今の職場に不満があったり、スキルアップするための環境が不足していたりするなどの理由で、転職を考えている医師は大勢います。

この記事では、
「本当に転職するべきなのか?転職で得られるメリットは何か?」
「転職するならどのタイミングですればいいのか?」
「転職したらキャリアにどんな影響があるんだろう?」

といった、転職したい気持ちはあるけれど悩んでいる方に向けて、具体的に転職で得られるメリットとデメリットを解説していきます。

また、悩みや不満があまりにも深い場合は、すぐにでも転職した方がいいケースがあり、そちらも解説しますので参考にしてください。

転職を迷っている先生方の判断の一助になれば幸いです。


医師が転職で得られる3つのメリット

まず初めに、転職することで得られるメリットをご紹介します。

医師の転職メリットとして主に下記3つがあります。

  1. 人間関係の改善
  2. キャリアアップ
  3. 給与や待遇アップ

それぞれのケースを詳しく見ていきましょう。

ただし、これらのメリットは転職さえすれば無条件についてくるというわけでもありません。
メリットを得るために必要な注意点も併記しますので、チェックしてみてください。

①人間関係の改善

医局の派閥の対立といった大きなものから、身の回りの看護師やコメディカルとの関わり方まで、人間関係に悩む医師は多いでしょう。

医療業界に限らず、人間関係は一度拗れてしまうと元に戻すのは至難の業です。
現在の職場で他に不満がなく「人間関係だけを何とかしたい」と考えるのであれば、改善に努力するという選択肢もあります。

しかしそれでも上手くいかないなら、転職で人間関係をリセットしてしまうのも効果的な方法であり、転職で得られるメリットです。
新しい職場では、一から人間関係の再構築をしていくことになりますので、慎重に築き上げて行ってください。

ーー注意すべきポイントーー

  • 現職に関連性のある病院を選ばない(交流があったり立地が近いなど)
  • 今までの人間関係の問題点を見直し、アプローチ方法などをよく検討する
  • 新しい職場側にも「求める人材像」があることを忘れない

②キャリアアップ

現在の職場では望むスキルを習得できない、医局に属していて論文や研究業務が多いため臨床業務に時間が割けない、というケースです。
転職することで患者さんと向き合う時間を増やし、様々な症例を扱えるようになれば大きなメリットとなるでしょう。

キャリア形成が転職理由の場合は、明確なプランを描いて、それが叶う環境へ計画的に転職することで早期のキャリアアップが実現します。
最終的に開業を目指している方などは、早めのキャリア形成をしていくことが目標達成の近道となってきます。

ーー注意すべきポイントーー

  • 現在の職場で得られるスキルや資格は、転職前に取得しておく方が望ましい
  • キャリアプランを整理し、転職で得たいスキルを明確にする
  • 希望の経験が得られるのかなど、転職先を探す際の情報収集を慎重に行う

③給与や待遇アップ

激務の割に給与が安いという不満の改善や、開業資金を貯めるなどの理由で給与アップを狙う場合も、転職で解決できる場合があります。
特に医局に属していると、給与は相場より低めの傾向です。

医局内で収入アップを望むのであれば、実力だけでなく人脈形成や政治力なども求められるので、時間がかかる可能性があります。
民間の医療機関であれば、経験やスキルに対しての正当な評価が得られやすいというメリットがあります。

給与だけでなく、当直が多い職場から少ない職場への転職など、働き方や待遇を向上させることも可能です。

ーー注意すべきポイントーー

  • 採用条件を詳細に確認し、必要に応じて条件をきちんと交渉する
  • 高給の求人情報は、背景に人手不足などのリスクポイントがないかをよく調べる
  • 具体的にいくらの収入増を希望するのかを明確にしておく

