医師が活躍する分野は多岐にわたりますが、その中の1つに総合診療医という働き方があります。総合診療医の給与は、勤務先や業務内容といった要因から勤務する環境によって大きく変動します。

「総合診療医の年収目安について知りたい」
「総合診療医の働き方について詳しく知りたい」

このように思っている方に向けてこの記事では、総合診療医の年収について紹介していきます。また、総合診療医のやりがいや働き方についても詳しく解説していくので、ぜひ参考にしてください。

総合診療科とは

総合診療科とは幅広い分野の医療を包括的に提供する診療科です。老若男女問わずさまざまな疾患・健康問題をトータル的に治療するので、幅広い専門性を持つことが求められ、家庭医学やプライマリ・ケアと呼ばれることもあります。
まだ、一般の方や医療従事者にもそこまで認識されている専門科ではありませんが、諸外国では確立された分野で、今でも総合診療科の必要性は高まっています。

特に外来や救急で、まだ診断がついていない状況であれば、専門医よりもトータル的に治療を行える総合診療科医の重要性が高まると言われています。
総合診療医は基本的に、一般内科・小児科・産婦人科・外科・眼科・耳鼻咽喉科・皮膚科・皮膚科・精神科などの幅広い知識を持っています。
担当する分野も幅広いので、一般的な健康診断・病気の診断/治療・予防医学・生活指導・慢性(急性)疾患の管理・慢性疼痛の診療・予防接種など多くのことができなければいけません。
総合診療科は患者の健康状態を管理し、必要に応じて他の専門医に紹介をしながら健康サポートする診療科です。幅広い医療ニーズに対応しているのも総合診療科の特徴と言えます。

総合診療医の年収はどれくらい?

総合診療医の年収は1,600万円程度です。これは常勤の総合診療医の平均年収であり、中央値は1,300万円〜1,400万円程度となっています。
ただし、総合診療医の年収は、勤務する場所や業務内容により大きく変動します。上記の年収はあくまで目安として捉えてください。

もちろん、臨床経験の有無や保有資格によっても年収は変動するので、詳しく知りたい人は個別で確認する必要があります。
また、東京や大阪などの都市に比べて、地方の方が平均年収が高い傾向にあります。さらに離島や僻地などであれば赴任手当や住宅手当などの手当が期待できます。
非常勤であれば、日給8万円前後が目安となります。

総合診療医の2つの働き方

総合診療医の働き方として、「家庭医として働く」「病院総合医として働く」の2つの方法があります。
ここでは、総合診療医の主な働き方について詳しく解説するので、ぜひ参考にしてください。

1.家庭医として働く

総合診療医の働き方として、家庭医として働く方法があります。

家庭医はクリニックや市中病院などのさまざまな医療機関で、かかりつけ医として地域に密着しながら働く働き方です。軽い風邪や簡単な外傷など、それぞれの地域のニーズに沿った診療を行なうことも家庭医の特徴なので、何かあった際に患者が最初に受診したいと感じる医師を目指しましょう。
在宅医療の需要が高まっている中、地域の患者へ訪問医療を行なう家庭医は、地域と深く関わりながら医師不足な地方や離島などの僻地での活躍が期待されています。

2.病院総合医として働く

総合診療医の働き方として、病院総合医として働く方法があります。
病院総合医は、中規模・大規模病院において救急診療や入院診療など診療科問わず様々な専門医と連携を取りながら診療にあたる医師です。

患者の診療を中心に、外来では初診患者に対して適正な診療科への振り分けを行なったり、院外での巡回診療なども行います。基本的に幅広い業務に携わることが特徴です。

総合診療医に求められる役割と必要な能力

総合診療医には、幅広いスキルが必要であり、ジェネラリストのような役割が求められます。
現在、日本では少子高齢化が進んでいることから、いくつかの慢性疾患を抱えた高齢の患者が増えています。現状、さまざまな理由で通院ができない患者も多いです。
領域問わず疾患や外傷の初期対応を行なって専門医に取り次いだり、主治医として継続治療を行なったりといった医療の総合性のみならず、介護や生活といった総合的な支援が可能なネットワークをもつことも求められます。
総合医に必要な能力は、以下の通りです。

  • 総合的なアプローチ
  • 基本的な健康問題に対する診察能力
  • 他の医療従事者や機関との連携重視のマネジメント
  • 患者の医療・ケア
  • 地域志向アプローチ
  • 多様な診療の場に対応する適応能力

総合診療医としてのやりがいとメリット

総合診療医としてのやりがいやメリットは「地域医療に貢献することが出来る」「患者との距離が近い」「予防医療に貢献できる」などがあげられます。
ここでは、総合診療医のやりがいやメリットについて解説します

1.地域医療に貢献することが出来る

総合診療医としてのやりがいは、地域医療に貢献できることです。
また、患者1人1人について詳しく知れるのも地域医療に携わる総合診療医の魅力と言えます。
1人で対応することから、過疎化地域などでも活躍できます。さらに総合診療医は病院の規模に関わらず、かかりつけ医として地域医療に貢献することも可能です。

2.患者との距離が近い

総合診療医はかかりつけ医としてすぐに相談出来る立場にいることから、患者との距離が近く信頼も得やすいことが特徴です。
患者との距離が近い分、患者に頼りにされている実感を得やすく、やりがいを感じることができるでしょう。

3.予防医療に貢献できる

総合診療医は患者の健康状態を総合的に診断し、予防医学や生活指導を含めた健康管理を行うことが求められます。健康診断や予防接種を通じて、患者が健康な生活を維持するためのサポートを行います。

総合診療医になるには

総合診療医は、日本専門医機構実施の総合診療専門研修プログラムを受けることで「総合診療専門医」を取得できます。
総合診療医を目指す専攻医にとって、総合診療専門研修プログラムは重要なステップです。
また、総合診療専門医の資格は、医師としてのキャリアアップにも繋がります。

臨床現場での学習としては、外来医療・在宅医療・病棟医療・救急医療・地域ケアの5つの場で、幅広い症例を経験することが求められます。

働き方に悩んだら医師専門の転職エージェントへ

医師としての働き方に迷いが生じてしまっている方や今の年収に不満がある方は、医師専門の転職エージェントに悩みを相談することをおすすめします

メッドアイでは転職を検討していなくても、無料で相談が可能です。非常勤や、アルバイトに関する情報などもあるため、働き方について悩みがある方は、ぜひメッドアイに相談しましょう。
多くの医療機関で総合診療医の募集が行われているため、適した環境を見つけるためのサポートが充実しています。

まとめ(総合診療医の年収はどれくらい?)

総合診療医はほかの臨床医と比べて、幅広い業務を行います。
そんな総合診療医の年収は現場・業務内容・役割によっても大きく変わってきます。常勤の平均年収は1,600万円であり、勤務地が離島や僻地などであれば赴任手当や住宅手当などの手当が期待できます。
地域医療に貢献したい方や、患者にとって身近に感じられる医師でありたいと思っている方は、総合診療医に向いているでしょう。
総合診療医としての働き方に迷いが生じた場合は1人で抱え込まず、転職エージェント「メッドアイ」に相談してください。
現在多くの医療機関で総合診療医を対象とした求人が出ています。きっとあなたの希望に合った職場を見つけることができるでしょう。