高い年収のイメージがある医師ですが、勤務医の平均年収は診療科や勤務先によってどの程度違うのでしょうか。

  • 診療科別の平均年収は?
  • 公立病院や市民病院、クリニックなど、勤務先によってどのくらい差があるのか?
  • 年齢や性別、都道府県別の平均年収は?

このような疑問を持っている方に向けて、プロの転職エージェントが詳しく解説します。また、外科系・内科系診療科の年収ランキングやスポーツドクターの年収も紹介していますので、ぜひ参考にしてください。


医師の平均年収は1,169万円

厚生労働省「賃金構造基本統計調査(2019年)表1によると、医師全体の平均年収は1,169万円です。同調査で国民全体の平均年収は436万4,000円ですので、医師の年収は高いと言えます。


1)診療科別の平均年収は?

診療科によって、平均年収はどのくらい異なるのでしょうか。比較してみましょう。

主な診療科別のランキング

以下は、労働政策研究・研修機構「勤務医の就労実態と意識に関する調査」を元に作成したランキング表です。

順位診療科平均年収
1脳神経外科1,480万円
2産科・婦人科1,466万円
3外科1,374万円
4麻酔科1,335万円
5整形外科1,289万円
6呼吸器科・消化器科・循環器科1,267万円
7内科1,247万円
8精神科1,230万円
9小児科1,220万円
10救急科1,215万円
11その他1,171万円
12放射線科1,103万円
13眼科・耳鼻咽喉科・泌尿器科・皮膚科1,078万円

引用:労働政策研究・研修機構「勤務医の就労実態と意識に関する調査(2012年/PDF P.149)」

トップ3は、1位脳神経外科1,480万円、2位産科・婦人科1,466万円、3位外科1,374万円です。
上位3つの診療科は、命に関わる疾患を扱うため、高度なスキルが求められることが共通しています。また、時間外労働やオンコール対応なども他診療科より多いことも平均年収が高い要因になっていると考えられます。

外科系の診療科のランキング

以下は、外科系科目の年収中央値のランキング表です。

順位科目年収中央値
1美容外科2,200万円
2血管外科1,791万円
3整形外科1,758万円
4外科1,688万円
5心臓血管外科1,635万円
6消化器外科1,620万円
7脳神経外科・呼吸器科1,600万円
9小児外科1,500万円
10乳腺・内分泌科1,320万円
11形成外科1,300万円

データ引用:民間医局

上位3位は、1位美容外科2,200万円、2位血管外科1,791万円、3位整形外科1,758万円です。

美容外科は自由診療で、医師の実績が給与に反映されやすい診療科です。そのため、他の外科系と比較して群を抜いて中央値が高い傾向にあります。
外科系の年収が高い要因の一つに、外科医が需要に対し全国的に不足しているためだと考えられます。

また、外科医は内科と比べて緊急性が高い疾患を扱うことが多く、長時間勤務やオンコール対応が多いことも年収が高い要因だといえるでしょう。

内科系の診療科のランキング

以下は、内科系科目の年収中央値のランキング表です。

順位科目年収中央値
1循環器内科1,601万円
2透析科1,600万円
3呼吸器内科1,573万円
4腫瘍内科1,550万円
5内科・訪問医療1,500万円
7神経内科1,472万円
8消化器内科1,400万円
9血液内科1,397万円
10総合診療科1,351万円
11糖尿病科1,320万円
12腎臓科1,265万円
13健康診断1,100万円

データ引用:民間医局

上位3位は、1位循環器内科1,601万円、2位透析科1,600万円、3位呼吸器内科1,573万円です。
循環器内科は、救急患者に対するカテーテル治療などで24時間体制の勤務が多い診療科のため、内科系の中で年収が高い傾向にあります。
透析科や呼吸器内科は、超高齢化社会で需要がある一方、専門医が少ないため年収が高い傾向にあるようです。

外科医と同じく全国的に需要がある内科医ですが、緊急手術のある外科と比べ長時間労働が少ないため、外科よりも年収が低い結果となりました。

2)年齢別の平均年収は?

以下は、厚生労働省「賃金構造基本統計調査(令和2年)」を元に作成した年齢別平均年収の表です。

年齢平均年収
25歳〜29歳695万円
30歳〜34歳980万円
35歳〜39歳1,104万円
40歳〜44歳1,262万円
45歳〜49歳1,440万円
50歳〜54歳1,672万円
55歳〜59歳1,604万円
60歳〜64歳1,515万円
65歳〜69歳1,504万円
70歳〜1,248万円

データ引用:厚生労働省「賃金構造基本統計調査(令和2年)」一般労働者・職種・表2

上の表から、もっとも平均年収が高い年代は50歳〜54歳で1,672万円です。
20代は医師としての成長期間であるため、年収は低い傾向にあります。
35歳を超えると、年収は上昇しているのがわかります。医師は、研修や経験を積み重ねてスキルアップすることで、年収が上昇していくようです。

3)男女別の平均年収は?

