どの診療科に進むのかによって将来のキャリア形成や年収、ワークライフバランスなどに大きく影響します。そのため、外科系と内科系のどちらにするか改めて悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

  • 外科系と内科系の違いとは?
  • 外科と内科、それぞれに向いている人は?
  • 外科医から内科などへキャリアチェンジしたい時は?

この記事では診療科選びに悩んでいる方に向けて、プロの転職エージェントが詳しく解説します。外科医がキャリアチェンジするためのヒントなどもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。


【基礎知識】内科と外科の違いは?

内科と外科の基本的な違いは「手術するかしないか」です。

内科は薬剤を用いて病気を治療する一方で、外科は主に手術することで病気の回復を図ります。近年増えている「腹腔鏡手術」や「胸腔鏡手術」などの内視鏡治療も外科系の治療の一つです。

実際には内科も外科もそれぞれ領域ごとに細かく分類されています。そのため「内科」「外科」という呼び方は、少しアバウトな表現かもしれません。

内科と外科・向いている人の特徴は?

「自分は内科と外科、どちらが向いているんだろう……」

このような疑問を抱いている方も多いでしょう。数年間医学を学んできたとはいえ、自分がどの診療科向きなのかはっきりと分かっている方は少ないかもしれません。

ここでは内科向きの人、外科向きの人の特徴について見ていきましょう。

診断が好きなら内科

医療において、まず行われるのが「診断」です。患者さんの身体所見や病歴の他、必要に応じさまざまな検査で病態を探っていきます。このような段階を踏み、病気を診断するのが内科医です。

もちろん、はっきりと診断結果が出ないこともあります。しかし症状から予想される病態について、さまざまな角度から突き詰めていくことにやりがいを感じる方は、内科が向いているでしょう。

治療が好きなら外科

一方、診断結果に基づいた治療メインの医療に魅力を感じているなら外科がおすすめです。

多くの場合、診断は内科が行います。診断の結果により外科的治療が必要な場合は、外科が引き継ぐことになります。整形外科などは診断から治療までを一貫して行いますが、主な仕事は治療であると考えて良いでしょう。

外科の特徴としては、治療結果が分かりやすいことです。例えば「がんを取り除いた」「骨折や外傷を治療した」などが挙げられます。患者さんにも画像を使って説明がしやすい上に、医師自身も達成感を得られやすいのが外科であると言えるでしょう。

外科系と内科系の年収比較

内科系と外科系の仕事内容などについて理解を深めたところで、気になるのは年収です。診療科によって年収の違いはあるのでしょうか。

外科医と内科医の年収比較

独立行政法人 労働政策研究・研修機構「勤務医の就労実態と意識に関する調査」によると、内科医の平均年収は1,247万円、外科医では1,374万円となっています。

また内科で最も多い価格帯は1,000万~1,500万円、外科で最も多いのは1,500万~2,000万円であることも踏まえると、内科より外科の方が年収は高いと言えるでしょう。

ちなみに平均年収額が最も高いのは脳神経外科の1,480万円です。脳神経外科の年収が高いことからも分かるように、外科系は命に関わる緊急性の高い手術や治療をすることが多くなるため、他の診療科に比べると収入が高くなっているのでしょう。

引用:独立行政法人 労働政策研究・研修機構「勤務医の就労実態と意識に関する調査」,30


外科系と内科系の人口比較

診療科による医師の数はどのような比率になっているのか見てみましょう。

外科医の人口と男女比

病院や診療所など医療機関に従事する外科医は約3万5,000人です。一口に「外科」といっても消化器外科や脳神経外科、呼吸器外科、心臓血管外科、気管食道外科なども含まれます。外科医の多くが男性で、女性は1割程度です。

内科医の人口と男女比

同じく医療機関に従事する内科医のおおよその人数は11万人です。外科医と比べ医師数は倍以上であることや、女性医師の割合が2割程度とやや多くなっていることが内科の特徴として挙げられます。内科にも外科同様、消化器内科や循環器内科、神経内科などがあります。


外科医のキャリアチェンジ・5つのパターン

外科は手術手技がものをいう領域です。そのため、多くの外科医が生涯現役でい続けるのは難しいとされています。
そこで必要になってくるのが、転科や転職などセカンドキャリアの選択です。

