医師は地域によっては慢性的に不足しており、求人が多い職業です。しかし近年はコロナ禍で経営難に陥るクリニックが増えるなど、医師の転職が難しい状況にあることを窺わせる話題も増えています。

  • 医者の転職サイトに掲載されている体験談の傾向は?
  • 大学医局から転職するとやっぱり年収はアップする?
  • 転職で後悔しないためのポイントは?

このように思っている方に向けて、プロの転職エージェントが体験談から見る転職パターンなどについて解説します。転職を成功させるポイントなどもご紹介しますので、参考にしてください。

医師の転職体験・5つのパターン

体験談から読み取れる医師が転職を考えた時のパターンとしては、以下のようなものが挙げられます。

  • 大学医局を辞める
  • キャリアチェンジを目指す
  • スキルアップを図る
  • 同施設で働き方を変える
  • 臨床以外や他業種に転身する

それぞれについて詳しく見ていきましょう。

1.大学医局を辞める

大学医局に所属する医師は、関連病院などへの転勤がつきものです。
医師が不足している地方の病院への異動などもある上、人事異動の辞令は基本断ることが難しいため望まない転勤も受け入れなければいけません

また大学病院で働く医師の年収は、他の勤務医と比較すると低い傾向があります。
民間病院やクリニックに転職することで年収アップにつながることから、大学医局を辞めるパターンも多くなっています。

外科の勤務医を経験して
時間的にも資産的にも幸せになれる気がしなかったので
固定費削減して、ポイ活して、投資して、節税して、開業届けを出して、法人作って、医局やめた。
資産と時間を作れて、幸福感が上がった。
自分が幸せになるために損得感情は不可欠かと。

Dr.さいとー@フリーランス医 @DrSaitohobbytoH

2.キャリアチェンジを目指す

転職のパターンとしてよくあるのがキャリアチェンジのための転職です。
例えば幅広く診療を行う総合診療科から内科や外科などの専門領域へ、近年需要が高まっている美容医療へのキャリアチェンジなどが挙げられます。

年収をアップしたい、ライフワークバランスを保ちたいなどさまざまな理由からキャリアの変更を希望し、転職する場合もあります。

〈体験談〉
「当直なし」「残業なし」に惹かれ、美容皮膚科へ転職しました。
もちろん未経験であったため不安を感じましたがこれまでの経験、特に患者さんとのコミュニケーション能力を評価していただき、採用が決定しました。
自社調べ

3.スキルアップを図る

自身のスキルアップのために転職するパターンもあります。
例えば内科から消化器内科や腎臓内科、循環器内科へ、整形外科からリハビリ専門医など専門性を高めるための転職です。

また精神保健指定医を取得するため、精神科研修施設へ転職するなどのケースもスキルアップのための転職であるといえるでしょう。

〈体験談〉
スキルアップを目指し、内科から消化器内科へ転職しました。
不安もあったためまずは転職エージェントに相談しましたが、年収もアップしたうえに専門資格も取得できる病院を紹介していただきました。
自社調べ

4.同施設で働き方を変える

ライフイベントなどにより勤務時間などに無理が生じてしまった場合は、職場を変えずに働き方を変更する方法もあります

よくあるパターンでは、子育てや介護の理由により常勤での勤務が難しくなった場合に非常勤に変更するというものです。
このようなケースでは、状況が落ち着いたらまた常勤に戻れる可能性が高いというメリットがあります。

〈体験談〉
育児と仕事(常勤医)の両立に限界を感じ、転職を考え職場の上司に相談したところ、非常勤での勤務を提案していただきました。時間の余裕ができたことで、気持ちも楽になりました。育児が落ち着いたら常勤に戻る予定です。
自社調べ

5.臨床以外や他業種に転身する

医師免許を活かし臨床以外の分野に転職するという選択肢もあります。
一般企業で働く産業医やメディカルドクター、公務員として働く公衆衛生医師などがその一例です。
また医療コンサルティング会社では、医師の資格取得者の需要が高まっています。

〈体験談〉
家庭の事情で当直ができない状況となったため、当直のない仕事を探し転職エージェントに相談したところ、製薬会社での勤務をすすめられました。当直はもちろんオンコールもなく、ワークライフバランスが維持できていると感じます。
自社調べ

