医師は一般的な職業と比べると転職が多い傾向にあると言われていますが、実際にはどの程度の転職を経験しているのでしょうか。また、どのような理由から転職を繰り返しているのでしょうか。

  • 医師の転職が当たり前な理由は?
  • 転職回数が多いとイメージが悪くなるのか?
  • 失敗による転職を繰り返さないためには?

この記事では医師の転職に関するこれらの疑問を解決すべく、プロの転職エージェントが詳しく解説します。転職の場合の面接対策についてもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

医師の転職回数と転職が多い理由

医師の転職回数は平均4~5回であるといわれています。この転職回数は、一般的な職業の方と比較して多いです。

医師の転職が多い理由はさまざまで、「家庭事情」「大学病院(医局)から離れる」「職場環境や人間関係」などが挙げられます。しかしどのような事情があるにせよ、医師は「転職しやすい」ということも背景にあると考えられます。

医師は全国的に不足傾向にあります。そのため医師が転職を希望して退職したとしても、就業先に困ることはほとんどありません
正職員としての勤務先が簡単に見つからなかったとしても、スポットとして働くことも可能です。
じっくりと転職活動を行えるという点も、医師が転職しやすい職業とされる理由であると言えるでしょう。

転職回数が多いとどう見られる?

医師は転職しやすい職業であると言えます。しかし転職を繰り返す医師に対し、採用する側はどのようなイメージを持っているのでしょうか。

転職すること自体は基本デメリットにならない

医師は需要の高い職業です。そのため転職回数の多さは基本的にデメリットとなりません

明らかに転職回数が多い場合はマイナスの印象を与える可能性もありますが、医師の平均転職回数であるとされる5回程度なら、あまり気にする必要はないでしょう。むしろある程度の経験を積んだ医師であれば、経験した症例数も多く即戦力としての活躍が期待されることは間違いありません。さらに専門医や認定医を取得していればなおさらでしょう。

このように、医師を採用する際には転職回数よりもスキルの高さを重視する職場が多いと考えられます。

回数よりも在籍期間を見られる

転職回数よりも1つの職場に何年在籍したかを重視される場合もあります。

医師を採用したいと考えている職場は、できるだけ長く勤務してもらいたいと考えています。しかし1年未満での転職があったり、2~3年での転職を繰り返したりしていると、採用しても早々に退職してしまうのではと気にされるケースもあるようです。

それなりの理由があっての転職であることがほとんどでしょうから、採用する側にしっかりと転職理由を説明できるようにしておくことが大切です。

明確な転職理由がある場合は面接時に伝える

やむを得ない事情があって転職した場合は、面接の際にしっかりと伝えるようにしましょう。転職を繰り返したとしても、明確な理由がある場合はマイナスの印象を与えにくいと考えられます。

例えばキャリアアップや妊娠・出産に伴う退職や家庭環境(実家の状況)の変化などによる転職です。このような事情があれば、採用する側からも理解を得られやすいでしょう。


職場選びの失敗で転職を繰り返さない3つのポイント

転職回数が増えたとしても、明確な理由があればあまり問題はありません。しかし、なるべくなら転職を繰り返すことは避けたいものです。

ここでは、転職を繰り返さないための職場選びのポイントをご紹介します。

キャリアや生活の優先順位を把握しておく

まずは、自分の望むキャリアや理想のワークライフバランスの具体的なイメージを持つことが重要です。

目指すキャリアやライフスタイルを「何となく」イメージしながら転職活動をしているという方も多いでしょう。しかし優先したいものがはっきりしていなければ自分にぴったりの職場探しに時間がかかる上、その場しのぎの転職を繰り返してしまうかもしれません。

「特定領域の専門医として活躍したい」「子どもとの時間を増やしたい」「定期的に休暇を取って旅行を楽しみたい」など、目指すものや優先したいものをしっかりと把握しておきましょう。

専門医を取りたいなどキャリアを優先するなら、その分野の専門外来や診療科目がある病院を探すのはもちろん、研修体制や病院の機能(急性期・慢性期など)をチェックすることが重要です。

また、子どもと向き合う時間や家庭で過ごす時間を優先したいなら、勤務形態に注目してみてはいかがでしょうか。例えば常勤で週5日フルに勤務すると、家庭での時間を増やすのが難しい場合もあるでしょう。このような場合は、週3~4日の常勤に非常勤やスポットを組み合わせるのもおすすめです。

転職先の給料や条件をチェックしておく

当然のことながら、転職先の待遇は十分チェックしておきましょう。
転職する際にチェックすべき主なポイントは以下のとおりです。

  • 給料関連(基本給、諸手当、昇給の有無など)
  • 立地
  • 残業や休日出勤の有無など
  • 副業の可否
  • 経営状況
  • 入局の有無

特に給料面についてはしっかりと話し合う必要があります。基本給に残業代が含まれているか、将来的にどの程度給料がアップするのかなどは特に重要です。また、ワークライフバランスを保つためには、残業や休日出勤についても確認しておきましょう。

「こんなはずでは」と再転職せざるを得ない状況にならないためにも、勤務条件はしっかりとチェックしましょう。

転職先の人間関係も把握しておく

転職理由の上位に挙げられるのが「職場の人間関係」です。人間関係が原因で転職を繰り返さないためには、共に働くこととなるスタッフの人間関係や人柄を、可能な範囲でチェックしましょう。

例えば受付スタッフおよび看護師同士の会話の他、コメディカル間の連携や医師の指示の出し方なども参考になります。


複数回の転職では面接対策と病院選びが重要

転職回数の多さや在職期間の短さなどに不安がある場合、事前に面接対策を講じておくことが大切です。


面接の際に転職回数の多さなどに対し、答えにくい質問をされる場合もあります。そのような時にもすぐに答えられるよう、前もって状況を整理した上で面接に挑みましょう。
自分で対策を講じることも可能ですが、働きながらの転職活動は簡単ではありません。また対策といっても何から手を付けて良いのか悩んでしまうこともあるでしょう。

このような場合はひとりで悩まずに、転職エージェントを利用してみてはいかがでしょうか。医師転職専門エージェント「メッドアイ」なら、経験豊富なコンシェルジュが面接の悩みをサポートしてくれます。病院選びを含め転職で迷いが生じたら、ぜひ一度相談してみてください。


まとめ(転職を繰り返す医師にならないためには)

転職回数が多い場合、一般的には転職にマイナスの影響を及ぼすことがあります。しかし医師の場合、4~5回の転職であればあまり問題になることはありません。

これは採用する側が、転職回数の多さよりも即戦力となる経験を重視するためですが、明らかに多い場合はデメリットとなることもあります。
そのため現状4~5回の転職を経験している方は、これ以上転職を繰り返すことのないよう慎重な職場選びが大切です。

まずは自分が職場に何を求めるのか、しっかりと優先順位を把握しておきましょう。その上で希望する職場の人間関係を調査したり、給料や待遇など細かい部分まで十分話を聞いたりして、長く勤められる職場かどうかを判断することが重要です。

転職を繰り返さないための職場選びに不安がある方は、ぜひ医師転職専門エージェント「メッドアイ」に相談してみましょう。