医師として働く中で、研究日の活用はキャリア形成やワークライフバランスの改善に必要です。しかし、具体的な制度の詳細や過ごし方を知らない方も多いでしょう。

「休みや外勤のために研究日を利用したいけど、制度を深く理解できていない」
「研究日の過ごし方を知りたい」

本記事では、医師の研究日の概要やメリット、具体的な過ごし方を解説します。有効活用する方法や研究日を取得しやすい働き方まで説明しているため、働き方を見直したい方は、ぜひ参考にしてください。
医師の研究日について詳しく知り、休みを有意義なものにしましょう。

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医師の研究日とは?

医師の研究日とは、診療業務から離れて、研究活動や休息に充てられる日です。設けることで、最新の医療知識や技術を習得し診療の質を高めたり、リフレッシュできたりします。

大学病院に特有の制度だと思われがちですが、近年は一般病院でも設けている場合があります。医師のモチベーション向上や病院全体の医療レベルの向上が期待できるためです。

勤務先が研究日を設けているかどうかは、個々の病院の規定や方針により異なります。

研究日を取得したいと考えている医師は、求人情報を確認する際に、研究日の有無や取得状況をチェックするとよいでしょう。求人サイトでは、週にどのくらい研究日を取得できるのかが記載されています。

医師の研究日の2つのメリット

医師が研究日を取得すると、以下のような2つのメリットを得られます。

  • スキルアップやキャリアップにつながる
  • ワークライフバランスを改善できる

メリットを理解すると、研究日の必要性を再認識でき、取得しやすい職場選びに役立つでしょう。次の章で詳しく解説します。

1.スキルアップやキャリアップにつながる

研究日を利用することで、最新の医学論文を読んだり学会に参加したりでき、専門分野の知識を深められ、医師としての価値が高まります。

また、医師は研究日に他の医療機関で働くことも多いため、常勤先とは異なる環境で働き、診療の幅を広げる貴重な機会になります。

専門性の高い手術や手技を経験できる可能性もあり、医師としてのスキルアップにもつながるでしょう。

2.ワークライフバランスを改善できる

研究日は、毎日忙しい医師がワークライフバランスを改善できる日です。
近年、医師の長時間労働や過重労働が社会問題となっています。

厚生労働省の「医師の勤務実態について」の調査によると、年間換算で休日や時間外労働が960時間を超える医師の割合が全体の21.2%と約4分の1を占めています。
出典:厚生労働省「医師の勤務実態について

長時間労働になりやすい医師だからこそ、研究日を活用し、休息をしっかりと取る機会を設けましょう。

医師の研究日の3つの過ごし方

医師の研究日には、さまざまな過ごし方があります。本章では以下の3つの過ごし方を紹介します。

  • 研究活動に専念する
  • 休暇を取得する
  • アルバイトなどを行う

キャリアプランやライフスタイルに合わせて、研究日の過ごし方を選びましょう。

1.研究活動に専念する

研究日の過ごし方として、その名のとおり、研究活動に専念する例が挙げられます。普段の診療業務と並行して行うことが難しい、時間のかかる実験や論文執筆に集中的に取り組めるでしょう。

週に1日まとまった研究日を確保できれば、1日がかりの実験を計画・実行したり、海外の文献をじっくりと読み込んだりすることも可能です。

また、研究データの解析や論文の構成を練るなど、集中力が必要な作業にも適しています。

2.休暇を取得する

研究日は、心身をリフレッシュするために、休暇のように扱う場合もあります。例えば、家族との時間を大切にしたり、趣味に没頭したりするなど休息や気分転換におすすめです。

普段の診療業務では、緊張感や責任感がともない、精神的な疲労が蓄積しやすくなります。そのため、研究日にしっかりと休息を取ることで、勤務で蓄積した心身の疲労を回復させ、仕事へのモチベーションを取り戻せるでしょう。

さらに、十分な休息は、集中力や判断力を高め、医療ミスのリスク軽減にもつながります。

3.アルバイトなどを行う

研究日に、他の医療機関でアルバイトを行う医師も少なくありません。

実際に、医師転職研究所の医師のアルバイト(非常勤)勤務に関する1,702名のアンケート調査結果によると、アルバイト(非常勤)をする医師の割合は7割以上という結果になりました。アルバイトをする目的は主に年収アップで、平均は下記のように示されています。出典:医師転職研究所「医師のアルバイト(非常勤)勤務に関する1,702名のアンケート調査結果

「年200万円未満」が最も多いですが「年200万以上400万円未満」と「年400万円以上600万円未満」も同程度です。中央値は年500万となっています。

また、収入面以外にも、医師のアルバイトにはメリットがあります。
例えば、常勤先では経験できないような症例に携わる機会を得られる可能性があり、医師としての技術や知識の幅を広げられます。専門性の高い手術や特殊な検査を経験できるかもしれません。

また、異なる医療機関のシステムや働き方を学ぶことで、視野を広げ自身のキャリアを考え直すきっかけにもなるでしょう。
アルバイトを含めた医師の副業については下記の記事にまとめました。興味のある方は参考にしてください。

医師の研究日を有効活用する3つの方法

本章では、研究日を有効活用する3つの方法を紹介します。

  • 明確な目標を立てる
  • 研究日の前に準備する
  • 目標の達成度合いを振り返る

貴重な研究日を充実させて、医師としての成長やワークライフバランスの改善につなげてください。

1.明確な目標を立てる

研究日を有効活用するために、まず「研究日で何を成し遂げるのか」という目標を立てましょう。目標が曖昧なままでは、時間を有効に使えず、成果も得られにくくなってしまいます。

