医師という職業は責任も重く、やりがいのある仕事です。しかし、長時間労働や業務のルーティン化、人間関係のストレスなどから、「つまらない」「このままでいいのか」と感じてしまう医師も少なくありません。
- なぜ、医師の仕事をつまらないと感じてしまうのか?
- このまま続けてもいいのか?
- どうすれば、前向きに働けるようになるのか?
本記事では、医師専門の転職エージェントの視点から、「医者の仕事がつまらない」と感じる理由や、そこから抜け出すための具体的な方法を解説します。 あわせて読みたい
今の悩みが、キャリアを見直すきっかけになれば幸いです。
医師が仕事をつまらないと感じるケース7選
どんな仕事でも、やりがいを感じられずに働くのはつまらないものです。
つまらないと感じたまま働いていると、仕事の質の低下や、医師本人の疲労感も余計に増えてしまいます。
医師が「仕事がつまらない」と感じる主なケースを見ていきましょう。
① 勤務時間が長すぎる
まずはなんと言っても、医師の勤務時間が長すぎるという問題が挙げられます。
- 睡眠や食事もままならない
- 当直明けも普通に働いている
- 休日も呼び出しがあって気が休まらない
当直やオンコール、少ない休日という激務が慢性化しているため、心身の疲れが溜まっている医師は多いです。
貴重な休日は睡眠時間の確保で終わってしまった、ということもよくあるのではないでしょうか。
疲労が溜まることで、達成感ややりがいなどを感じる余裕がなくなっていきます。 あわせて読みたい
このため「忙しいし、つまらない」と感じてしまいがちです。
② 学習時間が取れない
医師という仕事は、学び続ける必要があります。
- 論文を読もうと思っても眠気が勝つ
- 手技の練習時間が確保できない
- 医療知識を更新する余裕がない
新たな医学知識を知るために論文を読んだり、手技を向上するための練習をしたりするのも怠らずにいたいものです。
しかし、日々の激務でいつも疲れていて、論文を読む気力が残っていないという医師も多いのではないでしょうか。 あわせて読みたい
①の長時間労働の問題ともリンクしていますが、仕事が多忙でスキルアップの機会が奪われている状態です。
自身の成長を感じられずに「つまらない」という気持ちに至るケースも少なくありません。
③ 人間関係が悪い
医師に限ったことではありませんが、職場の人間関係に問題があると仕事を面白く感じることは難しいと言えるでしょう。
- 話の通じない上司に振り回されている
- 看護師や他職種との連携がうまくいかない
- 医局内の派閥や空気に疲れている
特に医師の場合は、その仕事の特性上、関わる人が多いという特徴があります。
同僚や上司の医師のほか、看護師や薬剤師、事務スタッフやコメディカルと連携して仕事を進めなくてはなりません。
さらに、患者やその家族などとの関係も、医師の気持ちに影響することがあります。 あわせて読みたい あわせて読みたい
臨床の現場を離れても、医局の派閥や部門間の関係や、人事異動で起こる環境の変化など、人間関係を保つことにも労力が必要になりがちです。
④ 忙しくて流れ作業になってしまう
労働時間が長くて忙しい医師が「つまらない」と感じる要因の1つに、仕事が流れ作業になりがちという点があります。
- 一人ひとりの患者と向き合えていない
- 診察がルーチンになっている
- 検査データと処方だけで判断している
外来の多い病院に勤務していると、患者1人に割ける時間は短くなってしまいます。
短い時間の中で最低限の説明や処置をするため、患者とじっくり向かいあうことが出来にくくなってしまいます。
結果として、検査数値だけを頼りに診断を下したり、処方を決めたりすることになり、「人を診ている」感覚が鈍ってきたと感じることもあるでしょう。
病気の人を助けているはずなのに、その実感もなくなってきて「つまらない」と思ってしまいがちなのです。
⑤ チャレンジができない
医師の仕事には、患者の健康や生命がかかっています。
仕事上のミスや失敗は許されません。
それは当然ですが、このために守るべきガイドラインがあり、マニュアルに沿った仕事をしなくてはならないという側面があります。
- マニュアル通りの診療ばかり
- 自分のアイデアや工夫を活かせない
- 新しい分野に挑戦したくても時間がない
このことが、新たな視点を見出したり、チャレンジしたりする気持ちを持つことができない要因と言えるでしょう。
言い換えれば、ガイドラインに沿った仕事を繰り返すことで、無機質的になってしまっているのです。
②でも触れましたが、医師は常に学び、手技の向上に努めるという研鑽を続けていく必要がある職業です。
その中には、新たな分野を切り拓いたり、治療法の発展を目指したりするようなチャレンジ精神も含まれるでしょう。
こうした気持ちを日々の業務で封じられていると感じた時に「つまらない」という思いを抱いてしまうのです。
⑥ 結果を出せていない
頑張っているのに手応えがない、結果が出ていないと感じる方もいるかもしれません。
- いくら頑張っても評価されない
- やってもやっても成果が見えない
- もしかして自分に向いてない?と感じる
結果が出せないと感じる要因には、主に以下の3つが考えられます。
- 努力不足
- 評価制度など環境の問題
- 適性がない(自分に向いていない仕事である)
評価制度や人間関係で納得がいかないと考えていても、実は本人の努力不足で結果が出せないのが理由ということもあるでしょう。
結果が出ないと感じるのであれば「それはなぜなのか?」と冷静に分析してみることで、「つまらない」状態から脱却できるかもしれません。 あわせて読みたい
⑦ 将来の希望に今の仕事が合っていない
当初思い描いていたキャリアプラン通りに進めていない場合も「つまらない」と感じてしまうことでしょう。
- 目指していたキャリアと今の仕事がズレている
- 転職したものの、思っていた環境ではなかった
