HSPの人は医者に向いていないと聞いたことはありませんか。医者として働いている方や目指している方の中には、HSPの特徴を持つ方もいるでしょう。医者として働き続けられるか不安に感じているかもしれません。
「HSPだから医者として働き続けられるか悩んでいる」
「HSPは医者に向いていないか知りたい」
本記事では、このように考えている方に向けて、HSPと医者の関係について詳しく解説します。HSPで悩んでいる方は、ぜひ最後までチェックしてください。
HSPの人は医者に向いていないのか?
HSPだからといって医者に向いていないことはありません。そもそもですが、HSPとは生まれつき感受性が鋭く、繊細で敏感な気質を持って生まれた人のことです。 あわせて読みたい
感受性の鋭さは患者の不調を見抜いたり、悩みや気持ちに寄り添ったりする上で役立ちます。考え方次第では、HSPは医者が適職とも言えるでしょう。
しかし、患者側にはメリットがあったとしても、自身が疲弊してしまう可能性はあります。HSPの人は、自身に負担がかかりすぎないように、働く環境や時間などを工夫しなければいけません。HSPの人は、その他の人と比べて医者として働きづらい側面があるのも事実です。
HSPの人にとって医者が適職と言える3つの理由
HSPの人にとって医者が適職と言える理由は以下の3つです。
- 人の気持ちに深く寄り添うことができる
- 責任感を持って仕事に取り組むことできる
- 細部まで突き詰めて仕事をすることができる
それぞれ詳しく解説します。
1.人の気持ちに深く寄り添うことができる
先ほども述べたように、HSPの人は感受性が鋭く、感情の変化や起伏に敏感な傾向にあります。そのため、人の気持ちの変化を敏感にキャッチして、寄り添うことができるのがメリットです。 あわせて読みたい
患者の中には、自身の病状や治療に関して不安を感じている人もいます。そういった人の気持ちに寄り添ってケアができるのは、HSPならではのメリットです。
患者が求めている治療やサービスを提供しやすくなるのもポイントです。患者にとって心地良い治療を提供する上で、HSPという特性は役立つかもしれません。
2.責任感を持って仕事に取り組むことができる
HSPの人は真面目で責任感が強いという特徴があります。何事にも全力で取り組もうとする姿勢は、医者としても役立つでしょう。
医者は人の命を扱う仕事であるため、責任感が欠かせません。病気を治療したり、改善したりするまで責任を持って患者と向き合い、接していく必要があります。HSPの方の責任感が強いという特性は、医者としての活動を支えてくれるかもしれません。
あわせて読みたい
3.細部まで突き詰めて仕事をすることができる
医者はわずかな変化も見逃さずに、治療を行う必要があります。大雑把な性格だと、正しい治療を行ったり、病気の原因を見つけたりすることができず、患者を助けられないかもしれません。
HSPは丁寧に物事を進めるという特徴があります。細かなところまで目を向けることができたり、仕事が正確だったりするため、医者には向いていると言えるでしょう。HSPの人は、探究心も高い傾向にあるため、日々の研究にも前向きに取り組みやすいです。
あわせて読みたい
HSPの人が医者として働く3つのデメリット
HSPの人が医者として働くデメリットは、以下の3つです。
- 人との接点が多いため疲れやすい
- 責任感が強い分プレッシャーになりやすい
- 不規則な勤務で疲労が回復しにくい
それぞれ詳しく解説します。
1.人との接点が多いため疲れやすい
医者は人を相手にする仕事であるため、人同士の接点が多いです。HSPの人は感受性が豊かであり、人との関わりには敏感な傾向にあります。そのため、人付き合いに疲れてしまうかもしれません。 あわせて読みたい
患者に対して共感をしやすいのはメリットですが、逆に病状や境遇などに感情移入しすぎてしまう可能性も考えられます。相手の立場になるのは良いことなのですが、その性格がゆえにつらい思いをしてしまうかもしれません。
人付き合いにおいて悩んでしまう可能性がある点は理解しておくべきでしょう。
2.責任感が強い分プレッシャーになりやすい
責任感の高さはHSPの人ならではの特徴です。しかし、その責任感の強さが自分自身を追い詰めることになるかもしれません。例えば、患者の症状が悪化したり、トラブルが起こったりした際に、すべてを自分の責任だと考えてしまう可能性があります。
自責の意識を持つことは悪くありません。しかし、病院は協力して治療を行っていくため、すべてのトラブルが医者の責任とは限りません。責任感を持ちつつも、気持ちを楽にして業務に取り組んでいくことが重要なのですが、HSPの方はそれが難しい可能性があります。
あわせて読みたい
3.不規則な勤務で疲労が回復しにくい
さまざまな理由によってHSPの方は肉体的にも精神的にも疲労が蓄積しやすい傾向にあります。その上で医師という仕事は、勤務時間が不規則です。深夜に患者を受け入れたり、長時間の手術を行ったりしなければならない場合もあるでしょう。 あわせて読みたい
