麻酔科医は、手術中の患者さんの全身管理などを行うスペシャリストで、専門的な知識と高いスキルが必要な医師です。
そのため、有能な麻酔科医はニーズが高く、多くの医療現場においても慢性的に売り手市場が続いています。
では、そんな麻酔科医への転職では、具体的にどのようなことに気を付ければよいのでしょうか?
「麻酔科医として転職を考えているけど、転職先はどんな所があるのか知りたい」
「麻酔科医は不足してるから転職しやすいみたいだけど、実際の労働環境はどうなんだろう」
「麻酔科医として転職して年収を上げたい」
今回はこのような考えをお持ちの方に向けて、医師専門の転職エージェントが麻酔科医の転職先の候補や麻酔科医へ転職する際のポイントなどについて詳しく解説します。
転職に役立つ情報もご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
麻酔科医は人手不足!だからこそ転職がしやすい
麻酔科医は人手不足で、転職がしやすい状況となっています。
人手不足である主な原因は、大きく分けて以下の3つです。
- 需要の増大
- 新臨床研修制度の導入
- 労働環境が過酷
需要の増大
1つ目は、需要の増大です。
これは、単純に手術件数が増加したことによって、既存の麻酔科医の数では足りないという問題が発生していることによります。
また、近年では医療の現場により安全性を求められる傾向が強くなっていることから、レベルの高い麻酔科医の需要が高まっているとも考えられます。 あわせて読みたい
新臨床研修制度の導入
2つ目は、新臨床研修制度の導入です。
新臨床研修制度とは、医師の地域差による偏りをなくすために導入された制度で、都市部の大学病院以外での研修医の数を増やすことを目的として施行されました。
しかし、この制度の導入により、大学病院で研修を行う医師が減少し、大学病院から医師が派遣されることが少なくなるという逆作用が発生してしまったのです。
従って、他の診療科と同様に、現場に派遣される麻酔科医の数も減少しているという状況です。
労働環境が過酷
3つ目は、労働環境が過酷なことです。
麻酔科医は他の科との連携なども多いことから、長時間の激務になりがちな印象が根強くあります。
実際問題として、長時間に及ぶ手術や患者さんの命に係わる業務の性質上、体力的・精神的にハードな診療科であることは否めません。
そのため、就職や転職を希望する医師の数が他の診療科と比べて少ないという現状にあります。
しかし、近年はそのような労働環境は改善されつつあり、人手不足がゆえに当直・オンコールが免除されるなどのメリットも存在します。 あわせて読みたい
麻酔科は将来性がある!転職でキャリアアップできる3つの理由
麻酔科は、将来性がある診療科になります。
転職でキャリアアップできる大きな理由は、以下の3つです。
- ニーズの増加
- 好条件での求人の増加
- 女性医師の増加
ニーズの増加
1つ目は、ニーズの増加です。
先述したとおり、麻酔科医は慢性的な人手不足に陥っています。
高齢患者が増えることによる手術件数の増加からも、ニーズは今後もますます高まっていくことが予想されます。
好条件での求人の増加
2つ目は、好条件での求人の増加です。
過酷なイメージの診療科であることから人が定着しにくいため、待遇を改善している求人が多い傾向にあります。
特に、医師の数が少ない地方の医療機関などでは、高待遇で迎え入れるケースもしばしば見受けられます。
女性医師の増加
3つ目は、女性医師の増加です。
元々麻酔科は女性医師が多いですが、近年ではさらに増加の傾向にあります。
女性が多い現場ということで、女性としても働きやすい環境が整っていることは大きな特徴です。
性差による待遇の違いをなくし、多様な人材を取り入れていることも、麻酔科の将来性の高さの裏付けとなります。 あわせて読みたい
麻酔科医の転職先にはどこがある?
