法
転職によって年収が上がることはお話ししましたが、これからご紹介する方法により、さらに効果的に年収アップを図ることが可能です。
眼科医が転職で年収をアップさせる方法は、以下の3つになります。
- 眼科専門医の資格を取得する
- 大病院へ転職する
- 医師専門の転職エージェントを活用する
眼科専門医の資格を取得する
1つ目は、眼科専門医の資格を取得することです。
眼科専門医とは、公益財団法人日本眼科学会が認定するより専門性の高い眼科医のことを指します。
眼科専門医とは
- 眼科領域におけるあらゆる分野の知識と技術の習得
- 診断から治療まですべての診療に関するマネージメント能力の習得
- 他科との連携によるチーム医療実践能力の習得
- 眼科医として高い倫理性の習得
新専門医制度下における同資格の取得には、以下の条件をクリアした上で専門医認定審査に合格する必要があります。
- 日本国の医師免許を有する者
- 臨床研修修了登録証を有する者(第98回以降の医師国家試験合格者について必要)
- 認可された日本専門医機構眼科専門研修プログラムを修了した者
- 専門医認定試験に合格した者
参考:眼科専門医取得の手引き(新専門医制度) – 日本眼科学会
具体的には、特定の研修施設において5年以上の眼科臨床研修を修了、もしくは卒後研修の2年間を含む4年以上の眼科臨床研修を行い、計6年間以上の臨床経験を有する必要があります。
また、4年以上眼科学会の会員であり、受験時にも会員であることも必須条件となります。
受験資格に関しては卒業年度によって条件が異なるため、公式サイトの情報をご参照ください。
参考:専門医認定試験受験の手引き- 日本眼科学会
専門医になることでレーシック手術が行えるようになり、それができる病院へ転職すれば、より昇給が期待できます。
また、同資格は金銭面のみならず、医師としての成長・キャリアアップを目指す上でも取得が推奨されるものになります。 あわせて読みたい
大病院へ転職する
2つ目は、大病院へ転職することです。
大病院とは、病床数500床以上の病院のことを指し、小中病院よりも高度かつ専門的な医療を提供する施設となります。
大病院で手術や当直、オンコールなどを受け持つようになると、他の科と同等程度まで年収を上げることが可能です。
その代わり、勤務体系としては非常に忙しくなるので、医師としての労働単価が上がるというよりも、労働時間を増やすことによって物理的に年収を上げるという認識のほうが正しいです。 あわせて読みたい
医療専門の転職エージェントを活用する
3つ目は、医療専門の転職エージェントを活用することです。
転職によって年収アップが期待できるといっても、ただやみくもに雇用先を探すことはおすすめできません。
先述したとおり、眼科は自分で転職先を探すのは難しい診療科となります。
そのため、転職で失敗しないためには転職エージェントなどの力を借りてスムーズに転職活動を行うことが推奨されます。
医療専門の転職エージェントでは、非公開求人や医師個々人の希望に沿った詳細な求人情報を得ることが可能です。
医師専門転職エージェント「メッドアイ」なら、医師のキャリアプランに合った職場探しを全力でサポートします。
まとめ(眼科医の転職&年収アップ方法)
今回は、眼科医の年収を上げる方法や、転職のポイントなどについて解説しました。
- 年収を上げる主な方法は開業・アルバイト・転職の3つ
- 求人数が少なく難しいので転職エージェントの活用がおすすめ
- 主な転職先はクリニック・総合病院などの大病院・一般企業など
- 転職で年収を上げる方法は専門医資格の取得や大病院への転職が考えられる
眼科医はライフワークバランスが良く、ニーズも高い魅力的な診療科です。
転職などによって年収アップを図ることができれば、さらに満足度は上がります。
求人数が少ないことなどクリアしなければならない関門はいくつかありますが、希望する条件の勤務先を見つけることができれば、医師としてのキャリアプランもワンランク上のものになるでしょう。
だからこそ、転職の際には一人で悩むのではなく、プロの転職エージェントに相談されることをおすすめします。
医師専門転職エージェント「メッドアイ」なら、医師のキャリアプランに合った職場探しを全力でサポートします。