「眼科医に向いている人ってどんなタイプなのかな」
「眼科医に年収どのくらいになるのかが気になる」
「眼科医のやりがいや大変なことを知っておきたい」
眼科は働きやすいと言われる診療科ですが、その働き方が気になる方は多いのではないでしょうか。また、どのようなスキルが求められるかも知っておきたいところです。
この記事では眼科医に向いている人の特徴についてご紹介します。具体的な仕事内容、やりがい、年収事情についても解説しますので、参考にしてください。
眼科医の仕事とは
あわせて読みたい眼科医は眼球や視神経に関するあらゆる疾患の診断と治療を担当する医師です。白内障や緑内障といった一般的な目の病気から、網膜剥離などの緊急性の高い症状まで、幅広い診療を行います。
眼科医の業務は主に外来診療と手術です。外来では視力検査や眼圧検査などの基本的な検査から始まり、患者の症状や検査結果に基づいて、適切な治療方針を決定していきます。
手術では白内障手術を中心に、様々な眼科手術を執刀します。手術は極めて繊細な作業で、ミリ単位の精密さが要求されます。
眼科医は単なる目の専門家ではありません。全身疾患と眼症状の関連性を理解し、他科との連携も往々です。
例えば、糖尿病患者の網膜症管理では内科医と、脳腫瘍による視覚障害では脳神経外科医と密接に連携を取ります。
このように眼科医の仕事は多岐にわたり、高度な専門性と技術が要求される職業です。しかし、患者の視機能を守り、QOLの向上に直接貢献できる、やりがいのある専門分野でもあります。
眼科医に向いている人の特徴4選
眼科医は、手術の精密さや患者との丁寧なコミュニケーションなど、様々なスキルが必要とされる専門性の高い職種です。ここでは眼科医に向いている人の特徴を4つご紹介します。
集中力が高い
眼科医には長時間の集中力が必須です。特に手術時には、微細な作業を継続して行う必要があります。 あわせて読みたい
手術用顕微鏡を覗きながら、ミリ単位の精密な手技を1〜2時間程度継続することも珍しくありません。
また外来診療においても、1日に多くの患者を診察する中で、的確な診断を下し続ける持続力が必要です。
細隙灯顕微鏡での診察や眼底検査など、目を使う精密検査が多いため、集中力の維持は重要な要素となります。
手先が器用
眼科手術は人体の中でも特に繊細な手技が要求される分野です。
白内障手術では、わずか2〜3ミリの切開創から手術を行い、網膜手術ではさらに細かい作業が必要となります。
手術用顕微鏡を使用しながら、両手で異なる動作を同時にこなす必要があります。手先の器用さに自信がある人は、眼科医の武器として大いに生かすことが可能です。 あわせて読みたい
手際よく動ける
眼科の外来診療は、一般的に患者数が多いことが特徴です。 あわせて読みたい
限られた時間の中で、適切な診察と治療を行うためには、効率的な診療を進めることが求められます。
検査から診察、説明まで手順よく進められる判断力と行動力が必要です。また緊急性の高い患者が来院した際には、迅速な対応が求められます。
体力がある
眼科医の仕事は一見すると、体力的な負担が少ないように思えるかもしれません。しかし実際には相当な体力が必要です。 あわせて読みたい
手術中は同じ姿勢を長時間保つ必要があり、首や肩に大きな負担がかかります。また外来診療では立ち仕事が多く、1日中動き回ることも少なくありません。
また眼科は他科からのコンサルテーションが多い傾向があります。紹介された患者に対し速やかな診療を行い、紹介元へ結果を連絡するといった動きも頻繁です。
集中する時は極限の集中力を発揮し、状況に応じて臨機応変に動き回れるタフさは、眼科医にとって頼もしい武器となるでしょう。
眼科医の魅力とやりがい6つ
眼科医の仕事は、患者の生活の質を直接的に改善できる喜びから、最新医療技術との関わりまで、様々な面で充実感を得られる専門分野です。ここからは眼科医の魅力や、やりがいを詳しくご紹介します。
患者のQOLに深く関われる
視覚は人間の感覚の中で最も重要な感覚の一つです。眼科医は患者の視機能を改善することで、直接的にQOL(生活の質)の向上に貢献できます。
白内障手術後に「見えるようになって本当に嬉しい」という患者の声を聞くことは、眼科医として最大のやりがいの一つです。手術や治療によって患者の視界が明るくなり、日常生活の質が劇的に改善する様子を目の当たりにできます。 あわせて読みたい
広い専門領域を扱える
