医師は求人が多く転職しやすい職業と言えます。しかし「今抱えている悩みが転職で解決するのか」ということで悩んでいる方もいるのではないでしょうか。

  • 医師が転職を考える理由となっている悩みは?
  • 転職の前に考えておくべきキャリアプランは?
  • キャリアプランをどのようにイメージすればいい?

このように考えている方に、プロの転職エージェントが「医師の転職の悩み」について解説します。キャリアプランに悩んだ時の考え方など、転職する際の参考にしてください。

医師の転職・よくある5つの悩み

転職に関わる悩みはさまざまですが、大きく分けると以下のようなことが挙げられます。

  • 過大な業務負担の悩み
  • 人間関係の悩み
  • 収入面の悩み
  • 医局で働くことでの悩み
  • プライベートの悩み

これら5つの悩みについて詳しくみていきましょう。

悩みの種類主な原因よくある転職先の例
過大な業務負担長時間労働・当直勤務日数の少ないクリニック、健診センター
人間関係医局の派閥・上下関係民間病院、自由診療クリニック
収入年功序列・診療科格差自由診療、美容医療、産業医
医局での働き方医局人事・方針の違い医局非所属の一般病院、フリーランス
プライベート子育て・介護との両立非常勤、時短勤務の医療機関

1.過大な業務負担の悩み

長時間労働や休日の少なさなど、激務に耐えられずに転職する医師もいます。
主な仕事は診察や治療ですが、医師の仕事はそれだけではありません。
外来診療を行いつつ病棟の業務をこなさなければならない上、研究論文の作成や勉強会への参加などもあります。
また当直や休日勤務が必要な職場もあるでしょう。

業務量の多さが長時間労働につながり、心身に大きな負担がかかってしまうのです。

2.人間関係の悩み

転職に関する悩みのなかでも大きな割合を占めるのが「人間関係の悩み」ではないでしょうか。
どのような職場でも人間関係の悩みは起こりますが、医師の場合は今後のキャリアに大きく関わるケースもあるため放っておくことはできません。

特に医局の派閥上下関係、医局人事など医局に所属する医師ならではの問題があることも、医師の人間関係の特徴の一つです。
キャリアに関わるとはいえ、このような人間関係のしがらみがストレスとなり転職を決断する医師もいます。

3.収入面での悩み

「現状の収入に不満がある」「さらなる収入アップを目指したい」という理由から、転職する医師も多くいます。

医師は本来収入の高い職業です。
しかし年齢や勤続期間、就業する施設によっては医師の平均以下の収入となるケースもあり、収入アップを考えて転職する医師もいます

4.医局で働くことでの悩み

初期研修を修了した医師の多くが医局へ入局します。これが転職の理由となることもあるのです。
医局に関する転職理由は「医局の方針と合わない」「医局内の人間関係に疲れた」などといったものです。

医局の内情が大きなストレスとなっているため、医局から離れてキャリアを積みたいと考える医師も多くなっています。


5.プライベートの悩み

業務内容によっては結婚や子育て、介護などとの両立が難しいことから転職を考える医師もいます。

仕事と家庭の両立の悩みはどの職業にもあることで、うまく立ち回るためには働き方を考えることも必要です。
周囲の理解や協力があれば従来の働き方を続けることも可能ですが、なかなか難しい場合もあるでしょう。
そういった場合は、働きやすい職場や勤務形態を希望し転職を決意する医師も多いのが現状です。

医師の転職・キャリアプランで悩んだ時は?

転職するにあたっては、自身のキャリアについてしっかりとプランニングすることが重要です。
ここではキャリアプランで悩んでしまった場合、どのようにイメージしたら良いかみていきましょう。

キャリアプランを立てる前に考えるべきこと

キャリアプランを立てる上で重要なのは「最終的にどのような状態にあるべきか」をイメージすることです。
医師として経験を積んだ自分が、どこでどのような医療に携わっているのかを事前に設定しておくことで、それまでの途中経過もイメージしやすくなるでしょう。

【年代別】キャリアプランのイメージ

キャリアプランのイメージを年代別で考えてみましょう。

まず駆け出しの時期と言える20代は、知識やスキルを身に付けるいわば「土台を築く」時期です。
医師としての最終的なイメージが描けていない場合も、この時期にしっかりと仕事に取り組むことで方向性が見えてくるでしょう。

30代は専門医や認定医を目指すべき年代であるうえ、ライフステージの変化などもある時期です。
目標を達成するために必要なスキルや資金を得るためのステップアップを目指しましょう。
キャリアプランの変更を検討したい場合は、この年代までに目途をつけておく必要があります。