医師が転職する際のデメリット

医師の転職には、得られるメリットがあるのと同時に当然デメリットもあります。
ここからは、転職によって起こりうるデメリットを解説していきます。

デメリットは主に、下記の3点があります。

  1. キャリアダウンの恐れがある
  2. 収入がかえって減ってしまうこともある
  3. 人間関係が改善されない可能性がある

得たいメリットと許容できる範囲のデメリットをバランス良く取ることができれば、その転職は成功といえるでしょう。


①現在医局勤めの場合はキャリアダウンの可能性もある

医局にいる医師が転職を考える場合、キャリア形成に影響を及ぼす可能性があることを考慮しないといけません。
医局にいることで学位や専門医など、資格の取得が有利になるメリットがあり、実際にその目的で入局する医師は全体の7割にも上っています。

厚生労働省平成31年臨床研修修了者アンケート調査結果概要 P30より


例え現在の職場での不満点が多くても、目標を達成しないままに医局を去るのは、デメリットである可能性もあります。
まずは現在の職場で何が不満なのかを整理し、自分のキャリアプランを見直してみましょう。
そして、医局にいることで得られるメリットを再確認し、本当に必要なのであれば転職を思いとどまるという決断も必要です。

②勤務形態次第では、収入が減る場合がある

収入アップが転職理由のケースでは、転職活動を慎重に行うことが大切です。

常勤での仕事を探す場合、求人情報で極端に給与が高いので飛びついてみたら、人手不足で激務だったということもあり得ます。
また、希望する給与額での求人を見つけたものの、求人票に記載通りの金額を受け取るためには条件交渉をしっかりしないとならない、ということも多いので注意すべきです。

シンプルに収入を上げる方法としては、非常勤案件から仕事を探すという方法もあり、複雑な条件交渉をせずとも収入がアップするケースが多いです。
しかしこちらも、非常勤ゆえに自身の健康保険や確定申告、納税などの費用負担と手間がかかってきます。
さらに、ボーナスや退職金がないといった、年収ベースで長期的に換算するとかえって収入減になってしまうデメリットも潜んでいます。

収入をどのくらいアップしたいのかを、月収ベースではなく、年収あるいは5年や10年といったロングスパンで考慮することが大切です。

③人間関係が改善されない場合もある

人間関係を変えたい場合、転職で人間関係をリセットすることはできるでしょう。
しかし、次に築く人脈が必ずしも良好になるとは限らないことに気をつけるべきです。

いざ転職してみたら、病院内で派閥のようなものがあったりするかもしれないですし、実は院長のワンマンぶりがスタッフを困らせている環境かもしれません。
実際のところ、新しい職場がどのような雰囲気なのかは、転職活動をしている医師にはなかなか分かりづらいのがデメリットと言えます。

自力での情報収集には限界もありますので、転職エージェントを利用してできる限りの情報を集めるのが、リスクを減らす点でもおすすめです。
転職エージェントは病院の採用担当者との連携を密にしていますし、その病院に最適な人材を知るために内部スタッフの雰囲気なども把握していることがよくあります。

今までの人間関係でどんなトラブルがあったのか、不満はどんなことだったのかをあらかじめエージェントに相談しておくと、それに沿った提案をしてもらえるでしょう。

こんな医師はすぐに転職するべき

ここまで、医師の転職で得られるメリットと、気をつけたいデメリットについて見てきました。
転職に失敗してしまうと、キャリアプランの大きな障害になってしまいますので、転職するかどうかは慎重に判断することが大切なのは言うまでもありません。

しかし、時にはすぐに転職を決断した方がいいケースもあり得ます
ここからは「すぐにでも転職した方がいいパターン」を見ていきましょう。

今の職場でのストレスが限界

職場での人間関係や労働環境などへの不満が募ってくると、仕事へのモチベーションに響く恐れがあります。

それが限界だと感じるまでに達してしまうと、「仕事が嫌になる」「出勤したくない」などにもつながってしまうかもしれません。
さらに我慢を重ねることで、臨床業務でのミスなども誘発してしまうかもしれませんので、我慢のしすぎは避けたいところです。

