医師の年収事情は診療科によって異なりますが、美容外科は総じて高収入のイメージがあります。

「美容外科医の平均年収はどれくらい?」
「美容外科医の年収はなぜ高いの?」
「美容外科医になるにはどうすれば良い?」

この記事では、美容外科の年収事情や、美容外科医としての働き方についてご紹介します。
美容外科医を目指したり、美容外科への転職を希望する方に向けた転職成功のポイントも解説しますので参考にしてください。

美容外科医の平均年収は2,200万円

労働政策研究・研修機構の勤務医の就労実態と意識に関する調査(2012年実施)」によると、医師全体の平均年収は1,261.1万円です。
一方、美容外科医の平均年収は2,200万円で、医師全体の平均年収より大きく上回っています。高収入を実現しやすい診療科と言えるでしょう。

開業医や大手クリニックの院長はさらに高収入を目指せる

美容外科診療の特徴として、自由診療項目が多いことが挙げられます。
このため、勤務医としてクリニックに所属しても収入は高めになり、自身で開業するとさらに利益が増えるケースが多くなります。

開業には医師としてのスキルだけでなく経営センスも求められます。
しかし成功すれば、給料は年収3,000万円越えになることも珍しくありません。
また、大手グループ美容外科で分院長や院長職につけば、年収8,000万円レベルになるというケースもあります。

なぜ美容外科医は高収入なのか?

美容外科医の平均年収が高い理由は以下の通りです。

  • 自由診療であるため
  • 開業医が多いため

1.自由診療であるため

美容外科は、自由診療です。
日本では、国民皆保険制度により、病院を受診する際には健康保険診療となります。
しかし美容外科の場合は、病気や怪我が原因で施す手術ではなく、美容や審美を目的として施す手術のため自由診療となります。
自由診療はクリニック側が料金や施術内容を自由に決められるため、必然的に医師の年収も高くなる傾向にあり、他診療科と比べて儲かる診療科と言えるでしょう。

2.開業医が多いため

美容外科医は開業医の割合が多いことも、平均年収が高い理由の1つです。
美容外科は昨今の美容ブームでニーズがあり、また他の診療科とは異なり未経験でも参入しやすいという特徴があります。
美容外科医の多くは、しばらく大手の美容系クリニックに勤め、研鑽を積んでから開業します。また形成外科や整形外科から転科し、経験やノウハウを生かして開業するケースもあります。
美容外科の開業医は、年収5,000万円前後になることもあり、高収入を得る診療科と言えるでしょう。

美容外科医としての働き方

美容外科医の業務は、来院する方のカウンセリングから始まり、施術やアフターフォローまで多岐に渡ります。
美容外科に来院する患者の多くは、今よりも理想に近い自分になるため、美しさを求めたり、コンプレックスの解消を求めたりする方です。
このため美容外科医には、病気や怪我を治す一般の病院の医師とは異なるコミュニケーションスキルが必要となります。

また、美の基準は時代によって変化が出てくることもあり、常に最新の情報や流行を知っておくことも大切です。
しかし、着実に経験を積んでいくことで、開業がしやすい診療科でもあり、開業することで収入アップの可能性も高まります。

美容外科での働き方の特徴としては、予約制クリニックが多いことから、時間が安定していることもポイントです。
当直や時間外労働がないケースも多く、ゆとりある働き方ができるのは大きな利点と言えるでしょう。

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美容外科医のメリット

ここからは、美容外科医として働くことのメリットにはどんなものがあるかをご紹介します。

1.ワークライフバランスを保ちやすい

美容外科医として働く大きなメリットの1つに、ワークライフバランスの保ちやすさが挙げられます。
美容外科の場合、多くは予約診療となっていて、夜勤もなくタイムスケジュールを管理しやすいという特徴があります。

多忙な診療科から転科した医師からは、「はじめてオンコールのない休日を過ごせるようになった」「まとまった休みを取れるため、家族と過ごす時間や趣味の時間が増えてQOL(生活の質)が向上した」という声もあります。

2.高収入を狙いやすい

美容外科医の年収は、他の診療科に比べて高い傾向があります。
勤務医として働いていても、施術の種類によってはインセンティブが得られるクリニックがあり、腕次第で収入アップを叶えることができます。

そして、経験を積んで出世したり、開業して運営を軌道に乗せたりすることで、さらなる収入アップが目指せます。
施術のスキルや、マネジメント能力、経営センスを磨くことで、上限なく年収を上げていくことができる点も、美容外科医として働くメリットと言えるでしょう。

3.開業がしやすい

美容外科医は開業がしやすいこともメリットの1つです。
もちろん、他科から転科していきなり開業するのは難しいことです。
形成外科のスキルを磨き、美容外科の勤務医としてある程度経験を積むことで、開業できる状態になります。
すでに触れている通り、美容外科の勤務医でも高収入が得やすいため、開業資金が貯めやすいことも特徴です。

また、昨今では美容整形に対する世の中の抵抗感は、昔ほど高くはありません。
ちょっとしたコンプレックスを解消するために、気軽に美容整形を利用する方が増えてきたことから、ニーズが増加傾向にあると見られています。

