- 医師の平均年収は?
- 年齢別、経営母体別、都道府県別など色々知りたい
- 自身の適正年収を知りたい
今回はこのような疑問を抱えている方に向けて、プロの転職エージェントが医師の平均年収や経営母体別・都道府県別の平均年収を詳しく解説します。
また、医師専用の適正年収診断コンテンツを用意していますので、ご自身の適正年収を知って、転職やアルバイトを検討する際にお役立てください。
医師の平均年収は?
厚生労働省の「令和6年度賃金構造基本統計調査」というデータによると、医師の平均年収は1,338万円でした。
また、男性医師の平均年収は約1,449万円、女性医師の平均年収は約1,039万円です。
勤務先別の平均年収
医師の平均年収は、勤務先によって異なります。
経営母体別の平均年収は以下の通りです。
経営母体 | 医師の平均年収 |
---|---|
国立 | 1,410万円 |
公立 | 1,455万円 |
公的 | 1,451万円 |
社会保険関係法人 | 1,282万円 |
医療法人(民間) | 1,498万円 |
その他(学校法人等) | 1,463万円 |
参考:厚生労働省「第24回医療経済実態調査 (医療機関等調査) 報告」 あわせて読みたい
医療法人(民間)が1位で平均年収1,498万円、次いで学校法人などのその他が1,463万円と高水準となっています。
最も低い社会保険関係法人(1,282万円)との差は200万円以上にのぼります。
また、国立(1,410万円)と公立(1,455万円)、公的(1,451万円)との間では大きな差は見られず、経営母体による年収差は限定的であることがわかります。
年齢別の平均年収
ここでは年代別の平均年収を見てみましょう。年代別の平均年収中央値は以下の通りです。
年齢 | 男性平均年収 | 女性平均年収 |
---|---|---|
30〜34歳 | 931万円 | 747万円 |
35〜39歳 | 1,226万円 | 1,522万円 |
40〜44歳 | 1,502万円 | 1,000万円 |
45〜49歳 | 1,934万円 | 1,291万円 |
50〜54歳 | 1,872万円 | 1,452万円 |
55〜59歳 | 2,013万円 | 1,569万円 |
60〜64歳 | 1,933万円 | 1,541万円 |
65〜69歳 | 1,866万円 | 761万円 |
70歳〜 | 1,560万円 | 1,455万円 |
参考:厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」(職種「医師」企業規模10人以上・きまって支給する現金給与額×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額で計算)
医師の年収は30代から上昇し、55〜59歳で男性2,013万円・女性1,569万円とピークを迎えることがわかります。 あわせて読みたい あわせて読みたい
医師の場合、20代は医学部卒業後に研修医として勤務する期間であり、年収は低く抑えられます。
30〜34歳では男性931万円・女性747万円と年収が上がり始め、35〜39歳では男性1,226万円に対し女性1,522万円と、女性の方が高くなる傾向も見られます。 あわせて読みたい
専門医資格を取得して現場の戦力となる時期であり、当直や残業手当の増加も収入アップに影響します。また、結婚や出産といったライフイベントによって働き方に差が出るため、収入格差も生じやすい年代です。
40代に入ると、男性は1,500万円前後、女性は1,000万円前後となり、組織のまとめ役や教育を担う立場に就くことで責任が増し、年収もさらに上がります。
50代はベテラン医師として管理職や経営層に就くケースが多く、男性1,872万〜2,013万円、女性1,452万〜1,569万円と高水準となり、年収のピークを迎えます。
60代になると再雇用や役職引退の影響で年収は下がり、65歳前後で定年を迎えるケースが一般的です。男性は1,900万円台から減少し、女性も1,500万円前後に落ち着いていきます。
70歳以上では男女とも1,500万円台まで下がりますが、なお高い水準を維持していることがわかります。特に男性1,560万円、女性1,455万円と、一般的な高齢労働者と比べても医師の収入は依然として高い水準にあります。 あわせて読みたい