したがって、SMARTの法則(5つの要素で具体的な目標を立てる手法)を用いて、具体的かつ達成可能な目標を立てましょう。

SMARTの法則内容具体例
Specific (具体的)明確で具体的な目標を設定する数か月後の論文投稿に向けて、研究の主要な結果に関するグラフを3つ作成する
Measurable (測定可能)進捗や達成度を数値化できるグラフ3つのうち、2つを作成完了
Achievable (達成可能)現実的で達成可能な目標を立てる研究日に集中して4時間確保し、グラフ作成に必要なデータ整理を行う
Relevant (関連性)全体目標に沿った意義のある目標最終的な論文の質を高めるために、図表の精度を上げる
Time-bound (期限付き)明確な期限を設定する午前中にグラフ2つを作成し、午後は残りのグラフ作成準備と文献調査を行う

注意点として、1日の研究日だけではできることが限られてくるため、数か月後1年後などの長期的な視点も含めながら目標を立ててください。

2.研究日の前に準備する

研究日当日にスムーズに活動を開始するためには、事前の準備が大切です。必要な資料や機材を事前に揃えておくと、時間を無駄にせずに研究に集中できます。

実験を行う場合は、必要な試薬や器具が揃っているかを確認し、手順を事前に確認しましょう。

また、1日のスケジュールを大まかに立てておくことも、時間を有効に使うために役立ちます。「午前中は臨床研究に関する論文を読み勉強する」「午後は休息の時間に使う」などのスケジュールを立てることをおすすめします。

3.目標の達成度合いを振り返る

研究日が終わったら、目標の達成度合いを必ず振り返りましょう。「計画通りに進み成果が得られたか」「改善点は何か」などを確認し評価します。

振り返りすることで、次回の研究日に向けた改善策を立てられ、より有効活用できるようになるでしょう。

目標を達成できなかった場合は、原因を分析し、次回はより現実的な目標を設定したり、時間配分を見直したりします。うまくいった点があれば、記録し今後の研究活動に活かしましょう。

医師が研究日・休日を取得しやすい働き方

医師が研究日や休日を十分に取得するためには、働き方の選択が重要です。
すべての医療機関で研究日が確保されているわけではないため、研究活動に力を入れたい医師やワークライフバランスを重視する医師は、下記のような働き方を検討するとよいでしょう。

  • 入院設備がないクリニックで働く
  • 産業医として働く

紹介した働き方であれば、研究日や休日を取得しやすく、希望に合ったキャリアを築ける可能性が高まります。

入院設備がないクリニックで働く

入院設備がないクリニックは、入院患者の対応がないため、オンコールや当直が発生せず研究日や休日を取得しやすい傾向です。
勤務時間も比較的規則的な傾向
にあるため、研究に集中したい医師やプライベートの時間を大切にしたい方にとって、魅力的な働き方となります。

また、緊急の呼び出しがないため、研究日に予定外の業務が入る心配も少ないでしょう。
ただし、クリニックによっては、土日祝日も診療を行っている場合があるため、求人サイトで勤務条件を事前に確認してください。

産業医として働く

産業医は、企業の従業員の健康管理を行う医師で、研究日や休日を確保しやすい点が利点です。勤務先の企業のカレンダーに沿って働くため、土日祝日が休みとなる傾向があります。

産業医の主な業務は下記のとおりです。

  • 従業員の健康相談
  • 健康診断の実施
  • 職場巡視(作業環境や衛生状態などを確認する業務)
  • 衛生委員会への参加

病院勤務医に比べて、時間外労働や緊急対応が少なく、研究日や休日を比較的確保しやすい働き方です。産業医の求人は、医師会や医師向けの転職サイト・エージェントで紹介を受けられます。

そのほかにも、休日を取りやすい職場を知りたいと考えている方は、下記の記事も参考にしてください。

医師の研究日に関するQ&A

医師の研究日によくある質問と回答をまとめました。

  • 研究日はどのくらいの頻度で取得できますか?
  • 医師の休日はどれくらいある?

次項で詳しく解説します。

研究日はどのくらいの頻度で取得できますか?

研究日の取得頻度は、勤務先の医療機関によって異なります
大学病院では、研究も医師の重要な業務の一つであるため、比較的多くの研究日が設けられている傾向にあります。

一方、一般病院では、診療が主な業務となるため、研究日の設定は病院の規定や方針によってさまざまです。多くの医療機関では、週に半日〜1日程度を研究日として設定しています。

他の医師との間で調整し合って設定されることが多いため、取得する際は病院側と相談しましょう。
研究日を取りやすい勤務先を探している方は「研究日あり」と記載されている求人をチェックしてみてください。

医師の休日はどれくらいある?

勤務医の就労実態と意識に関する調査」によると月4日以下の休みである医師は4〜5割程度です。

ただし、近年の働き方改革の推進により、医師の労働環境改善が進み、週4~5日勤務とする医療機関が増加傾向にあります。
週休2〜3日に相当し、一般的な企業と比べても変わらない水準になりつつあります。

ただし、当直やオンコールがある場合は、休日であっても緊急対応が必要になるケースがあります。

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医師の研究日とは、勤務医が週に1日または半日診療業務を離れ、自己研鑽や休息に充てる日です。
専門性を高められたり、ワークライフバランスを改善できたりするメリットがあります。

研究活動や休暇、アルバイトなど、多様な過ごし方ができます。有効活用するには、明確な目標設定や事前の準備、実施後の振り返りを行いましょう。

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