眼科医療には様々な専門分野があります。主な専門領域を挙げると以下のとおりです。
- 角膜・結膜疾患
- 網膜・硝子体疾患
- 緑内障
- 小児眼科
- 神経眼科
- ロービジョンケア
これらの領域だけでなく、例えば小児眼科であれば小児科の知識が必要になってきますし、神経眼科なら神経内科や神経外科の知識が求められます。
医師として非常に幅広い見識を蓄えることができるのも、眼科の大きな魅力の一つです。
最先端医療に触れることができる
眼科医療は技術革新が著しい分野です。新しい手術機器や検査機器が次々と開発され、治療の選択肢も広がっています。
iPS細胞による再生医療の技術革新でも、最先端を走っているのは眼科です。
AIによる画像診断や、OCT(光干渉断層計)などの最先端機器を使用することで、より精密な診断や治療が可能になっています。
これらの技術進歩に携われることも、眼科医の魅力の一つです。
多くの手術に携われる
眼科では手術を行う機会が多くあります。特に白内障手術は件数が多く、手術手技を磨く機会に恵まれています。
手術時間が短い場合、1日に何件もの手術をこなすこともあり、研鑽の機会に事欠きません。
手術の種類も豊富で、以下のような様々な手術を経験できます。
- 白内障手術
- 網膜硝子体手術
- 緑内障手術
- 角膜移植
- 斜視手術
ワークライフバランスが整っている
眼科は比較的緊急手術が少なく、夜間の呼び出しも他科と比べて少ない傾向にあります。 あわせて読みたい
また、外来診療中心の働き方も選択できるため、ワークライフバランスを取りやすい診療科です。
育児や家庭との両立を考える医師にとって、この点は大きな魅力となっています。また開業の選択肢も広く、自分のライフスタイルに合わせた働き方を選択できます。
眼科医になるには?
あわせて読みたい眼科医になるためには、2年間の初期臨床研修後、4年間の眼科臨床研修を受ける必要があります。
初期臨床研修では、内科や外科など基本的な診療科をローテーションしながら、医師としての基礎を学びます。
この期間は将来眼科医になるためにも重要で、全身疾患と眼症状の関連性を理解する貴重な機会となります。
眼科臨床研修期間中は、基本的な眼科検査技術の習得から始まり、徐々に診断・治療計画の立案、手術手技の習得へと進んでいきます。
特に手術については、最初は助手として参加し、経験を積みながら段階的に執刀医として技術を磨いていきます。
研修修了後は、臨床の場で働きながら条件を満たすことで、日本眼科学会専門医試験の受験資格が得られます。
試験に合格すると、晴れて眼科専門医として認定されます。
眼科医としての働き方
眼科医のキャリアパスは多岐にわたります。ここでは病院勤務医から開業医、研究職まで、様々な働き方をご紹介します。
病院勤務
眼科医が働く場として最も多いのが、病院やクリニックです。 あわせて読みたい
病院勤務の場合はさまざまな症例を診る機会があり、手術にも多く関わることができます。
特に大学病院では、難症例や珍しい症例を経験できる機会が多く、専門医資格取得に向けた研鑽を積むのに適しています。
また臨床研究に携わることもでき、学会発表や論文執筆のチャンスも豊富です。
クリニック勤務の場合、外来診療がメインとなります。クリニックによって力を入れている診療分野が異なるため、自分に合った分野で働くことができるのがメリットです。
開業医
眼科医としての経験を十分に積んだのち、開業医として自分のクリニックを立ち上げる選択肢もあります。
勤務医と違うのは、自分が提供したい医療を自分で決められる点です。
病院勤務よりも患者との距離が近くなるため、コミュニケーションが得意、好きだという方に向いています。
ただし開業医には、医師としての知識やスキルだけでなく、経営センスや医療以外の仕事もこなすタフさも必要です。
アルバイト
非常勤医師としての勤務も可能です。週に数日だけ診療所や病院で働く形態で、以下のような特徴があります。
- 柔軟な勤務形態
- 複数の医療機関での経験が積める
- 育児や研究との両立が可能
- 収入の補完としても活用できる
アルバイト形式での働き方は、子育て中の医師や、研究活動と臨床を両立させたい医師にとって、魅力的な選択肢です。 あわせて読みたい
研究医
眼科学の研究者としてのキャリアも選択できます。研究医の仕事の特徴は以下のとおりです。
- 最先端の医学研究に携われる
- 新しい治療法の開発
