激務のイメージがある救急医ですが、テレビドラマなどの題材になることも多く、ワークライフバランスを重視する昨今でも、若手医師の志望度が高い診療科です。
- 救急医(救命救急医)の平均年収は?
- 救急医と他診療科の年収の違いは?
- 救急医の年収があまり多くない理由は?
このような疑問を持っている方に向けて、プロの転職エージェントが詳しく解説します。
また、救急医が年収アップする方法も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
救急科勤務医の平均年収と年収分布
労働政策研究・研修機構「勤務医の就労実態と意識に関する調査(PDF P.149)」によると、救急科医の平均年収は1,215万円です。
また厚生労働省が毎年公表している「令和6年 賃金構造基本統計調査」によると、医師全体の平均年収は約1,200万円となっています。
以下は、「勤務医の就労実態と意識に関する調査(PDF P.149)」のデータに基づき作成した、救急科医の年収割合を表した円グラフです。1,000万円を超えている割合をまとめると、全体で62.5%で、約6割の救急医が年収1,000万円以上であることがわかります。
救急医と他診療科との年収を比較
ここでは、他診療科と救急医の年収を比較してみましょう。
以下は、各診療科の平均年収をまとめた表です。
順位 | 診療科 | 平均年収 |
---|---|---|
1 | 脳神経外科 | 1,480万円 |
2 | 産科・婦人科 | 1,466万円 |
3 | 外科 | 1,374万円 |
4 | 麻酔科 | 1,335万円 |
5 | 整形外科 | 1,289万円 |
6 | 呼吸器科・消化器科・循環器科 | 1,267万円 |
7 | 内科 | 1,247万円 |
8 | 精神科 | 1,230万円 |
9 | 小児科 | 1,220万円 |
10 | 救急科 | 1,215万円 |
11 | その他 | 1,171万円 |
12 | 放射線科 | 1,103万円 |
13 | 眼科・耳鼻咽喉科・泌尿器科・皮膚科 | 1,078万円 |
引用:労働政策研究・研修機構「勤務医の就労実態と意識に関する調査(PDF P.149)」
平均年収がもっとも高いのは脳神経外科で、1,480万円です。救急科の1,215万円は10位です。1位の脳神経外科1,480万円と比較すると約260万円の違いがあります。 あわせて読みたい
救急科は忙しいイメージがありますが、平均年収は他診療科より低めです。
救急医の平均年収が低い理由は?
救急科医の平均年収は、全診療科の中では比較的低めであることがわかっています。その背景には、救急医特有の勤務環境やキャリア構造が影響しています。
以下は、救急医の年収階層別の分布を表した表です。
年収 | 割合(%) |
---|---|
300万円未満 | 0 |
300万円〜500万円未満 | 6.36.3 |
500万円〜700万円未満 | 12.5 |
700万円〜1,000万円未満 | 18.8 |
1,000万円〜1,500万円未満 | 21.9 |
1,500万円〜2,000万円未満 | 25 |
2,000万円〜 | 15.6 |
引用:労働政策研究・研修機構「勤務医の就労実態と意識に関する調査」
救急科で最も多い年収帯は1,500〜2,000万円未満で、全体の25%を占めます。2,000万円以上の医師も15.6%であることがわかります。
年収2,000万円以上である医師の割合は、同調査で調査対象となった診療科の中で、産科・婦人科(20.8%)、脳神経外科(19.4%)に続いて3番目に高いという結果もあります。
厚生労働省「令和4(2022)年医師・歯科医師・薬剤師統計」によれば、救急医の平均年齢は41.9歳です。医師全体の平均年齢50.0歳に比べると、ベテラン医師よりも若手医師が多い傾向にあり、全診療科でもっとも平均年齢が低い結果となりました。
救急科は、常に急患対応が必要で、日当直や時間外労働も多く、医師のワークライフバランスは崩れやすい診療科です。 あわせて読みたい
他の診療科に比べて激務になりやすい救急科では、体力と気力が追いつかず、高収入を得やすいベテランの救急科専門医が増えにくく、転科する医師が多いことが、救急科医の平均年収が低い要因の一つと推測されます。
救急医に向いている人は?
救急医は日当直や時間外労働が多く、冷静で適切な判断が必要な診療科です。
救急医に向いている人は、
- 体力があり、冷静な判断ができる人
- 患者やご家族からの感謝を原動力にできる人
- フットワークが軽く、コミュニケーション能力が高い人
- 仕事と勉強に時間を費やすことに意義を見出せる人
- 臨機応変に柔軟な思考で対応できる人
などと言われています。
救急医の収入アップとキャリアチェンジの道
救急医の収入アップの道として、以下が挙げられます。
- 夜勤・当直手当を活用する収入アップ
- 転職による収入アップ
- 転科・キャリアチェンジによる収入アップ
それぞれ詳しく、解説します。
夜勤・当直手当を活用する収入アップ
救急科は夜勤や当直が多い診療科です。
夜勤・当直の手当は、勤務先や病院によって設定が異なりますが、これらを積極的にこなすことで、年収を大きく伸ばすことができます。
転職による収入アップ
勤務する医療機関や地域によって、年収に差が出ることがあります。
より条件の良い職場で勤務することで、給与や勤務環境を改善できる可能性があります。
医師専門の転職エージェント「メッドアイ」を活用すると、以下のようなサポートを受けられます。
- 希望条件に沿った求人の紹介
- 年収相場や市場価値の確認
- 面接や条件交渉のアドバイス
給与や勤務条件に不満がある場合は、エージェントを通じて効率的に転職活動を進めることが可能です。
転科・キャリアチェンジによる収入アップ
救急科以外の診療科に転科する場合も、年収アップの方法の一つです。
- 受け入れ先の確認:未経験でも勤務可能な病院や施設を探す
- 経験の活かし方:救急医としての経験をアピールして給与交渉
- 目的を明確に:年収アップだけでなく、将来的なキャリア形成も考慮
転科やキャリアチェンジに不安がある場合は、転職エージェント「メッドアイ」を活用すると安心です。
医師の転科について詳しく知りたい方は、こちらの記事もぜひ参考にしてみてください。 あわせて読みたい
まとめ(救急医の年収について)
救急科医の平均年収は1,215万円です。
救急科は激務にもかかわらず、平均年収は他診療科より低い傾向にあります。救急科医の平均年収が低い要因としては、高収入を得ているベテラン医師が激務で少ない傾向にあることが挙げられます。
救急医の収入アップとキャリアチェンジの道として、転科や転職があります。
転科先や転職先を探している方は、転職エージェントに相談するのも良いでしょう。
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