- 将来像が描けず、働く意味を見失っている
原因としては、希望の研修先に就職できなかったり、目先のストレスから転職してキャリアプランのルートを外れてしまったりというケースがあります。
また、プラン通りに経験を積んでいても、やってみたら向いていなかったという気づきもあるかもしれません。
将来を見据えた時に、今やっていることが合っていないとつまらなさを感じてしまいます。
このような時は、一度客観的にキャリアプランを見直してみることをおすすめします。 あわせて読みたい
今の仕事はキャリア形成で必要なことか、あるいは軌道修正が必要か、冷静に考えてみることで解決の糸口が見えてくるかもしれません。
仕事がつまらない時の解決法3つ
「仕事がつまらない」と感じてしまうと、そのまま続けることも辛いものです。
そんな時は、どうしてつまらないと思っているのかを考えてみてください。
原因を知ることで、解決方法も見つかりやすくなります。
「仕事がつまらない」状態を解決するための代表的な方法は以下の3点です。
- 目標を持つ
- 新しいことを始める
- 転職する
それぞれの方法について、詳しく見ていきましょう。
①目標を持つ
やりがいを見出せないまま仕事をしている状態なら、新たな目標を立ててみるのが有効な解決策です。
まずは、今「つまらない」と感じている原因を考えた上で、それでも今の仕事を続けるのであれば、新たな目標を設定してみましょう。
例えば「今の仕事をさらに極めるために医学留学を目指してみる」といった感じです。
医学留学をするための費用が必要となりますので、今はつまらなくても費用捻出のために頑張る期間だと割り切ることができます。
この時、目標達成の期限も一緒に決めておくと、頑張り抜く力になるでしょう。
また、今の診療科が自分に向いてないことが「つまらない」原因であれば、転科を目指すという選択肢があります。
そのために、今の仕事をしている間に学習を進めたり、人脈作りを始めたりする目標を立てておけば、やりがいも生まれてくるでしょう。
このように、仕事をしていく上でやりがいになる目標を設定してみてください。 あわせて読みたい
そして「目標をクリアするために今の仕事を頑張る」という考え方に切り替えるのです。
そうすることで、たとえつまらなくても頑張り続けることができるようになります。
②新しいことを始める
何か新しいことを初めてみるのも「つまらない」を打開する効果的な方法です。
非常勤などのアルバイトをしてみたり、プライベートで何か新しい趣味を始めてみるのもいいでしょう。
気分転換になるイベントを定期的に生活に組み込めれば、仕事のつまらなさを軽減できるかもしれません。
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特にアルバイトには給料が出るので、刺激だけでなくお金の面でもメリットがあり、一石二鳥の効果があります。
アルバイトの職種は医業にこだわる必要はありません。
それでも医業でアルバイトをすることで、新たな発見が期待できるというメリットもあるでしょう。
その発見が本業の「つまらない」を解決してくれるかもしれません。
ただし、「つまらない」と感じる原因が過重労働で、そのような時間が取れないケースでは難しいかもしれません。 あわせて読みたい
それでも、小さなことでもいいので、生活のリズムの中に新しい習慣が加わると、気分的にはだいぶ変わってきます。
③環境を変える(転職する)
「つまらない」の原因が職場環境や過重労働、人間関係にある場合は、より良い環境を求めて転職するのが解決への近道です。
また、診療科が自分に向いていないと感じた場合の転科も、転職することで叶えやすくなります。
思い詰めてしまう前に、環境をリセットして、新しいやりがいを見つけてみてはどうでしょうか。
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極論を言ってしまうと「医師を辞める」という選択をしてもいいのです。
解決策がどうしても見つからないのであれば、医業以外に転職してリスタートするという選択肢もあることを忘れないでください。
とはいうものの、医師の転職は一般業に比べると転職活動が大変なことでも知られています。
忙しくて転職活動に時間が割けなかったり、人手不足で今の病院を辞められなかったりといったこともあるかもしれません。
そんな時に頼ってほしいのが、転職エージェントの存在です。 あわせて読みたい
転職といっても、いきなり病院を辞める必要はありません。
まずは「非常勤で別の診療科を経験する」「臨床以外の働き方を探ってみる」といった、段階的な選択肢もあります。
医師専門の転職エージェント「メッドアイ」に相談すれば、非公開求人やライフスタイルに合った働き方の提案を受けられることも多く、転職の選択肢を大きく広げることも可能です。
まとめ(医者の仕事がつまらないと感じる理由)
仕事にやりがいが感じられず「つまらない」と感じている医師は意外と多いものです。
その背景には、長い労働時間による激務、患者一人ひとりに向き合えていないという気持ち、職場の環境の問題などいろいろあります。
解決するためには、最初にどうして「つまらない」と感じているのかを冷静に分析することが重要です。
キャリアプラン通りに進んでいない、もしくはキャリアプランが自分に合っていない可能性もあるかもしれません。
原因を明確にして解決するために、新たな目標を持ったり、転職で環境をリセットしたりするという決断も有効な選択肢です。
医師にとって転職は、不利な要素でもなんでもなく、むしろ医師としてのキャリアアップにもつながる行動です。
医師としてのキャリアに悩んだ時は、一人で抱え込まず、信頼できる転職エージェントに相談してみてください。
「メッドアイ」では、キャリア相談から求人紹介、転科のサポートまで、医師専門のキャリアアドバイザーがあなたに合った提案を行います。