キャリア形成のためや働き方の多様化を受けて、転職を希望する医師は多い傾向にあります。ところが、医師の転職には意外と失敗事例も見受けられるのが事実です。

「転職したいけど失敗したくない!」
「転職失敗したらどうなる?」
「転職に成功するにはどうしたらいい?」

という悩みを持っている方に向けて、 医師専門の転職エージェントの視点から、医師の転職で失敗しがちなパターンを7つ、理由を交えながらご紹介します。

さらに、失敗パターンを知ることで見えてくる、転職を成功に導く5つのポイントも解説しますので参考にしてください。

医師の転職には下記のように、難しい要件が多いのが特徴です。

  • 情報収集
  • スケジュール管理
  • 条件交渉

全て自力で行うのは大変ですが、転職エージェントを利用することで負担軽減ができます。プロの頼り甲斐あるサポートが受けられる安心感もあり、転職を成功に導いてくれるでしょう。
是非最後までお読みいただき、転職の成功に繋げてください。

医師が転職失敗するパターン7つ

医師の転職がうまく行かない理由としてよく聞かれる、7つのパターンをご紹介します。
他の業種でも同じような失敗事例はありますが、医師の場合は事前の情報収集に十分な時間が割けないことから起こる要因が目立つようです。

失敗例1:キャリアアップできない環境だった

より高度な医療や研究ができる環境を求めたり、特定の症例を積極的に診たいなどのキャリアアップ願望から転職をする場合も注意が必要です。

当然ですが、転職先の設備の状況や研究内容が合っている必要がありますし、仕事の状況も確認しておかないとなりません。
希望の設備は整っているが、実際の仕事では専門外の業務も多いなど、必ずしも希望通りの仕事に打ち込めるとは限りません。

ーー失敗しないポイントーー

このような失敗を回避するには、転職後にどのようなキャリア形成をしたいのかをエージェントに相談することで、各病院の詳細な情報も得やすくなります。

失敗例2:高収入に惹かれてしまって…

子育て世代の医師に多いのが、年収アップを求めての転職です。
ですが、求人票に載っている給料の額面を鵜呑みにして転職してしまうのは危険です。

多くの場合、雇用契約前に給与や勤務条件などの交渉を行うことになります。
交渉がうまく行かない、確認が足りないなどで、想像していた給与額を得られないリスクがあるのです。

ーー失敗しないポイントーー

収入アップが目的の場合は、どのくらい収入を上げたいのか、具体的な数字を設定しましょう。そして交渉に自信がない方は、医師専門の転職エージェントを利用して有利に進めるのが得策です。

失敗例3:年収や待遇を重視しすぎてしまう

転職の希望を叶えるためには、転職先の条件面を重視することは重要です。
しかし、収入アップもしたいが専門性も高めたい、と複数の希望を全て完璧に満たす職場を自分だけで探し続けるのは難しいと思った方がいいでしょう。
こだわりが強くなり転職先候補が決められないまま迷っていると、現職の退職時期の方が先に来てしまい焦ることにもなりかねません。

ーー失敗しないポイントーー

希望する待遇や条件はあらかじめリストアップして、希望に対してどのくらいまで妥協ができるのかも検討しておくことが重要です。

失敗例4:退職交渉が上手くいかない

転職をする場合、避けて通れないのが元の職場の退職です。
退職がうまく行かないことで、せっかくいい条件の転職先と話がまとまっても、スムーズに転職できないケースも見受けられます。

医局を抜けて転職したいケースや、元の職場の人員が足りないケースなどでは必ずといっていいほど引き止めに合うでしょう。
レアケースながらも、退職の話自体をうやむやにされてしまったり、転職先の話を無かったことにされてしまうこともあります。

ーー失敗しないポイントーー

退職交渉をうまく進めるためには、以下のようなことに気をつけるといいでしょう。
・時期にゆとりを持って退職日を伝えること
・退職は前向きな理由や止むを得ない理由である旨をしっかり伝えること
・引き止めで提示された条件に惑わされないこと
・退職意思を伝えた後は、具体的な進捗を積極的に確認すること

失敗例5:入職前の確認すべき点に漏れがあった

給与額もそうですが、求人情報に載っていることはあくまでもモデルケースであり、実際の条件は入職前にきちんと確認・交渉する必要があります。

特に現在の職場で不満に思っている点については転職先で同じことにならないようしっかり確認していても、現状不満なくスムーズに行っている部分は確認が漏れてしまいがちです。キャリアアップを目指して環境の整った職場へ転職してみたら、激務で目指す研究に時間が割けなかった、というケースなどが該当します。

ーー失敗しないポイントーー

業務内容や環境だけでなく、当たり前と思い込みがちな福利厚生や有給休暇などの基本条件に至るまで、しっかり確認しましょう。
条件交渉も、個人で行うと思わぬ漏れがあったりしますので、不安な方は転職エージェントに頼ることをおすすめします。

失敗例6:経営状況を知らずに転職した

病院の経営状況というのは、外部からは少し分かりづらいのが特徴です。
いざ転職してみたらかなり経営が苦しい状態で、激務だったというケースも少なからずあります。

経営が苦しい病院は、退職者が増えてしまうので、その結果人員を募集しているかもしれません。
当然急募になるのでとにかく人を集めようと、給与が高く表示されたり、好条件での募集になるため特に注意が必要です。