厚生労働省「賃金構造基本統計調査(2020年)」では、男女別の平均年収は以下のような結果になりました。

男性医師女性医師
1,522万円1,188.3万円

医師の収入は、男女差はないと言われていますが、女性医師の平均年収は男性医師より低い傾向にあります。
女性医師は出産・育児といったライフイベントがある他、年収が低い傾向にある皮膚科や眼科勤務が多いことが、年収が低い要因として考えられます。

以下は、厚生労働省「賃金基本統計調査(令和2年)」を元に作成した、男女別・年齢別平均年収の表です。

年齢男性医師女性医師
25歳〜29歳751.7万円639万円
30歳〜34歳952.4万円1,008.4万円
35歳〜39歳1,197.3万円1,011.2万円
40歳〜44歳1,840.4万円1,184.8万円
45歳〜49歳1572.1万円1,309.6万円
50歳〜54歳1,704.3万円1,640.6万円
55歳〜59歳1,744.7万円1,463.9万円
60歳〜64歳1,826.3万円1,205.1万円
65歳〜69歳1609.4万円1,399.9万円
70歳〜1506.8万円990.4万円

データ引用:厚生労働省「賃金構造基本統計調査(令和2年)」一般労働者・職種・表2

平均年収がもっとも高い年代は、男性医師は40歳〜44歳女性は50歳〜54歳です。
女性医師の年収がピークになるには男性医師より10年遅れている傾向にありますが、やはり出産や育児といったライフイベントが関係していると言えそうです。

4)経営形態別の平均年収は?

以下の表は、中央社会保険医療協議会「第22回医療経済実態調査の報告(令和3年実施)」のデータに基づき作成したものです。

順位分類勤務医の平均年収
1医療法人1,640.7万円
2個人1,597.3万円
3公立
(都道府県立、市町村立などの病院)
1,513.9万円
4社会保険関係法人
(健康保険組合・連合会、共済組合・連合会など)
1,469.1万円
5公的
(日赤、済生会、北海道社会事業協会、厚生連など)
1,433.0万円
6国立
(国、国立病院機構、国立大学法人など)
1,432.0万円
7その他
(公益法人、私立学校法人、社会福祉法人、医療生協、その他の法人)
1,419.7万円

1位医療法人、2位個人、3位公立病院という結果になりました。
1位の医療法人1,640.7万円は、7位のその他の医療法人1,419.7万円と比べると約120万円の差があり、医療法人が運営する民間病院(市民病院)は、勤務医の年収が高いことがわかります。

勤務医の年収は、勤務先の経営母体によっても大きな差があると言えそうです。
現在よりも高収入を目指したい場合は、給与水準がよりよい経営母体に転職するのもおすすめです。
納得のいくスムーズな転職には、医療専門職に特化した転職エージェントを利用するのが良いでしょう。

5)勤務地別の平均年収は?

順位都道府県平均年収
1山梨県1,863.1万円
2群馬県1,819.4万円
3愛媛県1,800.8万円
4岐阜県1,787.4万円
5石川県1,780.9万円

データ引用:「賃金構造基本統計調査(令和2年)」都道府県別

上は、厚生労働省「賃金構造基本統計調査(令和2年)」を元に作成した、都道府県別の平均年収ランキング表(上位5県)です。
1位山梨県、2位群馬県、3位愛媛県、4位岐阜県、5位石川県という結果になりました。
一般的には都市部の年収は地方より高い傾向にありますが、医師の場合は地方の年収が高い傾向です。

医師偏在によって地方は医師不足にあります。そのため、地方の医療機関が医師確保のために高い報酬を提示していることが地方の年収が高い要因として考えられます。

ランキングに載っていない診療科の年収を知りたい時は?

本記事でも診療科別の平均年収ランキングを紹介していますが、ランキングに載っていないほかの科目の年収を知りたい場合は、どうすればよいのでしょうか。

病理医の年収が知りたい

厚生労働省「賃金構造基本統計調査」によると、医師の平均年収は1,440万円です。
病理医について詳しくは、こちらの記事で紹介しているのでぜひ参考にしてください。

スポーツドクターの年収が知りたい

アスリートの健康管理や、スポーツが原因の怪我や障害の治療に当たるスポーツドクターは、整形外科医が多く、その年収は1,289万円です。
スポーツドクターについて、こちらの記事で詳しく紹介していますのでぜひご覧ください。

産業医の年収が知りたい

労働者が健康で安全に働けるように企業で働く産業医の年収は、契約する企業によってさまざまです。大企業の専属産業医であれば勤務医と同等または近い年収を得られ、嘱託産業医であればスポット勤務のような収入です。
産業医について詳しくは、こちらの記事で紹介しているのでぜひ参考にしてください。

その他の診療科について知りたい

医師には、さまざまな診療科があり、中にはネット上に情報が少なく、自分で調べるには難しい診療科もあります。
そんな時はぜひ、医療業界に強い転職エージェントにご相談ください。

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まとめ(医者の診療科別の年収)

医師の平均年収は1,169万円で、国民全体の平均年収436万4,000円と比較すると高いことがわかります。

全診療科の年収ランキングトップ3は、1位脳神経外科1,480万円、2位産科・婦人科1,466万円、3位外科1,374万円です。
共通点は、専門知識が必要でかつ長時間労働やオンコール対応が多い診療科であると考えられます。

医師は、男女で収入に差はないと言われていますが、女性の年収は男性よりも低い傾向にあるようです。要因として、女性ならではのライフイベントや、女性医師が多く働いている皮膚科や眼科の平均年収が低い傾向にあることがあげられます。

また、医師の年収は働く地域や医療機関の種類でも大きく異なります。
現在より高収入を狙いたい方は、地方の医療機関や民間病院に転職するのもおすすめです。

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