【都道府県別】医師の年収ランキング
年収は勤務する都道府県によっても異なります。
都道府県別年収ランキングを見ていきましょう。
男女計 順位 | 都道府県 | 男女計 勤務医の平均年収 | 男性勤務医の平均年収 | 女性勤務医の平均年収 |
---|---|---|---|---|
1 | 岩手県 | 2,474.64万円 | 2,474.64万円 | データなし |
2 | 北海道 | 1,923.2万円 | 1,906.15万円 | 2,065.48万円 |
3 | 鹿児島県 | 1,899.7万円 | 2,014.56万円 | 1,424.8万円 |
4 | 福島県 | 1,880.14万円 | 1,889.17万円 | 1,804.09万円 |
5 | 青森県 | 1,858.65万円 | 1,915.02万円 | 1,199.8万円 |
6 | 福岡県 | 1,855.2万円 | 1,905.04万円 | 699.23万円 |
7 | 山口県 | 1,854.65万円 | 2,031.33万円 | 1,210.09万円 |
8 | 広島県 | 1,789.54万円 | 1,903.86万円 | 1,252.27万円 |
9 | 沖縄県 | 1,751.63万円 | 1,740.28万円 | 1,776.87万円 |
10 | 徳島県 | 1,747.59万円 | 1,918.46万円 | 1,369.29万円 |
11 | 兵庫県 | 1,700.75万円 | 1,728.27万円 | 1,406.58万円 |
12 | 新潟県 | 1,688.54万円 | 1,822.14万円 | 1,445.65万円 |
13 | 愛媛県 | 1,664.73万円 | 1,879.72万円 | 1,364.31万円 |
14 | 長崎県 | 1,645.04万円 | 1,724.91万円 | 1,277.51万円 |
15 | 大阪府 | 1,622.11万円 | 1,682.19万円 | 1,394.5万円 |
16 | 岡山県 | 1,621.36万円 | 1,759.41万円 | 1,031.47万円 |
17 | 群馬県 | 1,610.68万円 | 1,630.03万円 | 1,516.54万円 |
18 | 埼玉県 | 1,568.28万円 | 1,602.14万円 | 1,475.万円 |
19 | 高知県 | 1,537.66万円 | 1,524.7万円 | 1,585.47万円 |
20 | 山形県 | 1,530.64万円 | 1,650.27万円 | 655.6万円 |
21 | 島根県 | 1,508.81万円 | 1,605.61万円 | 1,205.23万円 |
22 | 鳥取県 | 1,478.5万円 | 1,584.68万円 | 647.03万円 |
23 | 静岡県 | 1,472.69万円 | 1,504.27万円 | 1,283.68万円 |
24 | 大分県 | 1,472.48万円 | 1,532.49万円 | 1,266.96万円 |
25 | 熊本県 | 1,466.58万円 | 1,690.28万円 | 960.09万円 |
26 | 長野県 | 1,455.48万円 | 1,653.32万円 | 1,127.19万円 |
27 | 佐賀県 | 1,445.76万円 | 1,548.69万円 | 1,016.36万円 |
28 | 秋田県 | 1,429.92万円 | 1,480.97万円 | 1,271.92万円 |
29 | 香川県 | 1,423.3万円 | 1,450.92万円 | 517.44万円 |
30 | 宮崎県 | 1,406.76万円 | 1,461.21万円 | 1,219.19万円 |
31 | 京都府 | 1,402.04万円 | 1,557.32万円 | 1,081.13万円 |
32 | 滋賀県 | 1,389.05万円 | 1,455.62万円 | 1,119.3万円 |
33 | 山梨県 | 1,381.56万円 | 1,524.08万円 | 275.04万円 |
34 | 千葉県 | 1,365.68万円 | 1,551.71万円 | 916.02万円 |