ここではさまざまな外科医のキャリアチェンジのなかから、5つのパターンをピックアップしてご紹介します。

1)+αのスキルを習得

年齢とともに手術の頻度を減らしたいと考える外科医は少なくありません。専門医を維持するのに必要な最低限の症例を確保しつつ、内科的な対応や病棟管理、指導医として働ける職場へ転職するのも一つの方法です。

このような働き方は大学病院以外の外科医の働き方に合致します。求人年齢も幅広いため、希望する場合は選択肢も多いでしょう。「ゆくゆくは内科にシフトチェンジしたい」という方などには、おすすめの働き方であるといえます。

ただし外科+αの働き方は、専門領域に偏りがあると難しい場合もあります。このようなセカンドキャリアを望む場合は、幅広い領域を経験しておく必要があるでしょう。

2)同領域の内科へ転科

心臓外科なら心臓内科へ、消化器外科なら消化器内科など、同じ領域の内科へ移ることは比較的容易であると考えられます。

しかし規模の大きい病院でなければ、消化器内科や循環器内科など領域別に診療科を設けている施設はあまり多くありません。病院側としては週1日程度で専門外来を設けるとしても、メインは一般内科として診療して欲しいというのが本音でしょう。そのような形での勤務が可能であれば、求人数および収入もアップする可能性があります。

また、整形外科や脳神経外科であればリハビリテーション科への転科も選択肢の一つです。特に近年増床傾向にある回復期リハビリ病棟のリハ医は、収入面では急性期病院には劣るものの将来的には需要の高い領域であると言えるでしょう。

3)一般内科へ転科

外科医のキャリアチェンジで最も多いのが「一般内科」への転科です。一般内科は風邪や腹痛など一般的な症状に対応する診療科。何といっても求人が豊富な上に、年齢的な心配もあまりありません。

外科から一般内科へキャリアチェンジすることに不安を感じる場合は、まず同領域の内科へ転科し、徐々に一般内科へ移行するのがおすすめです。努力次第では年収の維持やアップも期待できます

4)緩和ケア領域へ転職

がんに関わることの多い外科医のなかには、緩和ケア領域に転向する方も多くいます。しかし緩和ケアを専門とする病棟や外来のある病院は一握りで、緩和ケア医の求人は多くありません。その上、疼痛コントロールが必要であることから、薬物療法の知識豊富な内科医や神経ブロックができる麻酔科医にも人気があるという状況です。

また緩和医療専門医を取得するには、基本領域の専門医が必要です。もちろん外科専門医も、緩和ケアにとっては大きなアドバンテージになることは間違いありませんが、外科医として手術を担当したというだけでは十分と言えません。
外科医として緩和ケアチームに所属するなどして、緩和ケアについての知識を深めておくのがおすすめです。

5)老人保健施設などへ転職

外科医のセカンドキャリアとして+αのスキルを身に付けたり転科したりといった過程を経た上で、一生医師として働きたいと考えた場合、老健(介護老人保健施設)への転職も一つの方法です。

老健では入所者の健康管理などが主な仕事となります。心身共にゆったりと勤務することが可能ですが、サービスの目的が病気の治療から生活支援にシフトするため、これまでの医師の仕事とのギャップも覚悟しなければいけません。

また介護職員やリハビリスタッフをはじめ、職員を管理する役目も担うことをしっかりと意識しておくことが大切です。

まとめ(内科医と外科医の違いやキャリアチェンジについて)

薬物治療を主とするのが内科、主に手術によって病気を治療するのが外科です。医師にとって内科と外科、どちらを選ぶかは将来のキャリアに大きな影響を与えるでしょう。

診療科を選択する際に内科系か外科系かで迷ったら、病気の「診断」にやりがいを感じるのか、手術などで「治療」するのにやりがいを感じるのかによって決めるのも一つの方法です。

外科系のほうが平均年収が高い傾向にありますが、大半の外科医が生涯手術し続けるのは難しいと感じ、キャリアチェンジを考えています。

キャリアチェンジにはさまざまなパターンがあり、キャリアを活かしつつ自分で道を切り開くことも可能ですが、もし迷いが生じたら転職エージェントの利用も検討してみてください。
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