ハラスメント(嫌がらせ)にはさまざまな種類があります。医療現場でのセクシャルハラスメント(セクハラ)について気になっている方もいるのではないでしょうか。
- 医療現場におけるセクハラ事例は?
- セクハラを受けた時の対処法は?
このように思っている方に向けて、プロの転職エージェントが病院など医療機関におけるセクハラ事情について解説します。
ハラスメントの知識向上に役立つコンテンツもご紹介しますので、セクハラの被害者としてだけでなく加害者にならないためにもぜひ参考にしてください。
医療現場におけるセクハラの特徴
セクシャルハラスメント、いわゆる「セクハラ」は性別問わず相手に不快感を与える性的言動のことを指します。
職場におけるセクハラは主に労働者間の問題として扱われますが、医療現場のセクハラで特徴的なのが「患者からのセクハラ」です。
患者からのセクハラがあった場合、立場的に抵抗できず一人で悩みを抱え込んでしまい業務に支障を来してしまう可能性も少なくありません。
患者からのセクハラ問題に対応するためには、院内にセクハラ被害の相談窓口を設置することが望ましいとされています。 あわせて読みたい
この相談窓口は、被害にあったスタッフのプライバシーは厳重に保たれること、相談したことで不利益が生じないようにすることへの十分な配慮が必要です。
医療現場のセクハラ・2つのパターン
医療現場では実際にどのようなセクハラがあるのかについてご紹介します。
1.患者からのセクハラ
患者からのセクハラは体を触られるといった比較的分かりやすいものから、体型や容姿などを揶揄される、一方的に好意を寄せられるなどといったものまでさまざまなケースがあります。
また患者自身のほか、患者の家族からセクハラを受けるケースもあるようです。
女性が受ける事例が多いものの、患者からのセクハラに悩む男性医師も増えています。
2.上司などからのセクハラ
医療機関でよくあるパターンは、男性医師や所属部門の上司からのセクハラです。
男性医師から女性看護師などへのセクハラが最もイメージしやすい事例かもしれませんが、所属部門の上司からのセクハラも意外に多く発生しています。
上司が加害者となる事例では、女性上司から男性部下へのセクハラもよく耳にします。
セクハラ内容は、患者からのセクハラ同様に体を触られるなどがありますが、特に結婚や出産に関する発言が多いようです。 あわせて読みたい
「まだ結婚しないのか」「子どもはまだか」などといったものが、セクハラを受けていると感じさせる発言であると考えられます。
セクハラの対処法や防ぐ方法は?
患者や上司、同僚などからセクハラを受けた場合、どのように対処すべきでしょうか。またセクハラを未然に防止するにはどうしたら良いのでしょうか。
患者からのセクハラの場合
患者からのセクハラは自分だけでは解決できないケースがほとんどです。
そのため明らかにセクハラであると感じた場合は、一人で考え込まず職場と連携して対応することがとても重要です。
職場と連携することで担当を変更するなどの対処が可能となるほか、責任者を通して対応することで言動を改めてくれる可能性もあるでしょう。
上司からのセクハラの場合
身近な存在である部下や同僚への言動は「セクハラをしている」と認識していない可能性もあるでしょう。
このようなケースが考えられる場合には、職場内で研修を行いセクハラに関する知識を高めるのが有効です。
「こんな言動がセクハラになる」という事例を職場全体に示すことで「自分がやっていたことはセクハラかも」と教示することができます。
またセクハラと捉えられる可能性のある言動をした場合、周囲が見過ごさない雰囲気づくりにも役立ちます。
セクハラ問題が解決できない場合
職場に掛け合っても対応してくれない、対応しても改善されないなど解決が難しい場合もあるかもしれません。一人で悩むほかなく業務に支障を来すようであれば、職場を変えることも視野に入れておく必要があります。 あわせて読みたい
医療現場のセクハラ・知っておきたいこと
医療機関によるセクハラを解決できない場合、医療の質の低下などが懸念されます。
そのため職場としての対策が必要になるほか、セクハラをしないための意識づくりが重要となります。
セクハラを放置する弊害とは
セクハラを放置することで、医師を始め医療スタッフの労働意欲の低下および離職につながります。
結果的に人員不足や労働環境の悪化を招き、セクハラを受けた本人だけではなく他の医療スタッフにも影響が及ぶ可能性があります。
ひいては医療サービスの質の低下など病院の信頼に関わる事態に発展することも否めません。
医療機関は組織をあげてセクハラに対応することで、快適な職場環境をつくりスタッフの健康維持および増進を図る必要があり、これによって健全な経営が望めるのです。 あわせて読みたい
セクハラの加害者にならないためには
セクハラの被害者となってしまった場合は職場をあげての対策が必要ですが、加害者とならないための対策も忘れてはいけません。
どのような言動がセクハラとして捉えられる可能性があるのかについて、十分理解しておきましょう。
同時に上司や部下、同僚などと良好な関係を築くことも重要です。
「相手の意に反した言動」にならないようにすることが、セクハラの加害者とならないためのポイントとなります。
医療現場のセクハラ・知識向上&研修に役立つコンテンツ
厚生労働省「医療従事者の勤務環境の改善について」のページでは、暴力や迷惑行為に関する基礎知識などについて学習できる動画が用意されています。
セクハラの事例に関する動画もありますので、参考にしてください。
また公益社団法人日本看護協会では、職場でのハラスメント対策に関する資料を「職場のハラスメント対策」のページにまとめています。
職場向けのパンフレットや対策導入マニュアルなど、厚生労働省から出されているさまざまなハラスメント対策に関する資料がまとめてあるので、活用してみてください。
まとめ(医師とセクハラについて)
セクハラとは意図しない性的言動により不利益を受けたり労働環境が悪化したりすることです。
医師や医療従事者が受けるセクハラには患者からのセクハラ、同僚や上司からのセクハラの2つのパターンがあります。
患者からのセクハラに対しては一人での対応が難しいため、職場を挙げての取り組みが必要です。
また職員間でのセクハラを防止するためには、院内研修を行ったり自主的にハラスメントに関する情報を得たりするのが有効です。
セクハラ対策をしっかり行い解決しておかなければ、最終的には医療サービスの低下につながり経営にも悪影響を及ぼすでしょう。
もしセクハラを受けていても職場の対応も得られず解決が難しい場合は、転職を視野に入れることも必要かもしれません。
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