35 | 茨城県 | 1,361.08万円 | 1,556.34万円 | 923.86万円 |
36 | 石川県 | 1,357.79万円 | 1,675.12万円 | 447.84万円 |
37 | 栃木県 | 1,346.09万円 | 1,464.23万円 | 1,081.77万円 |
38 | 三重県 | 1,331.44万円 | 1,533.97万円 | 743.23万円 |
39 | 神奈川県 | 1,320.29万円 | 1,252.5万円 | 1,461.97万円 |
40 | 奈良県 | 1,318.68万円 | 1,360.29万円 | 1,153.18万円 |
41 | 富山県 | 1,300.56万円 | 1,377.6万円 | 1,072.96万円 |
42 | 和歌山県 | 1,274.57万円 | 1,319.95万円 | 1,084.72万円 |
43 | 福井県 | 1,244.84万円 | 1,365.62万円 | 419.89万円 |
44 | 岐阜県 | 1,228.56万円 | 1,295.23万円 | 915.42万円 |
45 | 愛知県 | 1,154.57万円 | 1,232.69万円 | 870.88万円 |
46 | 宮城県 | 1,052.91万円 | 1,103.26万円 | 809.72万円 |
47 | 東京都 | 920.55万円 | 965.82万円 | 857.03万円 |
参考:「令和6年賃金構造基本統計調査」(都道府県・職種「医師」男女計・きまって支給する現金給与額×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額で計算)
一般的な企業では都市部の方が収入は高くなる傾向があります。しかし医師の場合は逆で、トップ10に入ったのは東京都(47位・920万円)や大阪府(15位・1,622万円)のような大都市ではなく、岩手県(1位・2,474万円)、北海道(2位・1,923万円)、鹿児島県(3位・1,899万円)といった地方が中心でした。
地方の方が医師の年収が高くなるのは、深刻な医師不足が背景にあります。
医師を確保するために、病院側が給与水準を高く設定せざるを得ないのです。
ランキング2位の北海道では、医師の多くが札幌市など都市部に集中しており、道内の広い地域では医師不足が深刻化しています。こうした地域では医師に高い年収を提示する傾向が強くなります。
医師が年収アップを狙うのであれば、地方や離島・僻地など医師不足のある地域が有力です。若手医師でも高収入を得やすく、地域医療に貢献できる点も大きなメリットといえます。
一方で、東京(47位・920万円)や大阪(15位・1,622万円)といった大都市部は医師数が多く、医療機関も充実しています。求人も豊富で就職先を選びやすいものの、病院側は高い給与を提示しなくても人材を確保できるため、平均年収は地方より低くなる傾向にあります。 あわせて読みたい
適正年収とは?適正年収を診断する
適正年収とは、現在のキャリアやスキルに見合った年収のことを指します。実際の年収と適正年収を比較することで、今後のキャリア形成や年収アップの戦略に役立てることができます。
医師は資格や経験、専門性が年収に大きく影響する職業です。同じキャリアを歩んできた他の医師の年収を知ることで、自分のスキルや市場価値を客観的に把握することができます。
転職を検討している場合は、適正年収を知ることで希望する転職先の給与目安を明確にできます。また、アルバイトや副業で収入を増やす際の判断材料としても役立ちます。適正年収を理解することは、医師としてのキャリア形成において非常に重要です。
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※診断結果は、労働政策研究・研修機構のデータなどを基に独自計算した目安であり、実際の市場価値を保証するものではありません。公式LINEをお友達登録後、メニュー右上より「年収診断」をタップしてご利用ください。
医師が年収を上げる方法3選
医師が年収を上げるには、以下の3つの方法がおすすめです。
- アルバイトで副収入を得る
- 条件の良い職場への転職
- 開業医になる