美容外科医のデメリット

ここからは、美容外科医として働くリスクやデメリットをご紹介します。

1.クレームを受けやすい

美容整形外科は見た目の施術を行うため、患者は治療へのこだわりを強く持っている場合があります。
また自由診療で高額なため、その点においてもクレームを受けやすいと言えます。
こだわりが強い分だけ評価も厳しくなり、クレームを受けなかったとしても低評価と思われてしまうと、口コミとして広がることもあるかもしれません。

技術面以外にも、患者と円滑にコミュニケーションを取れる能力や、治療のプレッシャーに負けない精神力などが必要だと言えます。
集患に必要な営業力や、顧客満足度を高める接客スキルに自信がない場合、美容外科医として働くことを辛く感じてしまうこともあり得るでしょう。

2.求人数が少ない

求人数が少ないこともデメリットの1つです。
「医師・歯科医師・薬剤師統計(厚生労働省、2018年)」によれば、全国に勤務する美容整形外科医は678人であり、医師全体に占める割合はわずか0.2%でした。

また、「必要医師数実態調査(厚生労働省、2010年)」によれば、全国で新たに必要とされている美容外科医は5人であり、求人倍率は1.08倍です。

美容医療ブームでニーズは上昇していますが、美容外科医は充足傾向にあるため、
求人数も他科と比較すると少なめと言えます。

3.他の診療科への転科が難しい

美容外科で必要とされるスキルや施術は、他の診療科とは異なる点が多々あります。
このため、他科から美容外科へ転化するとなると、これまでのキャリアは断絶すると考えたほうが賢明です。
また、美容外科医から別の診療科へ転科することも難しく、現実的ではありません。
職場の人間関係や給与などの待遇が悩みであれば、別のクリニックへ転職することで解決することは可能です。

しかし、美容外科医としての仕事そのものに適性がないと感じてしまったら、元の診療科に戻るとしてもハードルが高いと思っていたほうが賢明でしょう。

美容外科医への転職を成功させる3つのポイント

美容外科医になるためには、医師免許さえ持っていれば理論上は就職することが可能です。
しかし実際には、日本美容外科学会が専門資格の取得を推奨していたり、クリニックの求人条件として経験やスキル、資格などを要求されることがほとんどです。
ここからは、美容外科医への転職を成功させるために必要なポイントを3つご紹介します。

1.まずは形成外科医を目指す

美容外科医を目指す方に推奨したいのが、形成外科の専門医資格取得です。
形成外科専門医を取得できれば、サブスペシャリティとして美容外科を選択することができ、これを取得すれば大きな強みとなります。
形成外科医を目指す場合は、未経験でも転職できる可能性はあります。

ただし、形成外科に転職できても、そこで一からスキルを身につけていく必要があり、その分キャリアアップがしにくいことを覚悟しなくてはなりません。
逆に、元々形成外科で働いている方であれば、美容外科医が目指しやすいとも言えます。

2.専門医取得も視野に入れる

形成外科医としての経験を積んだら、次は日本美容外科学会が設けている専門医認定を受けることをおすすめします。
4年間の形成外科専門医研修終了時から3年経過した状態であればチャレンジが可能です。
その他の細かな申請条件は、下記をご参照ください。
参照:規則|専門医認定|一般社団法人 日本美容外科学会

3.医師専門の転職エージェントを活用する

美容外科の求人はそもそも少ないことや、美容外科医を目指すルートが長めなことを鑑みると、優しい道のりではないと言えます。
そんな中で、美容外科を目指したいと思ったら、キャリア形成の仕方も含めて、転職エージェントに相談するのがおすすめです。
キャリアプランづくりから相談することで、その時点で最適な職場はどんなところかがわかり、それに応じた求人情報も集めやすくなります。

医師専門のエージェントなら「メッドアイ」

繰り返しになりますが、美容外科医を目指すルートはそれなりに長い道のりです。
医学部卒業時点から美容外科を目指すのであれば、ある程度道筋もつけやすいですが、途中から転科したいと考えると、よりハードになることも考えられます。
人気があることから医師数が充足していて、求人数も少ないです。

このような状況で美容外科医を目指すとなると、ルートづくりが重要になります。
そんな時におすすめしたいのが、転職エージェントの活用です。
メッドアイは医師転職のスペシャリストです。メッドアイでは無料相談を通じて、キャリアプランづくりから寄り添ったサポートをしています。
非公開も含めた豊富な求人情報から、希望するキャリアに合わせたお仕事を紹介することが可能です。
少しでも転職を考え始めたら、ぜひお早めのご相談をご検討ください。

まとめ(美容外科医の年収は?)

美容外科医は他の診療科と比べ、年収水準が高く、必要とされるスキルが異なるという特徴があります。
出世や開業で成功すれば高収入が叶えられる可能性が高く、ワークライフバランスが取りやすい勤務先が多い点も魅力です。
メリットが大きいことから医師不足の問題もなく、求人が少ないため、美容外科医を目指すルートはそれなりにハードだと言えるでしょう。

美容外科医での年収アップを目指したいと思ったら、できるだけスムーズなキャリアパスをつくるためにも、転職エージェント「メッドアイ」への相談がおすすめです。
美容外科での働き方や、応募先の職場の雰囲気なども詳しく知ることができ、転職を成功に導きやすくなります。