麻酔科医の主な転職先は、以下の3つです。
- 総合病院などの大病院
- クリニック
- 在宅医療機関
総合病院などの大病院
1つ目は、総合病院などの大病院です。
大病院では担当する手術の件数も多く、重篤な患者さんや緊急の患者さんの対応をすることもしばしばあります。
夜勤や当直業務、オンコール対応も発生するなど、多くの医療機関の中でも過酷な現場です。
しかし、手当が厚く年収アップが見込めることや、最新の医療に触れることができるといったメリットがあります。 あわせて読みたい
クリニック
2つ目は、クリニックです。
他の診療科のクリニック(診療所)にて勤務する場合や、患者さんの「痛み」に特化した専門のクリニックで勤務する場合があります。
勤務体系は日勤がメインで、夜間業務やオンコール対応はないところがほとんどです。
施設によっては、残業が頻繁に発生するケースもあるので注意が必要になります。 あわせて読みたい
在宅医療機関
3つ目は、在宅医療機関です。
在宅医療機関(在宅担当医療機関)とは、通院が困難で在宅での療養が必要な患者さんに対して、自宅に訪問して診療を行うことを専門とする医療機関のことを指します。
患者さんの要請に対して24時間対応ができるように、夜間のオンコール待機が発生するなど勤務医としてはイレギュラーな働き方になります。 あわせて読みたい
失敗しない麻酔科転職のポイント5選
麻酔科への転職で失敗しないためのポイントは、以下の5つになります。
- 転職先の情報はよく調べる
- 地方や郊外への転職を視野に入れる
- 雇用形態をよく検討する
- アルバイトを掛け持ちする
- 医療専門の転職エージェントを活用する
転職先の情報はよく調べる
1つ目は、転職先の情報をよく調べることです。
求人の募集要項には、当直・オンコール免除など労働環境が改善されている職場も多く存在するため、しっかりと確認するようにしましょう。
また、給与や勤務時間だけではなく、人員構成も視野に入れることも重要です。
事前にさまざまな角度から精査することによって、転職後のミスマッチを防ぐことができます。
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地方や郊外への転職を視野に入れる
2つ目は、地方や郊外への転職を視野に入れることです。
麻酔科医の平均年収は1,335.2万円と、他の診療科より高めの傾向にあります。
参考:勤務医の就労実態と意識による調査 – p.30
しかし、充足している地域では1,000万円に満たないこともあり、地域格差が大きいです。
人手不足の地方では年収2,000万円以上のことも多いため、勤務地にこだわりがない場合は地方の市民病院などへの転職も検討されてみてはいかがでしょうか。 あわせて読みたい
雇用形態をよく検討する
3つ目は、雇用形態をよく検討することです。
麻酔科医は常勤だけでなく非常勤やフリーランスなど、多様な働き方をしやすい診療科医です。 あわせて読みたい
子育てや介護、専門医取得のための学習など、自分が叶えたいワークライフバランスが実現できる雇用形態を見つけるようにしましょう。
アルバイトを掛け持ちする
4つ目は、アルバイトを掛け持ちすることです。
転職後にいきなりフルタイムで働くことにためらいがある場合は、本業の時間を減らし、アルバイトを掛け持ちして精神的・金銭的な余裕を持たれることをオススメします。
また、いきなり転職するのではなく、気になる求人に対してスポットアルバイトとして働いてみるのも有効な手段です。 あわせて読みたい
近年はアルバイトを掛け持ちしている医師も多いので、気軽に挑戦しやすいこともメリットとなります。
医療専門の転職エージェントを活用する
5つ目は、医療専門の転職エージェントを活用することです。
転職エージェントの多くは非公開求人を多数有しており、転職に有利な内部情報なども数多く持ち合わせています。
初めての転職や一人での転職に少しでも不安がある方は、ぜひ一度相談してみてください。
医師専門転職エージェント「メッドアイ」なら、医師のキャリアプランに合った職場探しを全力でサポートします。
まとめ(麻酔科医の転職に失敗しないために)
今回は、麻酔科医の転職先の候補や転職する際のポイントなどについて解説しました。
- 需要の増大や労働環境が過酷なイメージから人手不足で転職しやすい
- 将来性が高く転職でキャリアアップできる可能性を秘めている
- 主な転職先は総合病院などの大病院・クリニック・在宅医療機関の3つ
- 転職する際は転職希望先の情報を精査し勤務地・雇用形態などをよく検討することが大切
- 転職エージェントを活用することで転職に成功する確率を大きく上げることができる
麻酔科医はニーズが高く、比較的転職しやすい診療科です。
上手くいけば年収アップも期待できるので、転職によるキャリアアップも踏まえてぜひ前向きに検討されてみてはいかがでしょうか?
なお、実際に転職活動を行う際には、一人で悩むのではなく転職エージェントを活用されることをオススメします。
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