ーー失敗しないポイントーー

転職先の経営状況を知るには決算書の確認が最も手っ取り早い方法です。
病院の決算書は各都道府県の「医療法人窓口」で取り寄せることが可能ですので、転職先の情報と一緒に決算書を必ずチェックしておきましょう。

失敗例7:知人の紹介で辞めにくい

医師が転職する際、他業種より目立つのが知人の紹介による転職です。
転職してみて合わないなと思ったり、望んだ環境でなかった場合でも、紹介してくれた人の顔を潰すことになるので、辞めにくくなってしまいます。

ーー失敗しないポイントーー

確かに知人の紹介での転職は、話がスムーズに進みやすいなどのメリットはあるでしょう。ですが、他の転職先候補の情報も積極的に取り入れるのが失敗を招かないコツです。
転職サイトやエージェントを活用し、様々な求人情報をしっかり比較した上で、納得のいく職場を見つけることをおすすめします。



医師が転職に失敗しないための5つのポイント

医師の転職で失敗しがちなパターンを見てきました。心当たりがあるという方もいるのではないでしょうか?
医師の転職で重要なのは、なんといっても情報収集と交渉です。ここからは、この二つを成功させるために押さえておきたい必勝ポイントを5つご紹介します。

①転職の目的や条件を明確化する

転職先を探し始める前に必ず整理しておきたいのは以下の2つです。

  • 転職の理由
  • 転職に求める目的(条件)

転職を考えるということは、何かしら今の職場に不満があるということになります。
年収が低いことが不満、キャリアアップできていないことが不満、人間関係に不満がある等、何が理由で転職したいのかを見つめ直してください

そして、転職することで何を満たしたいのかを明確にしましょう
明確にできたら、目的を叶えるのに必要な環境や条件をリストアップします。
さらに今の職場で特に不満はないが、なくなると困る条件なども併せてチェックします。

全てリストアップできたら、その中で妥協できる項目はあるかを確認しリストに併記しておきましょう。

②理想だけでなく現実も把握する

転職の心構えとして、希望条件が全て叶う完璧な職場はなかなか存在しないという前提で臨みましょう。

まず、今の自分にどのようなスキルがあって、持っている資格や経験でどのくらいの給与がもらえるのか、相場を把握します。
そこから大きく外れた希望は叶えづらいですし、勤務する地域が変わる場合は地域差にも考慮が必要です。

給与相場を知るには転職エージェントに聞いてみるなどすると楽に情報が得られます。

③転職先の情報収集をする

転職先に求める条件がクリアになったら情報収集を徹底的に行います。

希望の条件がどのくらい叶う職場なのかはもちろん、下記もしっかりチェックしましょう。

  • 勤務内容
  • 院内の設備
  • 職場環境(人間関係)
  • 経営状態

そしてポイントの①と②で作成したチェックリストをもとに漏れなく確認し、疑問点が残らないようにしておきましょう。

医師の転職の場合、他の業種よりも細かく確認することが多いので、個人で全て調べるのは大変かもしれません。
時間がなく調べきれない場合は、転職エージェントに依頼すると確実です。
また、あらかじめこちらの希望をエージェントに伝えておくことで、希望に近い病院を調べてもらえるという利点もあります。

どうしても情報が得られない疑問点が残った場合は、面接の時に確認するといいでしょう。

④面接を自己アピールするプレゼンの場にする

ここまで頑張って探した転職先も、受からないと苦労が無駄になってしまいます。
面接は転職の肝になるポイントです。しっかり自己アピールし、好印象を与えましょう。

面接では経験やスキルはもちろんですが、あなたの人となりや仕事への思いも見られます。仕事とどのように向き合っていきたいのか、転職することでどのように働いていきたいのかを分かりやすく伝えることが大切です。
面接はプレゼンだと意識して、あなたが何を求め、何で貢献でき、どんなふうに成長していきたいかを理解してもらいましょう。

面接の不安も、転職エージェントに相談できます。
担当者と希望や思いを共有しながらレジュメを作っていくことで、どのように話せばいいかが明確になるので、自信を持って面接の場に臨んでください。

⑤余裕を持って転職スケジュールを決める

転職をどういうスケジュールで進めていくかは慎重に決める必要があります。

「転職したい」と思ったら、まずはポイントの①と②をしっかり行い、それから情報収集をする、といった具合に医師の転職には時間がかかるものです。
ある程度情報が溜まってきて、選択肢が見え始めてきたら、具体的な退職時期や入職希望時期などを考えるといいでしょう。

退職準備も医師の場合は想像しているよりも時間がかかります。
あらかじめ長いスパンで考えておくと焦ることなく進められるでしょう。
退職を申し出る時は、自分の都合だけでなく、欠員が出る職場の事情も考慮しゆとりを持つことが大切です。

まとめ

医師の転職で失敗しないためには、この記事で紹介した失敗のパターン7つを肝に銘じてください。

そして同じ轍を踏まないよう、下記5つのポイントをしっかり実行して、転職の成功に繋げてください。

  • 転職の目的や条件を明確化する
  • 理想だけでなく現実も把握する
  • 面接を自己アピールするプレゼンの場にする
  • 転職先の情報収集をする
  • 余裕を持って転職スケジュールを決める

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