もしもこんなギリギリの状態で頑張っているのであれば、すぐにでも転職を検討すべきでしょう。
または一旦退職し、アルバイトや非常勤の仕事などで間をつなぎながら、ゆっくりと新しい仕事を探すという方法もあります。

現職で大きなストレスと闘っているのであれば、すぐに転職や退職といった行動に移すこともひとつです。

将来のためにキャリアアップしたい

キャリアプランを考える中で、転職のタイミングを図ることは大切です。

長い目で考えた時、目指す方向に進んでいるのか、最終的な目標に向けて必要なスキルは積めているのか、といったことを振り返る機会を持ってみてください。
そして、今の職場に在籍することが、キャリア形成のステップとして合っているのか、定期的に考えてみることをおすすめします。

特に現在の職場に不満がなく、やりがいもあって居心地もいいから転職を考えていない、という場合ほど考えてみてほしいです。

もしも最終的な目標があるのであれば、タイミングを逃すことなく、必要なスキルを積み上げていかないとなりません。
その際に転職が必要なのであれば、早いに越したことはないのです。

年収や働き方などを今すぐに改善したい

収入が思ったよりも少ないため、一定の年齢までに開業資金などの目標金額が貯められそうにないと思うこともあるかもしれません。
また、激務が続きすぎて「このままでは体力がもたない」と感じることもあるでしょう。

そういった待遇や働き方に限界を感じている場合も、早急な転職を考えた方がいいケースに当たります

しかし、転職活動は想像より時間と労力がかかります。
転職したい時期の半年から1年程度前から動き出すことが重要です。
また、転職エージェントに相談すると、自分の条件に合った転職先を自分の労力をかけずに紹介してもらえます。


転職するかしないかは求人を見てから決めるのも手

「転職した方がいいのか?」と漠然と考えてみたものの、医師の転職には色々とハードルもあります。
転職活動にかかる労力もそうですが、今の職場を辞める決心をするのもなかなか難しいのではないでしょうか。

転職の決断が難しいと考えている方でも、実は転職エージェントへの相談がおすすめです。
ぜひ転職エージェントに登録し、自分の悩みやキャリアプランや希望を伝え、どのような求人があるかを見てみてください。
自分の現在のスキルでどのような転職ができるのか、つまり「自分の市場価値」を知ることができます。

転職エージェントは無料で利用でき、利用したから必ず転職しなくてはいけないという事はありません。
また、転職活動しているのがバレると困るという方には、個人情報を伏せた匿名での求職活動ができるサービスも存在します。
色々な医師求人を見た上で「転職したい」と思う求人があった時に、初めて決心しても大丈夫なのです

医師専門転職エージェントのメッドアイでは、このような悩みを抱えた医師の方に寄り添って、最適な転職を支援してもらえます。
全国での医師転職の豊富な実績があり、クリニック勤めから大学病院への入局まで幅広い求人希望に対応しているエージェントです。

個人の事情に寄り添いながら希望条件をヒアリングし、あなたに代わってコンサルタントが交渉・調整をするので安心です。
さらに、現職の退職がスムーズに行くためのアドバイスなどもしてもらえますので、まずは気軽に相談してみませんか?


まとめ(医師が転職で得られるメリットとデメリット)

医師が転職することで得られるメリットは、

  • 人間関係がリセットできる
  • キャリアアップにつながる
  • 給与や待遇などの改善が見込める

デメリットは、

  • 人間関係の再構築がうまくいかないと、転職が無駄になってしまう
  • 医局を離れる場合などキャリアダウンの恐れがあるケースがある
  • 雇用の種類によっては収入アップにつながらない

が挙げられます。

いずれにせよ、転職に失敗しないよう、情報収集や交渉を徹底的に行うことが大切です。
医師転職は、個人の力ではハードルが高いですが、転職エージェントの力を借りれば成功への近道となるでしょう。

転職エージェントは無料で利用でき、何人もの医師の転職をサポートしているプロの集団です。
転職すべきかどうかの決断がまだできていない場合でも、是非相談してみてください。

きっとあなたのためになるアドバイスがもらえるでしょう。