「臨床以外の働き方を考え始めている」「臨床の仕事にやりがいを感じられなくなってきた」と感じていませんか?
医師という国家資格を活かしながらも、臨床とは異なるフィールドで活躍している方も多くいます。

本記事では、医師が臨床以外で活躍できる職業12選を、年収・QOL・やりがいなどの軸で詳しく紹介します。
キャリアチェンジを検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

臨床医が他の職業に転職する3つの理由

臨床医が他の職業に転職する主な3つの理由について解説します。

  1. 過剰な業務負荷
  2. 精神的負担
  3. 職場の人間関係

① 過剰な業務負荷

臨床医が転職を考える最大の理由の一つに、過剰な業務負荷による心身の疲弊が挙げられます。

2024年4月から「医師の働き方改革について」による時間外労働の上限規制が本格スタートしましたが、医療現場の人手不足や業務量は一朝一夕には解消されず、今なお過剰な業務負荷に悩む医師は少なくありません。
形式上の残業時間は抑制されても、持ち帰り仕事やサービス残業(自己研鑽扱い)への付け替えが起きるなど、実質的な負担が軽減されていないケースも散見されます。

「当直やオンコールに縛られず、家族や大切な人と過ごす時間を増やしたい」「健康的な生活リズムを取り戻したい」と考え、臨床以外のフィールドへキャリアチェンジを決意する医師は増えています。

転職を検討する際は、次の職場の実質的な業務負担や勤務形態について事前に詳しく調べておくことが重要です。診療や業務で調べる時間が取れない場合は、内部事情に詳しい転職エージェントを活用するのがおすすめです。


② 精神的負担

医師という職業は人の命を預かり、少しのミスが取り返しのつかないことになりかねないため、精神的負担が非常に大きいといえます。
そして9割以上の医師が、医療ミスや訴訟などの不安を抱えながら業務を行っているというデータもあります。
参照:【医師アンケート調査】「医療事故の刑事罰」について、9割以上の医師が不安を感じている

精神的な負担から解放されたいという理由で、新たな道に進むことを検討する方もいるでしょう。

③ 職場の人間関係

医師の人間関係は、医局内の上下関係や対立、看護師・薬剤師・コメディカル・事務スタッフなどの多職種との連携など、非常に複雑です。
その他にも医局や部門間の権力闘争や、人事異動による環境の変化でも人間関係が複雑になりやすいでしょう。

人間関係の悪い職場は精神的にかかる負担も大きいため、自分のキャリアや心身の健康の妨げになるのであれば、思い切って転職するのがおすすめです。

臨床以外のおすすめの職業12選

ここからは臨床医以外の職業について解説していきます。
臨床医として別のステージに移る人もいますが、今回は職業ごと変える場合について解説します。

職種年収目安QOLの高さやりがいの軸
産業医約1,200万円◎(当直なし)働く人の健康を支える
保険会社の社医約1,000万〜1,400万円◎(当直なし・デスクワーク中心)医学的知識を活かした査定・鑑定
製薬会社(MD)〜3,000万円◎(在宅OKもあり)医薬品開発
医療系ITサービス企業500〜700万円○医療×ITの革新
基礎研究職約500万円○医学の探求
医療機器などの開発職約600万円○新しい機器の創出
コンサルタント1,000万円〜△(激務)経営・戦略支援
公衆衛生医師約700万円◎(定時)地域の健康支援
矯正医官約1,400万円○更生支援
医系技官(厚労省)約1,000万円○制度設計
医務官(外務省)約1,000万円△(海外赴任)国際貢献
保健所・県庁職員400〜700万円◎地域行政

一般企業への転職

1. 産業医

産業医は、職場で働く労働者の心身の健康を守る仕事です。
具体的な業務内容は、月1回の職場巡視や労働者の健康診断や面接指導、労働環境の改善に関する助言、職場内の健康被害の状況調査などです。

勤務医とは異なり、緊急の呼び出しや当直がありません。また週休3日以上のケースも珍しくありません。
平均年収は1,200万円程度となっています。

2. 保険会社の社医

保険会社の社医は、生命保険の加入査定や給付金支払いの妥当性判断など、医学的知見に基づいた査定・評価を行う仕事です。 病院勤務のような当直や夜間呼び出しはなく、デスクワーク主体の規則的な勤務が可能です。

