- 医師の平均年収は?
- 年齢別、経営母体別、都道府県別など色々知りたい
- 自身の適正年収を知りたい
今回はこのような疑問を抱えている方に向けて、プロの転職エージェントが医師の平均年収や経営母体別・都道府県別の平均年収を詳しく解説します。
また、医師専用の適正年収診断コンテンツを用意していますので、ご自身の適正年収を知って、転職やアルバイトを検討する際にお役立てください。
医師の平均年収は?
厚生労働省の「令和3年度賃金構造基本統計調査」というデータによると、医師の平均年収は1,378.3万円でした。
また、男性医師の平均年収は約1,227万円、女性医師の平均年収は約1,016万円です。
勤務先別の平均年収
医師の平均年収は、勤務先によって大きく異なります。
経営母体別の平均年収は以下の通りです。
順位 | 分類 | 医師の平均年収 |
---|---|---|
1 | その他 (公益法人、学校法人、医療生協、その他の法人) | 1,535万円 |
2 | 医療法人 (医療法人である民間病院など) | 1,506万円 |
3 | 公立 (都道府県立、市町村立などの病院) | 1,472万円 |
4 | 社会保険関係法人 (健康保険組合・連合会、共済組合・連合会など) | 1,427万円 |
5 | 公的 (日赤、済生会、北海道社会事業協会、厚生連など) | 1,384万円 |
6 | 国立 (国、国立病院機構、国立大学法人など) | 1,323万円 |
7 | 診療所 (入院診療収益のある診療所を含む) | 1,078万円 |
情報引用:https://www.doctor-agent.com/contents-career/annual-income#keiei あわせて読みたい
1位の学校法人、2位の医療法人の平均年収は1,500万円台で、厚生労働省調査の年収より約200万円多いことがわかります。7位の診療所勤務の医師との差は約500万円に上ります。
大学病院勤務では、国立か私立かで約200万円の年収の差がある状態です。
年齢別の平均年収
ここでは年代別の平均年収を見てみましょう。年代別の平均年収中央値は以下の通りです。
年代 | 男女合計 |
---|---|
25~29歳 | 980万円 |
30~34歳 | 1,170万円 |
35~39歳 | 1,350万円 |
40~44歳 | 1,440万円 |
45~49歳 | 1,500万円 |
50~54歳 | 1,600万円 |
55~59歳 | 1,601万円 |
60~64歳 | 1,582万円 |
65~69歳 | 1,400万円 |
70~74歳 | 1,200万円 |
情報引用:https://www.doctor-agent.com/contents-career/annual-income#keiei
医師としての経験を積む20代は年収が低いですが、その後30代頃から徐々に年収アップし、55〜59歳にピークを迎えることがわかります。
医師の場合、20代は医学部を卒業した後に研修医として働く期間です。そのため20代医師の給料は低くなります。 あわせて読みたい あわせて読みたい
30歳代になると、多くの医師は専門医資格を取得しており、サブスペシャルティ領域(基本領域の専門医を取得したあとに目指す専門的で範囲の狭い領域)などの資格も生かしながら現場の第一線で活躍するようになります。医療現場では大きな戦力となり、当直や残業も増え、手当がつくことで年収も上がりやすくなる時期です。 あわせて読みたい
また、30代はライフイベントが起きやすい年齢です。家族との時間を優先する働き方にシフトチェンジする方もいるため、キャリアと働き方で収入にも差が出てくるでしょう。
40代は、30代での経験を生かして組織のまとめ役になるなど、責任のある立場に就く年代です。大学病院勤務(医局)の場合は、講師や准教授、関連病院の部長、市中病院であれば医長や部長などに就任していきます。管理職や人材育成・教育を任されることで、年収も増加していく時期です。 あわせて読みたい
50代になると、経験豊富なベテラン医師として活躍するようになり、さまざまな役職に就きます。医局所属では教授、市中病院では副院長や院長といった病院経営に携わる立場が見えてくるころです。50代は院長や教授などの役職も多くなり、年収もピークを迎えます。
60代になると、年収は低くなる傾向です。民間病院の場合は定年制を廃止している病院もありますが、国立病院機構は医師の定年を65歳に定めています。
定年後の再雇用による年収ダウンや介護老人保護施設や療養型病院への転職などによって、年収は下降していきます。