具体的な方法について解説します。
①アルバイトで副収入を得る
2012年に労働政策研究・研修機構が実施した「勤務医の就労実態と意識に関する調査」によると、「前月に勤務した病院の勤務先数」は2か所以上との回答が52.1%と半数以上でした。
複数の勤務先で働く理由は「収入を増やしたいから」という回答が48.1%と最多でした。勤務先からの指示や、医師が不足している専門科の病院からの要請などもありますが、多くの医師が収入を増やす目的でアルバイトしていることがわかります。
経験や仕事内容によって異なりますが、時給は1万円前後のものが多くあります。
時給1万円の非常勤アルバイトをした場合の副収入を試算してみましょう。
1日8時間、週1回の勤務だとすると、月収は32万円、年収にすると384万円の収入増が見込めます。
②条件のいい職場へ転職
アルバイトや節税をすることも収入を増やすためには大切なことですが、そもそも常勤先の収入を上げることも年収アップには大切です。
医師の生涯転職回数の平均は3.8回で、多くの医師が転職を経験しています。
以下の表は、医師の転職理由のランキングです。
順位 | 転職理由 |
---|---|
1 | 激務 |
2 | 収入を増やしたい |
3 | キャリア・スキルアップをしたい |
転職理由にはさまざまなものがありますが、1位の「激務」に次いで、「収入を増やしたい」という回答は2番目に多いことがわかります。
医師の年収は、働く地域や医療機関によって大きく異なります。そのため、医師の転職は収入を増やしたいという理由が少なくありません。
年収をアップしたいと考えている医師には、転職をおすすめします。
医師の年収アップが期待できる方法の一つに、開業医として活躍する道もありますが、開業には金銭的なリスクもあり、転職よりもハードルが高い選択肢です。
アルバイトで副収入を得ながら今の職場で働き続けることもできますが、体力的な限界も考えると、転職で年収を上げる方が根本的な解決になるでしょう。
転職する際には、より給与水準が高く、より労働環境や条件のよい転職をしたいと考える方は少なくないでしょう。
納得のいく転職を実現するには、医療専門職に特化した転職エージェントを利用することがおすすめです。
転職エージェントの「メッドアイ」なら、ドクターの転職に特化したアドバイスや求人情報を掲示するなどのサポートを受けられます。また、転職市場の動向をもとに自分の市場価値を把握することもできます。
いまの給与に不満があり、転職を考えている方は、ぜひ登録してみてください。
③開業医になる
転職やアルバイト以外に年収を上げる方法としては、開業するという選択肢があります。
診療科にもよりますが、開業医になることで平均年収を1.5〜3倍まで上げることも可能です。
開業するには、開業資金の調達や、開業地や物件の検討、申請に関する書類の手配など、やるべきことがたくさんあります。
開業を目指す場合は計画的に進められるよう事前の準備が必要になるでしょう。
開業について、詳しくは以下の記事で紹介しているので、ぜひこちらも参考にしてください。 あわせて読みたい あわせて読みたい
まとめ(医師の平均年収)
今回は、医師の平均年収について紹介しました。
医師の平均年収は1,378.3万円です。
勤務医の場合は勤務する病院の経営母体によって年収が大きく異なり、最大で約500万円の差があります。
平均年収には年齢も大きく関係しており、医師としての経験が浅い20代は年収が低い傾向です。
働くエリアによっても年収には差があります。
東京都や大阪府のような都市部は、医師が集中しており、給与が低くても人材確保がしやすいことから地方より年収が低めです。
一方、医師不足が深刻な地方の医療機関では、人材確保のために給与は高めに設定されています。
医師が年収を上げるためには、非常勤アルバイトや転職、開業医になる方法があります。
より条件のよい職場へ転職する際には、転職エージェントを利用するのがおすすめです。
転職エージェントの「メッドアイ」なら、医師の転職に特化したアドバイスや求人情報を掲示するなどのサポートを受けられます。また、転職市場の動向をもとに自分の市場価値を把握することもできます。
今の給与に不満があり、転職を考えている方は、ぜひ登録してみてください。