常に病気の患者に対応できるようにシフト制で業務を行っている医療機関は数多くあります。しかし、まとまった休みが取りづらいため、土日休みの医療機関に転職したいと考えている方もいるでしょう。
「シフト制の医療機関に勤めているが、土日休みの職場に転職したい」
「家族や友人と休日を合わせたい」
このように思っている医師に向けて、休日を取りやすい職場の選び方について解説します。
医師の休日はどれくらいある?
シフト制の職場だと、まとまった休日を確保できずに悩んでいる方もいるでしょう。ここでは、実際に医師の休日がどれくらいあるのか解説します。
医師の週労働時間の平均は?
独立行政法人 労働政策研究・研修機構が発表している「勤務医の就労実態と意識に関する調査 」によると、全体の平均週労働時間は46.6 時間で、週50時間以上働いている医師も半数近くを占めています。 あわせて読みたい
会社員は1日8時間労働で、1週間に40時間勤務がスタンダードなので、会社員と比べて医師の週労働時間は長いと言えるでしょう。
また、厚労省が発表している「令和元年 医師の勤務実態調査」によると、2024年4月から開始される働き方改革で時間外労働時間上限となる年960時間の上限を超えて働いている医師は37.8%にも上ります。
データから見ると医師の週労働時間は長く、過酷な環境であるのは間違いありません。転職先次第では、休みがより取りづらい状況になる可能性もあるため注意が必要です。
参考:令和元年 医師の勤務実態調査(厚労省)
「勤務医の就労実態と意識に関する調査」(独立行政法人 労働政策研究・研修機構)
診療科による勤務時間の違い
診療科によって勤務時間は異なります。「勤務医の就労実態と意識に関する調査 」によると、救急科、脳神経外科、外科、小児科などは、他の診療科と比べて週の労働時間が長い傾向にあることがわかっています。 あわせて読みたい
一方で精神科や内科、眼科・耳鼻咽喉科・泌尿器科・皮膚科あたりは比較的週の労働時間が短い傾向にあります。
医師という職業全般の勤務時間が長いのではなく、診療科によって差があることがわかります。
参考:「勤務医の就労実態と意識に関する調査」(独立行政法人 労働政策研究・研修機構)
医師の休日の取得状況
「勤務医の就労実態と意識に関する調査」によると月4日以下の休みである医師は4〜5割程度いることがわかっています。 あわせて読みたい
一般的な会社員は1週間に2回休日があることが多いため、医師の休みは少ないと言えるでしょう。
しかし、すべての医師が不満を抱いているわけではありません。月に2、3回程度休めれば良いという医師もいます。
医師の休日が少ないのは間違いありませんが、一概に医師の不満に直結しているとは限りません。
参考:「勤務医の就労実態と意識に関する調査」(独立行政法人 労働政策研究・研修機構)
医師の休日が少ないと言われる3つの理由
医師の休日が少ないと言われる理由は、主に3つあります。
- 高齢化により患者数が増加しているため
- 慢性的な医師不足のため
- 休日でもオンコール対応や自己研鑽の時間が必要なため
それぞれの理由について詳しく解説します。
1.高齢化により患者数が増加しているため
日本は高齢化が進んでいます。当然ですが、高齢になればなるほど体の不調は多くなり、病院を利用する機会も増えます。 あわせて読みたい
高齢化に伴う患者数の増加が、休日の少なさに直結していると言えるでしょう。
日本の高齢化は今後も続いていくと考えられます。そのため、患者数の増加に歯止めをかけるのは難しいでしょう。
効率良く診療を行うためには、新しい治療法の実践や、医療のDX化・デジタル化を推進する必要があるかもしれません。
2.慢性的な医師不足のため
高齢化が進んでいるということは、働き手となる世代が不足していることを意味します。
当然ですが、医師も高齢になると退職するケースが多いです。そのため、患者数に対して医師が不足しているのも休日が少ない理由と言えるでしょう。
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3.休日でもオンコール対応や自己研鑽の時間が必要なため
医師は人命に関わる仕事であるため、休日であっても人命を最優先しなければいけません。
具体的にはオンコールの対応をしたり、自己研鑽に時間を使ったりする必要があります。結果として、休日であっても心や体が休まらないケースは多いです。
しかし、これは病院の制度を見直せば改善できる問題でもあります。例えば、当番制にすれば、常にオンコールに備えて待機をする必要はなくなります。
医師が不足している現状で、複数の医師を確保するのは難しいですが、解決できない課題ではありません。
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医師が土日休みを取りやすい働き方5選
医師の休日が少ない原因をすべて解決するのは難しいです。そのため、休みが取りやすい働き方を知っておき、転職を検討する必要があります。
- 無床クリニックで働く
- 外来対応や健診業務がメインの医療機関で働く
- 産業医や公衆衛生医師として働く
- 開業医として働く
- 製薬会社や医療サービス企業で働く
上記の方法であれば、比較的土日休みが取りやすくなります。それぞれの方法について詳しく解説します。
1.無床クリニックで働く
