「外科医の仕事内容とは?」
「外科医からの転科事情とは?」
「外科医が転職する際のポイントとは?」

この記事では、仕事に悩みを持つ外科医に向けて、転職エージェントの視点で転職について解説します。

外科医の平均年収は1,374万円で、他の診療科と比べると高めの水準です。
脳神経外科などは外科の中でも年収が高く、1,480万円というデータもあります。

この記事では、外科医が転科を考えるケースもご紹介します。

外科医とはどんな仕事?

まずは外科医の仕事内容をおさらいしましょう。

外科医は臓器ごとに専門があり、脳神経外科や消化器外科などに分かれています。
主な業務は、手技を用いて外傷の修復や病変部の除去をすることです。
また、X線やCTなどの検査結果をもとに傷病の状態を診断し、治療方針を決め、患者やその家族に説明することも大切な仕事です。

外科医になるまでの道のりは長く、研修を終えてもすぐに手術の場に立てるわけではありません。
医師としての知識だけではなく、手技の技術も一から修行する必要があります。
手技の技術は、専門医研修から師匠を見つけて教わるのが一般的です。

外科医の平均的な年収とは

独立行政法人労働政策研究・研修機構の「勤務医の就労実態と意識に関する調査」によると、一般外科医の平均年収は1,374万円でした。

外科医の平均年収は、他の診療科と比べると高めの水準です。
外科に関する平均年収データをまとめました。

診療科平均年収
一般外科1,374万円
整形外科1,289万円
脳神経外科1,480万円

*独立行政法人労働政策研究・研修機構「勤務医の就労実態と意識に関する調査」より抜粋

一般的に医者の収入は若いほど低く、外科医も例外ではありません。
研修期間の20代から30代の頃は3〜400万円程度です。
年収は30代後半くらいから一気に上昇し、平均年収に近づいていきます。
経験を積み、役職などを持つようになる4〜50代は、平均もしくは平均を超えた高収入となるのです。


外科医からの転科事情とは?

続いては、外科医の転科事情を見てみます。


「外科医の仕事が自分に合っていない」「ハードワークが辛い」などの事情で、転科を考える医者は一定数います。
株式会社メディウェルが行ったアンケートによると、転科を考えたことがある医者は全体では4割ほどでした。外科医は以下の結果で、脳神経外科が41%と最も高い割合です。

診療科転科したいと思ったことがある(過去・現在とも)転科したいと思ったことはない
一般外科38%62%
消化器外科36%64%
脳神経外科41%59%
整形外科34%66%
形成外科33%67%


転科先として人気が高い診療科のランキングは以下の通りです。

画像引用:https://www.dr-10.com/lab/change-departments/

外科医が転職する時に気を付けるポイント3つ

転職は医者にとって珍しいことではありません。
キャリア形成のため経験の積める病院への転職や、収入アップのために転職など理由はさまざまです。
転職を考え、実際に転職した医者は全体の4割~半数にも上るというデータもあります。

ここからは、外科医が転職を考える際に気を付けておきたいポイントを解説します。
大切なのは以下の3点です。

  • 転職目的を明確にする
  • 余裕を持って円満退社する
  • 転職エージェントを活用する

①転職目的を明確にする

「なぜ転職したいのか」「転職で何を叶えたいのか」という目的は明確に持っておきましょう。
転職したい理由はさまざまだと思います。
転職理由のトップ10は以下の通りです。

順位転職理由割合
1位家庭事情(転居・育児・介護など)18.0%
2位人間関係の不満を解消したい16.6%
3位加齢による勤務内容の変更15.3%
4位QOLをよくしたい14.5%
5位過剰な業務負荷の軽減11.5%
6位年収アップ9.8%
7位より多くの経験を積みたい9.4%
8位勤務先の将来性に不安7.6%
9位職場復帰5.8%
10位独立開業の準備をしたい5.4%

*エムスリーキャリア「【2020年版】医師7,000人の転職理由ランキング」より一部抜粋して引用

どのような理由であれ、転職を考える際には一度振り返って整理してみることをおすすめします。
キャリアアップのために転職したいのであれば、具体的にどのようなスキルや経験が足りないのかをリストアップしてみましょう。それが次の職場で求める条件にそのままつながります。
漠然と転職先を探すのではなく、目的を持って探すことで、転職で失敗してしまうリスクを減らすことが可能です。

また、転職先で叶えたい条件が全て解決するとは限りません。
転職の条件をリストアップしたら、その中で優先順位をつけておくとよいでしょう。

理由が明確だと転職先探しもスムーズになり、途中で目的を見失って目移りしてしまうといったことも避けられます。

②余裕を持って円満退社する

転職に向けて活動を開始したら、今の職場の退職も慎重に検討しましょう。
人手不足の医療業界は、急に退職を申し出ても引き止められてしまうことがよくあります。
引き継ぎなども十分に行う必要があるため、辞める半年前くらいには退職の意思を伝えられるとベストです。

転職先が決まったら、早めに申し出るようにしてください。

この時に気をつけたいのが、感謝の気持ちを忘れないことです。
感謝を示すことで、退職までの残り期間も気持ち良く働くことができ、病院側の印象も変わりますので、円満に退職することができるでしょう。

円満に退職することは、次の職場での評判にもつながります。
医療業界は思っているより狭いので、前の職場で印象の悪い辞め方をしていると伝わってしまうこともあるためです。
転職後のことまで考えて、期間にゆとりを持って円満に退職できるよう気をつけることが大切です。

③転職エージェントを活用する

医者の転職は情報収集に労力を必要とします。
自分の転職動機から導き出した転職先に求める条件が、求人情報を見ただけではわからないことが多いためです。

例えば、経験を積むためにさまざまな症例が診られる病院を探している場合、求人情報に載っている業務内容や、病院の診療科案内だけでは詳細がわからないこともしばしばです。
知りたい情報を人伝てや口コミなどから探すことになり、勤務条件以外にも調べることが多くなります。
また、人間関係が原因で転職先を探している場合は、求人情報から職場の雰囲気を読み解くことは難しいでしょう。

このような時、頼りになるのが転職エージェントの存在です。
特に医者の転職に特化したエージェントであれば、病院内のスタッフの雰囲気などにも精通しています。
また、ネット上で公開されていない求人情報なども持っているため、より多くの情報を手軽に知ることが可能です。
理想の職場を探すために、一つでも多くの候補から選べるというのは心強いものです。

そして、転職情報を見ていくことで、求められる人材を知り、自分の市場価値も把握できるというメリットがあります。
転職を検討している段階でも、キャリアプランをエージェントに気軽に相談してみるのがおすすめです。



まとめ(外科医の平均年収)

この記事では、外科医の転職事情を見てきました。
外科医は長時間労働のケースが多く、ハードワークであることが知られています。
また、手術などの細かい手技が必要なため、一人前になるまでの道のりも長くなります。

年齢とともにハードワークが体力的にキツくなってくるといったこともあるでしょう。
転科や転職を検討するのは、ある意味自然なことなのかもしれません。


外科医に限らず、医者の世界では転職は珍しいことではなく、半分近い医者が転職を経験したり検討したりしています。
より成長するための転職や、新しい領域への挑戦など、医者が転職する理由はさまざまです。

医者の転職は、情報収集がとても難しく大変だという特徴もあります。
転職を考え始めたら、まず転職エージェントに相談してみましょう。

同じような悩みを持った医者の転職に寄り添ってきたプロに、キャリアプランそのものから相談することも可能です。
まずは自分の市場価値を知るところから検討を始めるのもいいでしょう。