臨床以外の医師の仕事については、こちらの記事で詳しく解説していますので参考にしてください。

医師の転職・後悔しないための3つのポイント

医師の体験談からみる転職後に後悔しないためのポイントは、以下のとおりです。

  • 転職先の情報を集める
  • 住む地域の情報も確認する
  • 円満退社を心掛ける

これら3つのポイントについて見ていきましょう。

転職先の情報を集める

当然のことながら、転職先の情報を十分チェックしておくことが重要です。
高い給与も魅力がありますが相場より高い額を提示している場合は「休日が少ない」「激務である」などの理由から、離職率が高い職場である可能性もあるでしょう。
休日の少なさや業務の過酷さから離職する医師が多ければ、即戦力となる人材集めのために高額な給与を提示せざるを得ない状況となるでしょう。
しかし、医師の離職状況などの情報を自分一人で収集するのには限界があるため、必要に応じて転職エージェントに相談するのも有効です。


住む地域の情報も確認する

転職に伴い転居が必要となる場合は、住む地域に関する情報も得ておくべきでしょう。

医局人事などによる転勤とは異なり、長く住む可能性もあります。
転職先の情報はもちろん、長く勤務するためには居住地の住みやすさなどもチェックしておきましょう。

円満退社を心がける

気持ちを切り替え新たな職場で職務を全うするためには、元職場での退職トラブルを防ぐことも重要です。

医療業界は思ったよりも狭く、元の職場と新しい職場で働く人に何かしらの接点があるかもしれません
職場間で人のつながりがあった場合、退職の際のトラブルが新しい仕事に影響する可能性もあるでしょう。

退職時のトラブルとしてよくあるのが、転職時期の問題です。
トラブルにつながらないように転職が決まってから十分な猶予期間を持って退職するようにしましょう。

心機一転して新しい職場で働くためには、退職までをスムーズに進めることが重要です。

円満に退職するためのポイントはこちらの記事で詳しく解説しています。

何回くらいで「転職を繰り返す医師」とみなされる?

医師は需要の高い職業であるため、一般の会社員と比べて転職回数の平均は4~5回と多めです。
複数回転職していたとしても、平均程度であれば基本的にはあまり気にしなくてよいでしょう。

しかし、毎回1つの職場に2~3年足らずで転職している場合は「転職を繰り返す医師」と判断される可能性もあります
短期間での退職は、採用する側に「早々に退職してしまうのでは」と思わせ、採用に至らないケースも出てきてしまいます。

1つの職場に長く勤められなかった経歴がある場合は、面接の際にしっかりと転職理由を説明できるようにしておくことが大切です。

転職先に困ったらプロの転職エージェントに相談

「希望する条件の転職先がなかなか見つからない」「転職活動に十分な時間を割けない」といった転職に関する悩みがある方は、転職エージェントの活用も視野に入れてみましょう

採用する側と求職者のマッチングを行う転職エージェントは、いわば「転職のプロ」です。
登録することで担当が付き、転職にまつわるさまざまな悩みを解決すべく相談に乗ってくれます。

医師専門の転職エージェント「メッドアイ」なら希少な求人からスポットや非常勤まで、希望の求人を厳選してくれます。
まずは気軽に相談してみてはいかがでしょうか。

まとめ(医師の転職体験談から見える傾向について)

体験談からみた医師の転職パターンとして挙がるのが、キャリアチェンジやスキルアップのための転職や他業種への転職です。
その背景には医師としての専門性を高めたい、年収をアップさせたい、ライフイベントによって勤務時間の負担を軽減したいといったさまざまな思いがあります。

自分の希望を叶えるためとはいえ、転職には労力がいるため短期間で繰り返すことは避けたいものです。
そこで重要となるのが、転職先の情報をあらかじめ十分収集しておいたり転居を伴う場合は居住地となる場所の住みやすさなどを考慮したりすることです。
心機一転新しい職場で再出発するためには、円満に退職することも忘れてはいけません。

転職のプロである「転職エージェント」の活用も視野に入れながら、効率良く転職活動を進めてみてください
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