70代では、年収がより下がる傾向です。70代で年収1,000万円をキープできる医師の希少性の高さがわかります。 あわせて読みたい
【都道府県別】医師の年収ランキング
年収は勤務する都道府県によっても異なります。
都道府県別年収ランキングを見ていきましょう。
順位 | 都道府県 | 年収中央値 |
---|---|---|
1 | 山口県 | 1,800万円 |
2 | 北海道 | 1,700万円 |
3 | 高知県 | 1,696万円 |
4 | 三重県 | 1,670万円 |
5 | 宮城県 | 1,650万円 |
6 | 鹿児島県 | 1,625万円 |
7 | 茨城県 | 1,600万円 |
7 | 千葉県 | 1,600万円 |
7 | 静岡県 | 1,600万円 |
10 | 岐阜県 | 1,600万円 |
11 | 福島県 | 1,580万円 |
12 | 愛媛県 | 1,551万円 |
13 | 埼玉県 | 1,530万円 |
14 | 富山県 | 1,500万円 |
14 | 奈良県 | 1,500万円 |
14 | 熊本県 | 1,500万円 |
17 | 沖縄県 | 1,493万円 |
18 | 兵庫県 | 1,475万円 |
19 | 栃木県 | 1,470万円 |
20 | 福井県 | 1,450万円 |
21 | 滋賀県 | 1,437万円 |
22 | 広島県 | 1,432万円 |
23 | 神奈川県 | 1,412万円 |
24 | 大阪府 | 1,401万円 |
25 | 新潟県 | 1,400万円 |
25 | 宮崎県 | 1,400万円 |
27 | 東京都 | 1,396万円 |
28 | 大分県 | 1,384万円 |
29 | 群馬県 | 1,360万円 |
30 | 石川県 | 1,352万円 |
31 | 香川県 | 1,320万円 |
31 | 長崎県 | 1,320万円 |
33 | 福岡県 | 1,317万円 |
34 | 山梨県 | 1,300万円 |
34 | 徳島県 | 1,300万円 |
36 | 京都府 | 1,270万円 |
37 | 佐賀県 | 1,248万円 |
38 | 愛知県 | 1,206万円 |
39 | 鳥取県 | 1,200万円 |
40 | 岡山県 | 1,140万円 |
41 | 和歌山県 | 1,118万円 |
42 | 長野県 | 1,100万円 |
情報引用:https://www.doctor-agent.com/contents-career/annual-income#keiei
一般的な企業では、都市部の方が収入は多くなる傾向があります。しかし医師の場合は上記の通り、トップ10は東京都や大阪府のような大都市ではなく、山口県、北海道、高知県のような地方都市でした。地方都市の方が高収入になる傾向があるのはなぜでしょうか。
理由は、地方の深刻な医師不足です。医師を確保するために給与水準を高く設定する必要があります。
ランキング2位の北海道では、都市部の札幌市周辺に道内の医師のほとんどが集中しています。面積も広く、医師不足が問題となっている地域が多いのが現状です。
医師が年収アップを狙う場合は、地方や都市部の離島・僻地などの医師不足のある地域が狙い目と言えます。若い医師でも高額の年収が期待でき、地域医療に興味のある医師にとってはメリットだと言えるでしょう。 あわせて読みたい
ランキング24位の大阪府や27位の東京都などの都市部は、地方と比べて圧倒的に医師数が多く、医療機関も充実しています。医師の求人も多いため、より自分にあった就職先を見つけやすいエリアと言えるでしょう。
一方、医療機関側は高い報酬を提示しなくても人材確保がしやすいため、平均年収は地方都市より低くなる傾向があります。
適正年収とは?適正年収を診断する
適正年収とは、今のキャリアの価値に見合った年収のことです。
適正年収と実際の年収を比べて、今後のキャリア形成に役立てることが大切です。
医師という職業は、資格や技術が年収に影響する職業だと言えます。
同じようなキャリアを積んできた他の医師がどの程度の収入を実際に得ているのかを知ることで、自身のスキルが他の医師と比べてどうなのかを知るきっかけにもなるでしょう。
転職を考えている方でしたら、現在の適正年収を把握することで、転職先に求める年収の基準がわかります。
また、アルバイトを増やして年収を上げるという意欲に繋がる方もいるでしょう。
適正年収を知ることは、自身のキャリア形成に重要なことだと言えるのです。
適正年収を知りたい医師のために、医師専用の適正年収診断を用意しました。
※診断結果は、労働政策研究・研修機構が調査したデータ等を元に独自の計算方式で算出した金額です。実際の市場価値を表したものではありません。