40代は収入に関わる判断が求められる年代です。
キャリアプランの達成状況や家庭状況によっては、収入面を最優先に転職の可否を考える必要も出てきます。
収入とキャリア、両方から考えた上で最終的に決断する時期が40代であると言えます。


勤務医であれば定年が見えてくる時期が50代です。
また仕事面ではこれまでのキャリアを続けるか、セカンドキャリアを検討するかの決断の時期でもあります。

このように、最終的な医師としての姿に加え年代別のキャリアプランをイメージすることは、転職にも大いに役立つでしょう。

【働き方別】キャリアプランのイメージ

働き方によっても、キャリアプランのイメージは異なります。

勤務医として働く場合は、大学で専門領域の研究に従事する、地域医療に貢献する、美容医療や不妊治療など自由診療の分野で活躍するなどさまざまな選択肢があります。
その選択肢の多さを活かして、専攻したい分野に応じ専門医を取得したり、逆に総合診療の経験を積んだりするなどのキャリアプランをイメージしましょう。

開業医を目指すなら経営者、管理者としての能力も身に付けなければいけません。
さらに開業準備や経営が軌道に乗るまでの資金が必要となるため、収入面でのプランをイメージしておくことも大切です。

また医師免許を活かして臨床以外の分野に進むという選択肢もあるため、業務内容に応じた経験を積めるキャリアプランを考えましょう。

臨床以外の医師の仕事については、こちらの記事で詳しく解説していますので参考にしてください。

医師の転職でよくある悩みを解決する3つのポイント

医師の転職では、勤務条件だけでなく、将来のキャリアやライフプランにも大きな影響が及びます。
転職を成功させるためには、勢いで決めず、冷静に状況を整理しておくことが重要です。
ここでは、医師の転職での悩みを解決する、押さえておきたい3つのポイントを紹介します。

1.現職の不満を「構造的な問題」か「環境依存の問題」かで見極める

転職を考える際、多くの医師が「今の職場が合わない」「人間関係がつらい」などの不満を抱えています。
ただし、その不満が「医療業界全体の構造的な問題」なのか、「今の職場特有の問題」なのかを見極めることが大切です。

たとえば、当直の多さや業務量の偏りは職場環境による場合が多く、転職で改善できるケースがあります。
一方で、診療科全体に慢性的な人手不足がある場合は、転職しても同じ課題に直面する可能性があります。
まずは不満の原因を冷静に整理し、転職で解決できる問題かどうかを明確にしましょう。

2.キャリアの軸を1本に絞る

転職活動を始める前に、自分が何を最優先にしたいのかを明確にしておきましょう。
「収入を上げたい」「専門性を磨きたい」「家庭との両立を重視したい」など、複数の希望を同時に追いかけようとすると、かえって条件が曖昧になりやすくなります。

転職で成功している医師の多くは、“軸が一貫している” という特徴があります。
一度優先順位を明確にすれば、求人選びや面接時の判断もブレにくくなり、納得のいく転職につながります。

3.医師専門の転職エージェントを活用する

医師の転職市場は一般職と異なり、非公開求人や医局外の独自ルートの情報が多く存在します。
自分一人で探せる情報には限界があるため、医師専門の転職エージェントを活用するのも効果的です。

医師専門の転職エージェント「メッドアイ」は、条件交渉や勤務形態の調整だけでなく、キャリアプラン設計の相談にも対応しています。
「今すぐ転職するか迷っている」という段階でも問題ありません。
まずは情報収集の一環として相談してみることで、自分の選択肢を広げることができます。

まとめ(医師が転職を考える悩みについて)

医師が転職を考えるようになる悩みには業務の負担や人間関係、収入の低さなどさまざまです。
しかしこのようなことに悩んだ末に転職したにもかかわらず、転職後も同じような悩みを抱えてしまっている医師が多くいます。

転職にまつわる悩みは医師にとっては今後のキャリアプランに大きく影響します
そのため転職の際には十分な調査が必要であるとともに、最終的に医師としてどう在りたいかをイメージすることが重要です。
自分が最終的になりたい医師像から、働き方や年代ごとのキャリアプランを考えることで転職の時期などを検討していきましょう。

自分のキャリアプランや転職先の選択・事前調査に悩んだら、転職エージェント「メッドアイ」への相談もおすすめです。
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忙しい先生のキャリアプランに合わせた、理想の職場への転職を全力でサポートします。