年収目安は1,000万〜1,400万円程度となり、ワークライフバランスを重視する医師から非常に人気の高い選択肢です。

3. 製薬会社 (メディカルドクター)

メディカルドクターは製薬会社に勤める医師で、新薬の開発における臨床試験の実施やプロトコルの作成などを行う仕事です。

基本的に日当直、オンコールはなく、在宅勤務やアルバイトで働くことを認めている会社が多くあります。
収入に関しても高めの傾向で、年収3,000万円を超える医師もいます。

4. 医療系ITサービス企業

臨床医の経験を活かして医療系ITサービス企業に就職する道もあります。
医療用アプリやAI、WEBシステムの開発など、医療とITを絡めた領域での仕事です。

医療計算アプリの「メドカル」のような、医療向け機器を販売する企業なども含まれます。医療系ITサービスに関する求人を見てみると、年収の傾向はまちまちです。
年収500〜700万円ほどの求人が多いものの、それ以上の求人も多いため収入面ではそこまで大きなデメリットはないでしょう。

5. 基礎研究職

病気になるメカニズム、治療・予防方法などを大学や医学研究機関で研究する仕事です。
研究職であるため、人とコミュニケーションを取るのが苦手な人も働きやすい環境となっています。
勤務時間は臨床医で働く場合よりも短く、収入面はおよそ500万円程度です。

6. 医療機器などの開発職

医療機器などの開発職としてのキャリアを歩むことも存在します。医療機器の開発職は、医療知識だけでなく人間工学や専門知識が求められます。

具体的に開発職になると正社員で働くことが一般的になるので、勤務時間は臨床医と比較して短くはなるでしょう。
収入面も臨床医に比べて低くなり、年収は600万円程度です。

7. コンサル業界への転職

医師から一転、外資系のコンサル業界に転職するケースも存在します。
しかし、非常に高難易度なので入念に準備する必要があります。

収入面に関しては、臨床医と同じかそれ以上稼ぐことも不可能ではありません。

公務員への転職

8. 公衆衛生医師

公衆衛生医師とは、主に各自治体の保健所や保健センターで働く医師のことです。
母子保健や生活習慣病、食品衛生などの面から地域の人々の健康を支えるのが主な仕事です。

公務員なので残業がなく、勤務時間は確実に臨床医よりも短くなります。
収入面は700万円程度となっていますが、福利厚生が手厚いので臨床医と比較しても遜色ないほど充実していると言えるでしょう。

9. 矯正医官(刑務所等の医師)

矯正医官は刑務所で被収容者の診察及び疾病の予防を行う医師で、被収監者の疾病の予防や健康管理が主な仕事です。

メンタル面での負担が大きいかもしれませんが、収監者の更生を見届けることにやりがいを感じられます。
年収は1,400万円程度で、臨床医と比べても遜色ないでしょう。

10. 厚生労働省で医系技官

医系技官とは医師免許を持った行政官のことで、専門的な知識を活かした保健医療に関わる制度作りが主な仕事です。

海外への赴任や国にかかわる仕事ができるため、やりがいも非常に大きいことが特徴です。
年収は1,000万円程度で、臨床医と大きく変わりはないでしょう。

11. 外務省で医務官

医務官とは在外公館に勤務し、医務に関する事務に従事する人のことです。

発展途上国におけるODA(政府開発援助)の推進、邦人援護活動などが主な仕事です。
収入は1,000万円程度ですが、非常に就職難易度が高いので入念に準備しましょう。

12. 県庁や保健所

地域全体の健康づくりを推進するのが主な仕事です。
福利厚生が手厚いので、ライフワークバランスを重視している方には魅力的です。

令和2年に実施された「地方公務員給与の実態」によると、県庁の年収はおよそ661万円でした。


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まとめ(医師に臨床以外のおすすめの職業)

医師は転職しても高収入であることが多くあります。
臨床医の仕事や待遇に不満があるなら、前向きに転職を考えても良いでしょう。

もし転職に失敗しても、短い期間であれば臨床医に戻ることも決して難しくありません。
まずは自分がどの領域でどれだけ活躍できるかを把握しておくだけでも、キャリアプランの幅がでて解像度もあがるのではないでしょうか。

臨床医の経験を活かして、医療系の別職種に就こうと考える方もいるでしょう。
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