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医師が年収を上げる方法3選
医師が年収を上げるには、以下の3つの方法がおすすめです。
- アルバイトで副収入を得る
- 条件の良い職場への転職
- 開業医になる
具体的な方法について解説します。
①アルバイトで副収入を得る
2012年に労働政策研究・研修機構が実施した「勤務医の就労実態と意識に関する調査」によると、「前月に勤務した病院の勤務先数」は2か所以上との回答が52.1%と半数以上でした。
複数の勤務先で働く理由は「収入を増やしたいから」という回答が48.1%と最多でした。勤務先からの指示や、医師が不足している専門科の病院からの要請などもありますが、多くの医師が収入を増やす目的でアルバイトしていることがわかります。
経験や仕事内容によって異なりますが、時給は1万円前後のものが多くあります。 あわせて読みたい
時給1万円の非常勤アルバイトをした場合の副収入を試算してみましょう。
1日8時間、週1回の勤務だとすると、月収は32万円、年収にすると384万円の収入増が見込めます。
②条件のいい職場へ転職
アルバイトや節税をすることも収入を増やすためには大切なことですが、そもそも常勤先の収入を上げることも年収アップには大切です。
医師の生涯転職回数の平均は3.8回で、多くの医師が転職を経験しています。
以下の表は、医師の転職理由のランキングです。
順位 | 転職理由 |
---|---|
1 | 激務 |
2 | 収入を増やしたい |
3 | キャリア・スキルアップをしたい |
転職理由にはさまざまなものがありますが、1位の「激務」に次いで、「収入を増やしたい」という回答は2番目に多いことがわかります。
医師の年収は、働く地域や医療機関によって大きく異なります。そのため、医師の転職は収入を増やしたいという理由が少なくありません。
年収をアップしたいと考えている医師には、転職をおすすめします。
医師の年収アップが期待できる方法の一つに、開業医として活躍する道もありますが、開業には金銭的なリスクもあり、転職よりもハードルが高い選択肢です。
アルバイトで副収入を得ながら今の職場で働き続けることもできますが、体力的な限界も考えると、転職で年収を上げる方が根本的な解決になるでしょう。
転職する際には、より給与水準が高く、より労働環境や条件のよい転職をしたいと考える方は少なくないでしょう。
納得のいく転職を実現するには、医療専門職に特化した転職エージェントを利用することがおすすめです。
転職エージェントの「メッドアイ」なら、ドクターの転職に特化したアドバイスや求人情報を掲示するなどのサポートを受けられます。また、転職市場の動向をもとに自分の市場価値を把握することもできます。
いまの給与に不満があり、転職を考えている方は、ぜひ登録してみてください。
③開業医になる
転職やアルバイト以外に年収を上げる方法としては、開業するという選択肢があります。
診療科にもよりますが、開業医になることで平均年収を1.5〜3倍まで上げることも可能です。
開業するには、開業資金の調達や、開業地や物件の検討、申請に関する書類の手配など、やるべきことがたくさんあります。
開業を目指す場合は計画的に進められるよう事前の準備が必要になるでしょう。
開業について、詳しくは以下の記事で紹介しているので、ぜひこちらも参考にしてください。 あわせて読みたい あわせて読みたい
まとめ(医師の平均年収)
今回は、医師の平均年収について紹介しました。
医師の平均年収は1,378.3万円です。
勤務医の場合は勤務する病院の経営母体によって年収が大きく異なり、最大で約500万円の差があります。
平均年収には年齢も大きく関係しており、医師としての経験が浅い20代は年収が低い傾向です。
働くエリアによっても年収には差があります。
東京都や大阪府のような都市部は、医師が集中しており、給与が低くても人材確保がしやすいことから地方より年収が低めです。
一方、医師不足が深刻な地方の医療機関では、人材確保のために給与は高めに設定されています。
医師が年収を上げるためには、非常勤アルバイトや転職、開業医になる方法があります。
より条件のよい職場へ転職する際には、転職エージェントを利用するのがおすすめです。
転職エージェントの「メッドアイ」なら、医師の転職に特化したアドバイスや求人情報を掲示するなどのサポートを受けられます。また、転職市場の動向をもとに自分の市場価値を把握することもできます。
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