常に患者のことを第一に考えなければならないという仕事であるため、どうしても勤務時間が不規則になり、疲労が回復しにくいです。患者や治療のことばかりを考えてしまい、休みの日でも仕事モードが抜けないというのも医師の特徴です。
HSPの方は気になったことが頭から離れない傾向にあります。そのため、仕事の疲労を回復することができずに、苦しい思いをしてしまうかもしれません。
HSPの医者でも働きやすい環境の選び方
HSPの方が医者として働く上で重要なのは職場選びです。HSPの方でも職場選び次第では、医者として快適に働くことができるでしょう。職場を選ぶ上で重要なポイントは以下の通りです。
- 当直やオンコールの少ない現場を選ぶ
- 休暇の取りやすい現場を選ぶ
- クリニックなど小規模な体制の現場を選ぶ
- 産業医や民間企業など臨床医以外の現場を選ぶ
- 開業をする
それぞれ詳しく解説します。
1.当直やオンコールの少ない現場を選ぶ
HSPの方の負担を減らすためには、十分に疲労が回復できる環境で医師として働かなければいけません。そのため、当直やオンコールのような勤務時間が不規則になりやすい職場はなるべく避けるようにしましょう。 あわせて読みたい
面接の際には当直やオンコールの状況について必ず確認をしてください。他には勤務時間外のメールや電話なども少ない環境を選ぶのが理想的です。
傾向としては救急科や呼吸器科・消化器科・循環器科などは、当直や日直が多く、脳神経外科、産科・婦人科、呼吸器科・消化器科・循環器科などはオンコールが発生しやすいです。現場ごとの特徴も理解しておくようにしましょう。
2.休暇の取りやすい現場を選ぶ
先ほども述べたように、HSPの人が快適に働くためには疲労を回復することが欠かせません。そのためには、休暇の取りやすい現場を選ぶ必要があります。勤務医の就労実態と意識に関する調査 によると、救急科、脳神経外科、外科、小児科などは週の労働時間が長い傾向にあるため、そういった現場は避けるのが望ましいでしょう。 あわせて読みたい
脳神経外科、救急科、呼吸器科・消化器科・循環器科などは他科よりも有給取得日数が少ないです。休みが取りづらく疲労が蓄積しやすいかもしれません。
現場の傾向はもちろんですが、スタッフの人数も重要なポイントです。スタッフが不足している現場だと、休みが取れない可能性があります。
逆にAIを積極的に導入しているクリニックは、単純作業にかかる工数が少ないため、休みを取りやすい傾向にあります。こういった職場ごとの特徴も確認しておきましょう。
3.クリニックなど小規模な体制の現場を選ぶ
小規模な体制のクリニックは、スタッフの数がそれほど多くありません。そのため、業務量が多いように思えますが、実際は受け入れている患者の数もそれほど多くないため緩やかに働けます。 あわせて読みたい
さらに関わる人の数がそれほど多くないため、人同志の交流において疲労感を感じる心配が少ないのもポイントです。
人間関係におけるストレスに不安を抱えている方は、小規模な体制の現場を選ぶようにしましょう。
4.産業医や民間企業など臨床医以外の現場を選ぶ
臨床医ではなく、産業医やメディカルドクターとして働くという選択肢もあります。臨床医だけが医者として働く選択肢ではないため、医師として働けるか不安な方は、幅広い働き方に目を向けてみると良いでしょう。 あわせて読みたい
医師と一括りにいっても、臨床医として働くのは向いていないだけで、他の形であれば問題なく勤務できるケースも多いです。業務量もそれほど多くなく、オンコールもないため慌ただしく働く心配はありません。
ぜひ、臨床医以外の現場で働くという選択肢も検討してください。
5.開業をする
開業をすれば、自身のライフスタイルに合わせて業務を行うことが可能です。人間関係においても、自身が信頼した人のみを採用することで、ストレスを軽減できるでしょう。 あわせて読みたい
しかし、他の働き方とは異なり、収入が安定しない可能性がある点は注意しなければいけません。収入面でストレスを抱えるリスクがあるのは、開業をするデメリットと言えるでしょう。
自分に合う職場選びなら医師専門転職エージェントの「メッドアイ」
HSPの方に適した職場を探している方は、ぜひ「メッドアイ」をご活用ください。医師専門の転職エージェントに相談をすれば、自身で情報収集をするのが苦手な方でも転職を成功させやすいです。非公開求人もあるため、自身では見つけられない情報を紹介してもらえるでしょう。
メッドアイは医療機関と医師の橋渡し役としての役割を果たしてくれます。HSPの方でも働きやすい職場を一緒に探してもらえるためおすすめです。
まとめ(HSPは医者に向いてない?)
HSPの方は医者として働く際に苦労することも多いでしょう。しかし、職場選びを工夫すればストレスを少なくしつつ、医師として働くことが可能です。ぜひ、本記事を参考にして、さまざまな医師としての働き方に目を向けてください。