「産婦人科医の平均年収は?」
「産婦人科医の年収は他の科と比べてどうなのか?」
「産婦人科医の年収が高い理由は?」
このような疑問をお持ちの方に向けて、プロの転職エージェントが下記を詳しく解説します。
- 産婦人科の年収や診療科別の順位に関するデータ
- 産婦人科医の年収が高い理由
- 産婦人科医になるためのポイント
- 産婦人科医の適性や仕事内容
結論、産婦人科の平均年収は1466万円で、他の診療科より高収入を得ることが可能です。
では、なぜ年収が高いのでしょうか。
産婦人科医を目指している方はもちろん、他の診療科からの転科を希望している方もぜひ参考にしてください。
産婦人科医の平均年収は1,466万円
「勤務医の就労実態と意識に関する調査」によると、産婦人科医の平均年収は1,466万円です。
画像引用:https://axxis.co.jp/magazine/54741
上記のグラフは年収別の割合です。
300〜500万円以下が2.3%、2,000万円以上が20.8%で、もっとも高い割合は1,500〜2,000万円の29.2%です。
グラフからも産婦人科の平均年収が高いことがわかります。
診療科別で見ると、産婦人科は比較的年収の高い診療科に該当します。ただし、勤務医と開業医で異なることも念頭に置いておきましょう。
以下のグラフは、年代別の年収の推移です。
画像引用:https://www.recruit-dc.co.jp/contents_nenshuu/sanfujinka/
産婦人科医として勤務し始めたばかりの20代は600万円未満です。
30代は1,000万円未満~1,400万円未満と差がありますが、40代・50代・60代は1,400万円以上の割合が多いです。
このデータからは、順当に経験を積んでいければ高い年収を獲得できるケースがあると予想されます。
どの診療科も年齢とともに収入は上がりますが、産婦人科は年収自体が高いという特徴があります。
産婦人科と他診療科の年収を比較
各診療科の年収データは以下の通りです。
順位 | 診療科目 | 平均年収 |
---|---|---|
1位 | 脳神経外科 | 1,480.3万円 |
2位 | 産科・婦人科 | 1,466.3万円 |
3位 | 外科 | 1,374.2万円 |
4位 | 麻酔科 | 1,335.2万円 |
5位 | 整形外科 | 1,289.9万円 |
6位 | 呼吸器科・消化器科・循環器科 | 1,267.2万円 |
7位 | 内科 | 1,247.4万円 |
8位 | 精神科 | 1,230.2万円 |
9位 | 小児科 | 1,220.5万円 |
10位 | 救急科 | 1,215.3万円 |
11位 | その他 | 1,171.5万円 |
12位 | 放射線科 | 1,103.3万円 |
13位 | 眼科・耳鼻咽喉科・泌尿器科・皮膚科 | 1,078.7万円 |
データ引用:https://clinickaigyo-navi.com/column/ob-gyn-annual-income/
産婦人科医の平均年収は2位で、3位の外科と比べると100万円近くの差がついています。 あわせて読みたい
1位の脳神経外科とも僅差のため、産婦人科はトップクラスの年収を獲得できる診療科と言えるでしょう。
なぜ産婦人科の年収は高いのか?
産婦人科の年収は、他の診療科と比べても高いことがわかりました。
年収が高い理由として、以下の2点を解説します。
- オンコールや当直の分の手当て
- 慢性的な人手不足により上がる給与
オンコールや当直の手当て
産婦人科は、妊婦さんの変化にすぐ対応する必要があるため、他の診療科よりオンコールや当直が多い診療科です。
勤務時間は長くなる傾向があり、いわゆるシフト勤務のような融通は利きにくいです。
また、他の診療科と比べても、産婦人科は激務として知られています。
オンコールや当直の手当と、激務に対するベース給与の高さが平均年収が高い理由と言えます。 あわせて読みたい あわせて読みたい
慢性的な人手不足により上がる給与
オンコールや当直が多く激務で知られる産婦人科は、若手医師が敬遠する傾向にあります。
慢性的な人手不足のため、基本給を高めに設定している産婦人科が多いようです。
また産婦人科医は、他の診療科と比べて訴訟が多い診療科と言われます。
「第4回医道審議会医師分科会医師専門研修部会」によると、1,000人あたりの平均訴訟数は3.7件で、診療科別だと4位です。
ただし、訴訟を軽減するため「無過失補償制度(※)」が2009年1月に創設されたことで、2010年以降は訴訟件数が減少傾向になっています。 あわせて読みたい
※医師の過失にかかわらず、妊娠や出産で問題が発生した場合に補償金が支払わる制度
産婦人科医になるには? 適正と仕事内容
ここでは、産婦人科医になるための方法や適性、仕事内容について解説します。
産婦人科医になるためには
基本的なステップは以下の通りです。
- 大学の医学部もしくは医科大学で6年以上学ぶ
- 研修医として診療科に勤める(卒後研修を2年以上受ける必要もあり)
- 卒後研修の修了後、産婦人科を選択する
- 3年以上の研修を受けた後、試験に合格する
日本産科婦人科学会が実施する試験は、指定の病院で3年以上の研修を受けた後に受験資格が得られます。
産婦人科医に向いている人
以下のような人が産婦人科に向いています。
- 精神的な強さを持っている人
- コミュニケーションを意識できる人
- 体力に自信がある人
産婦人科は新しい命が誕生する瞬間に立ち会える素晴らしい仕事である一方、悲しい瞬間に向き合う側面もあります。
冷徹になりきる必要はありませんが、あくまでも仕事として気持ちを切り替える精神力が必要です。
また、女性の精神的な支えになることを意識できる人に向いています。
オンコールや当直も多いことから、体力に自信がある人にも合っていると言えるでしょう。 あわせて読みたい
仕事内容の内訳
産婦人科医の仕事は、産科と婦人科に分類されます。
産科の仕事は周産期に関連するもので、婦人科は女性疾患の治療が仕事です。
主な仕事内容を紹介するので、参考にしてください。
産科 | 婦人科 |
---|---|
・妊婦検診・指導 ・胎児の管理 ・分娩(分娩誘発・陣痛促進・帝王切開・会陰切開) | ・女性疾患の診断・治療(子宮頸がん・子宮体がん・卵巣がん・子宮筋腫・更年期障害・月経困難症・子宮内膜症・性感染症) ・婦人科検診 ・ブライダルチェック ・不妊治療 ・緊急避妊 |
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まとめ(産婦人科医の年収)
今回は、産婦人科医の年収について紹介しました。
産婦人科医は当直なども多く負担がかかるため、平均年収は1,466万円と他の診療科と比べても高い傾向にあります。 あわせて読みたい
激務であり、慢性的な人手不足に悩まされていることから、基本給や手当が高めに設定されていることが理由に挙げられるでしょう。
年収の高さから産婦人科医を目指す方もいるでしょう。
しかし、数年の研修などを経なければ産婦人科医として勤務できません。
また、精神面・体力面にある程度の自信がなければ、産婦人科医の業務をこなすことは困難でしょう。
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