大学病院には、私立大学病院と国立大学病院があります。
理念や経営方針はもちろん、給与体系などの待遇面なども病院によって異なります。
- 医師の各科毎の給料ランキングが知りたい
- 大学病院勤務医の給料事情が知りたい
- 大学病院医師給料を上げる方法を知りたい
今回はこのような疑問をお持ちの方に向けて、プロの転職エージェントが詳しく解説します。
大学病院と民間病院との違いや、大学病院の医師が年収をアップさせる方法も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
大学病院医師の平均給与
ここでは、大学病院に勤務する医師の平均給与について紹介します。
医師全体の平均年収は約1,378.3万円
厚生労働省の「令和3年度賃金構造基本統計調査」によると、全国の医師の平均年収は1,378.3万円です。
大学病院に勤務する医師を見ると、私立大学病院の平均年収は約1,000万円、国立大学病院の平均年収は約800万円でした。
国立大学病院医師の平均年収は、全国平均と比較すると約500万円の差があります。大学病院医師の平均年収は低いと言えます。
役職別の給与(講師、助教授、教授)
大学病院では医局という講座があり、講師、助教授、教授(医局長)という役職があります。
それぞれの平均年収は、下記です。
- 講師:約700万円
- 助教授:約800万円
- 教授(医局長):約1,000万円
民間病院の医師の年収は、20代前半〜30代前半で約600〜800万円です。
大学病院の講師の平均年齢は30代半ばから40代ですから、大学病院で役職に就いていても民間病院より年収が低いことがわかります。
研修医の年収は300-400万円
研修医とは、医学部を卒業して2年以内の医師です。
大学病院の研修医の年収は300〜400万円で、民間病院の研修医と大きな差はありません。
医師として活躍するための経験を積む期間であるため、研修医の平均年収は全体的に低い傾向があります。 あわせて読みたい
大学病院医師の平均年収が低い理由
大学病院の医師の年収は低めであることがわかりましたが、なぜ低いのでしょうか。
大学病院は研究や医師の育成を目的としている医療機関で、診療による利益の追求を求めない前提条件があります。
そのため、運営予算に対する人件費の割合は低く設定されており、勤務医の平均年収も低くなる傾向があるためです。
特に国立大学病院は、厚生労働省が管轄する公的機関であることが医師の給与にも影響しています。国民全体のメリットとなる医学研究や高度医療の実践が求められているため、医師の年収は私立大学病院よりもさらに低い傾向です。 あわせて読みたい
診療科ごとの医師給料ランキング
ここでは、全国の各診療科の給料ランキングを見ていきましょう。
以下は平均年収の表です。
順位 | 診療科 | 平均年収 |
---|---|---|
1 | 脳神経外科 | 1,480万円 |
2 | 産科・婦人科 | 1,466万円 |
3 | 外科 | 1,374万円 |
4 | 麻酔科 | 1,335万円 |
5 | 整形外科 | 1,289万円 |
6 | 呼吸器科・消化器科・循環器科 | 1,267万円 |
7 | 内科 | 1,247万円 |
8 | 精神科 | 1,230万円 |
9 | 小児科 | 1,220万円 |
10 | 救急科目 | 1,215万円 |
11 | その他 | 1,171万円 |
12 | 放射線科 | 1,103万円 |
13 | 眼科・耳鼻咽喉科・泌尿器科・皮膚科 | 1,078万円 |
1位の脳神経外科医と最下位の眼科・耳鼻咽喉科・泌尿器科・皮膚科医の年収を比べると約400万円の差があります。
脳神経外科の年収が高い理由は、繊細で高度なスキルが必要であること、脳卒中などの緊急を要する治療のため常にオンコールに備えていること、それに伴い時間外勤務も多いことなどが挙げられます。
一方、眼科には外科のような緊急性のある治療は少なく、常にオンコールに備える必要性がないため平均年収は低くなっています。
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仕事と収入のバランスは民間病院の方がよい
大学病院は規模が大きく、入院機能を有する医療機関としての役割だけでなく、医学発展と後進育成のための研究教育機関としての役割もあるのが特徴です。
そのため、最新の医療機器や医療技術が備わっており、最新の技術を使った研究や診療を経験できます。
大学病院は医師が多く勤務しているため、年数の浅い医師は給料の出ない雑用に回されることもあります。
また、医学生や研修医の指導もあり、実際の現場でのスキルアップや年収アップがしにくくなっているのも現状です。
民間病院医師の平均年収は1,168万円です。大学病院のような最新の設備はありませんが、医師も看護師も最低限の人数しかいないため、勤務年数が浅くてもすぐに現場に出られます。また医師ひとりでたくさんの患者様を診療する機会もあるため収入アップもしやすくなります。
このことから、現場のスキルを磨きたい医師や、年収をアップさせたい医師は民間病院での勤務が合っていると言えるでしょう。
大学病院勤務の医師が年収を上げるためには
ここでは、大学病院の医師が年収を上げるための方法を紹介します。
①アルバイトで副収入を得る
2012年に労働政策研究・研修機構が実施した「勤務医の就労実態と意識に関する調査」によると、「前月に勤務した病院の勤務先数」は2か所以上との回答が52.1%と半数以上でした。
複数の勤務先で働く理由を尋ねると、「収入を増やしたいから」という回答がもっとも多く、48.1%でした。
勤務先からの指示であったり、医師が不足している専門科の病院からの要請などの事情もありますが、多くの医師が同じ目的でアルバイトしているのです。
時給1万円の非常勤アルバイトをした場合の年収例をご紹介します。 あわせて読みたい
1日8時間、週1回の勤務だとすると月収は32万円、年収にすると384万円の収入となり、年収アップを見込めます。
②民間病院へ転職する
医師のアルバイトは高額で有名です。しかし、大学病院の医者は外勤の施設や規則が厳しく、自由に働けないのが実情です。
「年収をアップさせたい」「スキルアップをしたい」とお考えの方には転職することをおすすめします。
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まとめ(大学病院の医師の給料ランキング)
今回は大学病院医師の年収について紹介しました。
全国の医師の平均年収は1,378.3万円です。
大学別の平均年収は、私立大学は約1,000万円、国立大学は約800万円です。
大学病院には医局という講座があり、役職が存在します。
平均年収は、講師は約700万円、助教授は約800万円、教授は約1,000万円です。
大学病院の研修医の年収は300〜400万円で、民間病院の研修医と大きな差はありません。
大学病院は研究や医師の育成を目的としている医療機関で、診療による利益の追求を求めない前提条件があるため、勤務医の年収は低い傾向にあります。
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