- 国際的な活動の機会
- 大学での教育活動
- 臨床と研究の両立も可能
基礎研究から臨床研究まで、幅広い研究フィールドがあります。特に近年は、再生医療やAI技術の応用など、革新的な研究テーマが増えています。
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海外ボランティア
国際医療支援活動に参加する道もあります。発展途上国での医療支援や、国際NGOでの活動などが含まれます。病院やクリニックでは経験できない、さまざまな学びがある働き方です。 あわせて読みたい
また、眼科医としての功績だけでなく、国際貢献や人道支援といった意味合いでも価値があります。
言葉の問題や文化の違いなど、乗り越えるべきハードルは多いですが、その分やりがいも大きく、医療技術の伝播にも貢献できる仕事です。
眼科医の将来性
眼科医療の需要は、高齢化社会の加速とともに着実に増加しています。
また、デジタルデバイスの普及による目の健康への関心の高まりも、眼科医療の重要性を増大させています。ここからは、眼科医の将来性について見ていきましょう。
年収
眼科医の年収は、他の診療科に比べるとやや低い傾向があります。労働政策研究・研修機構の調査によると、平均で1,079万円でした。眼科医の年収が低めなことには、当直業務や夜間の緊急手術などの、時間外労働が少なさが背景にあります。 あわせて読みたい
ただし、年齢や勤務先、働く地域によって違いがあるため、あくまでも目安として考えておくべきです。
一方で、開業医の場合はレーシックやICLといった専門性を極めたり、集患に注力したりすることで、勤務医よりも高い年収水準を達成できます。
また、ワークライフバランスが良好に保てる側面を活かし、複数の医療機関でのアルバイト勤務を組み合わせることで、収入を増やすことも可能です。
需要は高まる予想
眼科医療の需要は今後も高まると言われています。その背景には、以下のようなものがあります。
- 高齢化に伴う白内障や緑内障患者の増加
- デジタルデバイスの普及による目の疲労や近視の増加
- 生活習慣病に関連する眼疾患の増加
- 予防医学としての定期検診の重要性の認識向上
高齢化の加速だけでなく、パソコンやスマートフォンなどの普及が進んだことによる、子どもや若年層の目のトラブルも、ニーズが増えている大きな要因です。 あわせて読みたい
眼科専門医へのキャリアアップも可能
眼科医としてのキャリアアップを目指す場合、主に以下のような選択肢があります。
- 眼科専門医資格の取得
- サブスペシャリティ領域の専門医資格
- 学位取得
- 臨床教授などの教育職
- 学会での活動や役職
専門医資格の取得は、キャリアアップのための最初のステップです。 あわせて読みたい
また、特定の分野に特化したサブスペシャリティの取得により、より専門性の高い医療を提供することができます。
転科を考えているなら医師専門の転職エージェントに相談しよう
眼科医を目指しての転科は、医師としてのキャリアを大きく左右する重要な決断です。
眼科で働きたいと考え始めたら、まず転職エージェントに相談してみることをおすすめします。
転科の成功には情報収集が何より重要です。
信頼できる身近な医師への相談に加えて、専門家の客観的な意見を聞くことで、より確実な判断が可能になります。
医師専門転職エージェントのメッドアイでは、地域の医療事情や業界のトレンドを踏まえた上で、非公開を含めた豊富な求人情報から、幅広い提案が可能です。転科を決断した後だけでなく、検討段階からの利用がおすすめです。無料で相談ができ、理想のキャリアを実現するためプランづくりからサポートします。
まとめ(眼科医にはどんな人が向いている?)
眼科医は、患者の視機能を守り、生活の質を直接的に向上させることができる仕事です。
高齢化社会の進展とデジタル機器の普及により、その需要は今後さらに高まると予想されています。
転科を考えている場合は、医師専門の転職エージェントに相談することをおすすめします。
医師専門転職エージェントのメッドアイでは、豊富な経験と情報を基に、無料相談を通じて、一人一人のキャリアプランに合わせた適切なアドバイスを提供しています。
眼科医は、高度な専門性と技術が求められる職業ですが、その分だけやりがいと将来性のある魅力的な診療科といえます。明確な目標を持って取り組むことで、確実にキャリアを築いていくことができるでしょう。