麻酔科医は、医療ドラマなどでもよく話題になるため、麻酔科医で働くことを希望する方も多いのではないでしょうか。

  • 麻酔科医の平均年収は?
  • 麻酔科医の年収は他の科と比べてなぜ高い?
  • 麻酔科医が年収アップを狙うには?

今回はこのように思っている方に向けて、プロの転職エージェントが麻酔科医の年収について詳しく解説します。
所属施設による年収の変動や、年収を上げるための方法も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

麻酔科医の平均年収は1,335万円

労働政策研究・研修機構の「勤務医の就労実態と意識に関する調査」によると、麻酔科医の平均年収は1,335万円でした。

麻酔科医の平均年収の割合は、以下のグラフをご覧ください。

画像引用:https://axxis.co.jp/magazine/54624
麻酔科医は
全体の70%以上が年収1,000万円以上です。1,500万円以上も全体の約35%を占めているので、スキルを磨けばより高い年収を狙いやすい診療科と言えます。

麻酔科と他診療科との年収比較

麻酔科医の大半は高収入を得ていることがわかりました。
続いて、他の診療科との年収の比較を見てみましょう。各診療科の平均年収は以下の通りです。

順位診療科平均年収
1位脳神経外科1,480万円
2位産科・婦人科1,466万円
3位外科1,374万円
4位麻酔科1,335万円
5位整形外科1,289万円
6位呼吸器科・消化器科・循環器科1,267万円
7位内科1,247万円
8位精神科1,230万円
9位小児科1,220万円
10位救急科1,215万円
11位その他1,171万円
12位放射線科1,103万円
13位眼科・耳鼻咽喉科・泌尿器科・皮膚科1,078万円

麻酔科は脳神経外科、産科・婦人科、外科に続き4位にランクインしていました。最下位の眼科等と比べると、平均年収の差は約260万円です。

なぜ麻酔科医の年収は高いのか?

麻酔科医の平均年収が他の診療科に比べて高いのは、需要に対して医師が不足していることが主な理由です。

現在日本にいる麻酔科医は8,000人ほどです。
7,500人は病院、約570人は診療所に勤務しています。

ではなぜ、需要があるにもかかわらず麻酔科医が不足するのでしょうか。
それは、他の診療科と比べてより繊細な手腕が求められるためです。

いかなる状況でも冷静かつ迅速に対処する能力や、執刀医との円滑な信頼関係を築けるコミュニケーション能力も求められるため、個人としてのスキルや適正に向き合う必要があるでしょう。

深夜でもオンコールの呼び出しがあればすぐに駆けつける必要があるのも、麻酔科医の年収が高くなる理由のひとつです。
麻酔科医は、患者さんの容体が急変しないように常に気を配っている必要があります。
手術が長時間に及ぶケースや、入院患者の緊急手術などもあり、24時間365日オンコールに備えることでワークライフバランスが崩れがちです。プライベートを犠牲にすることによる体力的・精神的負担があります。

このような背景から麻酔科医を敬遠する医師が増え、麻酔科医の人手不足にある状況が続いているのが現状です。
病院側の医師確保のためやその仕事量から、年収も比較的高い傾向にあるといえます。

麻酔科医が年収アップする方法3選

麻酔科医が、より年収を上げるためにはどのような方法があるのでしょうか。
下記3点を解説します。

  • 非常勤アルバイトをする
  • より待遇の良い勤務先に転職する
  • 平均年収が高い科に転科する

①非常勤アルバイトをする

常勤勤務とは別にアルバイトで収入を得ている医師はたくさんいます。
当直アルバイトは日給3〜10万円、健康診断では4時間〜6時間勤務で日給3〜7万円が相場と言われており、時給に換算すると1万円程度です。

麻酔科医がアルバイトをすると、日給5~12万円が相場で、医師全体のアルバイトと比較すると収入が高い傾向にあります。
例えば日給7万円の健診アルバイトに月4回行くとして計算すると、年間336万円の収入を得ることが可能です。
7万円×4回×12ヵ月=3,36万円

②より待遇の良い勤務先に転職する

非常勤アルバイトは年収アップの面で魅力的ですが、副業の時間が取れない場合や、常勤先で禁止されている場合もあります。そもそも今の職場の給与が低くて不満を感じている方もいるでしょう。

年収を底上げするには、転職して常勤先の病院を変えることがおすすめです。
同じ麻酔科医でも経営母体によっては年収が大きく異なります。
経営母体における平均年収は、中央社会保障医療協議会「第23回医療経済実態調査の報告(令和3年実施)」のデータを参考に解説しています。

順位分類医師の平均年収病院長の平均年収
1位その他
(公益法人、学校法人、医療生協、その他の法人など)
1,535万円2,373万円
2位医療法人
(医療法人である民間病院など)
1,506万円3,110万円
3位公立
(都道府県立、市町村立などの病院)
1,472万円2,153万円
4位社会保険関係法人
(健康保険組合・連合会、共済組合・連合会など)
1,427万円1,962万円
5位公的
(日赤、済生会、北海道社会事業協会、厚生連など)
1,384万円2,241万円
6位国立
(国、国立病院機構、国立大学法人など)
1,323万円1,876万円
7位診療所
(入院診療収益のある診療所を含む)
1,078万円2,729万円

1位のその他(公益法人など)と7位の診療所とでは500万円の差があります。月給に換算すると約41万円の差で、経営母体によってサラリーマンの1ヵ月分の給料ほどの差がある状態です。もし診療所勤務から公益法人や学校法人などに転職したら、大幅な年収アップが見込めるでしょう。

その他の施設に勤務している場合でも、より平均年収が高い経営母体への転職が収入アップへの近道です。

医師専門の転職エージェントの「メッドアイ」では、医師の転職に特化したアドバイスや求人情報を掲示するなどのサポートを受けられます。
メッドアイへの転職相談を通じて、地域の状況に合致した仕事内容を掲示する求人や、より高収入を得られる求人に出会えます。

転職を考えている麻酔科医の方は、ぜひご利用ください。以下のリンクから無料登録できます。

③平均年収が高い科に転科する

転職以外には転科という選択肢もあります。各診療科の平均年収の上位5位は、以下の通りです。

順位診療科目平均年収
1位脳神経外科1,480万円
2位産婦人科1,466万円
3位外科1,374万円
4位麻酔科1,335万円
5位整形外科1,289万円

麻酔科医が将来的な年収アップを考えるなら、上位の脳神経外科や産婦人科、外科に転科すれば、最高で約150万円の年収アップができます。

まとめ(麻酔科医の年収)

今回は麻酔科医の平均年収に関する情報を紹介しました。
麻酔科医の平均年収は1,335万円と、他の診療科に比べて高い傾向にあります。

麻酔科医はその専門性とワークライフバランスが保ちにくい過酷な労働環境などから、深刻な人手不足で高収入の傾向があります。

より高収入を得たい場合は、アルバイトや転職がおすすめです。
転職を検討する場合は、医師専門転職エージェントの「メッドアイ」を利用してみましょう。


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