無床クリニックとは入院患者がいない病院のことです。入院患者がいる場合は、夜間にトラブルが起こる可能性もあるため、常に誰かが常駐していないといけません。
しかし、無床クリニックであれば、営業時間外にトラブルが起こる可能性が低いため、土日休みを確保しやすいでしょう。
ただし、無床クリニックでも土日診療を行っているケースは少なくありません。転職先として無床クリニックを検討している方は、診療日は確認しておきましょう。
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2.外来対応や健診業務がメインの医療機関で働く
外来患者への対応や健診を主な業務としている医療機関を探す方法もあります。
外来患者への対応や健診は平日に行われることが多く、休日のオンコールは業務対象外とされるため、土日休みを確保しやすいです。
しかし、医療機関によっては土曜日の午前中に診療をしているケースもあります。
契約内容次第では、日当直を頼まれる場合もあるため、契約時には勤務条件の確認をしっかり行いましょう。
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3.産業医や公衆衛生医師として働く
産業医は企業に所属する労働者の健康管理のために働く医師です。
一般的な企業は土日休みとなっており、有給休暇も取得しやすいため、産業医資格を取得しているのであれば検討する価値のある職場と言えるでしょう。
公衆衛生医師は自治体に所属している医師であり、公務員という扱いになります。
土日休みはもちろん、福利厚生も充実しているため、プライベートの時間を重視したい方にはおすすめの働き方です。
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4.開業医として働く
自身が医療機関を開業して、開業医として働く方法もあります。
開業医になれば、診療時間や休診日を自身で設定できるため、土日休みにすることも可能です。
しかし、一般的な企業は土日休みであるため、土日に病院を利用したいと考える方は多いです。平日のみの営業にすると、患者が利用しづらくなり経営が成り立たなくなるかもしれません。
開業医として働くのであれば、初期投資として充分な資産も必要であるため、早めに準備をしておくことが大切です。
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5.製薬会社や医療サービス企業で働く
製薬会社や医療サービス会社で働く方法もあります。
患者の診療を行うわけではありませんが、医療に関わりつつ土日休みを確保しやすい働き方です。
患者と直接触れ合いたいと考えている方には向いていませんが、土日休みを重視したい方にはおすすめです。
企業によっては福利厚生が充実していたり、フルリモート勤務を推進していたりする場合もあります。
他の方法と比べると、家族や友人との時間は最も確保しやすい働き方と言えるでしょう。
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医師が休日を取りやすい職場を見つけるには
医師が休日を取得しやすい職場を見つける方法は、以下の2つです。
- 転職希望先の情報収集をしっかり行う
- 医師専門の転職エージェントに相談する
それぞれ詳しく解説します。
1.転職希望先の情報収集をしっかり行う
まずは転職希望先の情報収集をしっかりと行いましょう。
情報収集が不足していると、転職した後でイメージと違って後悔する結果になるかもしれません。求人情報をチェックした上で、わからない点は問い合わせて確認を行いましょう。
また、実際の有給の取得状況や在籍している医師やスタッフの数なども調べておくべきです。
求人情報だけだと、これらの情報を集めるのは難しいかもしれません。
そのため、実際にその医療機関を利用した方の口コミをチェックしたり、足を運んでみたりして確認をするのもおすすめです。
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2.医師専門の転職エージェントに相談する
医師専門の転職エージェントに相談をすれば、自身で情報収集をするのが苦手な方でも転職を成功させやすいです。
医師専門の転職エージェントであれば、非公開求人もあるため自身では見つけられない情報が見つかるかもしれません。
どの転職エージェントを利用すれば良いかわからない方は、ぜひ、メッドアイをご活用ください。
メッドアイは医療機関と医師の橋渡し役としての役割を果たしてくれます。土日休みの求人を紹介してくれるのはもちろん、面接の日程調節や勤務条件の交渉なども行ってくれます。
採用担当者に伝えづらいことも伝えてくれるので、疑問点をすべて解消した上で転職を行うことが可能です。
履歴書や職務経歴書の作成に関するアドバイスも行っているため、初めて転職をする方でも安心です。
入職後のフォローアップも充実しているので、土日休みの医療機関に転職を検討している方は、ぜひメッドアイを活用してください。
まとめ(医師は土日休みが少ない?)
医師で土日休みを実現するのは難しい傾向にあります。
しかし、勤務先をしっかりと調べた上で転職を行えば、プライベートの時間を確保しつつ働けます。自分で情報収集をするのが苦手な方は、メッドアイを活用し、転職活動に取り組んでください。