医師としてのキャリアを考えるうえで、収入面は重要な要素の一つです。

医師の年収は中央値で1,700万円とされていますが、診療科や勤務先、年齢によって大きく変動します。

医師の年収は現実のイメージ通り高いの?
年収が高い診療科ってどこ?
大学病院と民間病院で年収にどのくらい差があるの?

本記事では医師の平均年収と、年収に影響する3つの要素を解説します。医師が高年収を狙う4つの方法も紹介しているので、今の年収に納得がいかない医師は、ぜひ参考にしてください。

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医師の年収の現実は1,700万円!最低年収や中央値を解説

医師転職研究所の「【2024年版】医師の年収に関するアンケート結果」によると、医師の年収はアルバイトや副業を含めると中央値で1,700万円に達しています(※)。

主たる勤務先だけの年収では1,300万円が中央値となっており、6割以上の医師がアルバイトや副業を行って年収アップしているのが現状です。

一方、医師国家試験に合格後、研修医として大学病院で働き始めた頃の年収は、300万円~500万円が相場となっています。同年代で一般企業に勤務する人と比べても大きな違いはないでしょう。

このように、医師のキャリアの中でも、若手医師の年収と平均年収には開きがあります。

また、年収が1,700万円でも、以下の税金や保険が給与から差し引かれるため手取り収入は1,100万円程度になるでしょう。

  • 所得税
  • 住民税
  • 健康保険
  • 厚生年金
  • 介護保険
  • 雇用保険

高収入でも、税や保険料の負担によって手取りは少なくなります。
※調査の方法によって平均年収が異なります。

医師の平均年収

本章では、医師の平均年収を以下の4つの観点から紹介します。

  • 診療科別の平均年収
  • 経営母体別の平均年収
  • 年齢(20代~70代)別の平均年収
  • 開業医(クリニック院長)の平均年収

それぞれの項目を確認して、自身のキャリアプランを考える際の参考にしてください。

診療科別の平均年収

診療科別の平均年収のランキングは下記のとおりです。

順位診療科平均年収
1位脳神経外科約1,480万円
2位産科・婦人科約1,466万円
3位外科約1,374万円
4位麻酔科約1,335万円
5位整形外科約1,289万円
6位呼吸器科・消化器科・循環器科約1,267万円
7位内科約1,247万円
8位精神科約1,230万円
9位小児科約1,220万円
10位救急科約1,215万円

参考:独立行政法人 労働政策研究・研修機構「勤務医の就労実態と意識に関する調査

年収は緊急対応の頻度や勤務時間、手術件数などが影響していると考えられます。
例えば、脳神経外科は緊急性の高い疾患を扱い、手術件数も多いことから、労働時間が長くなり高収入の傾向です。

また、産科・婦人科は、オンコールや当直業務の頻度が高く、その分給与が高いとされています。

経営母体別の平均年収

医師の平均年収は勤務する経営母体によっても大きく変わってきます
経営母体別の平均年収は以下のとおりです。

経営母体平均年収特徴
医療法人
(民間病院など)
約1,506万円経営の自由度が高くインセンティブ制度あり
公的医療機関
(日本赤十字社、済生会、厚生連など)
約1,384万円比較的安定した給与体系
国立
(国立病院機構、国立大学法人など)
約1,323万円安定性はあるが
固定的な給与体系で上限あり

参考:中央社会保険医療協議会「第23回医療経済実態調査の報告(令和3年実施)

このように、経営母体によって平均年収が異なります。
大学病院から民間病院に転職するなど、異なる経営母体の医療機関に転職すると年収アップする可能性があるでしょう。

性別・年齢(20代~70代)別の平均年収

医師の平均年収は年齢に大きく影響を受けています。「経験年数」「専門性」「責任の大きさ」によって役割が変化し、報酬も上がる構造になっているためです。

また、年齢を重ねることでポジションや働き方の選択肢も広がり、収入にも差が出てきます。
年齢別の平均年収は以下のとおりです。

年齢層男性医師(万円)女性医師(万円)
20~24歳344.8311.7
25~29歳445.2425.5
30~34歳581.7648.4
35~39歳809.8698.2
40~44歳896.6871.2
45~49歳1100.5926.4
50~54歳1270.81314.6
55~59歳1263.51050.2
60~64歳1394.5875.0
65~69歳1231.21166.6
70歳~1234.8784.3

参考:e-Stat 政府統計の総合窓口 賃金構造基本統計調査「令和元年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種

20代の研修医期間は400万円台と比較的低い水準です。
男性医師は30代後半になって転職や開業をするタイミングで年収が増加していると考えられます。

一方で女性医師は、出産・子育てなどで長時間勤務が難しかった時期を経て、40代以降に子育てが落ち着いたことでフルタイム勤務が可能になり、収入が増加していると考えられます。

開業医(クリニック院長)の平均年収

2023年度の厚生労働省「医療経済実態調査報告」によると、開業医の平均年収は約2,831万円(入院診療収益なし)と勤務医の平均年収(1,700万円)を大きく上回る金額です(※)。

ただし、診療科目や立地、経営戦略によって売上は大きく変動します
例えば、地方で開業した場合は、地域内に病院やクリニックが少ないことから、1施設あたりの患者数が多くなりやすく、結果として収益を上げやすいとされています。

また、開業には数千万円から1億円以上の初期投資が必要となるため、リスクも大きいことには注意が必要です
※勤務医は給与から算出される一方、開業医は事業収益から経費を差し引いた損益で計算されるため、単純な比較はできません。

医師の年収が割に合わないと言われる2つの理由

医師の年収が割に合わないと言われる理由は、以下のとおりです。

  • 研修医期間の給与が低いため
  • 努力と年収が見合っていないため

事前に知ることで、過度な期待や理想を抱かず、現実的なキャリアを描けるでしょう。

1.研修医期間の給与が低いため

医師は高収入な職業と考えられがちですが、研修医期間の給与は低く「割に合わない」と感じる人も少なくありません。
長い年月をかけて学び、多くの学費を費やして医師になっても、卒業後すぐに高収入が得られるわけではないためです

実際に、厚生労働省の「臨床病院における研修医の処遇」によると、初期研修医の平均年収は下記のとおりです。

 1年目2年目
全体平均435万円481万円
臨床研修病院平均451万円502万円
大学病院平均307万円312万円

参考:厚生労働省 「臨床病院における研修医の処遇

特に研修先が大学病院の場合は、平均よりも低いことがわかります。

このように、研修期間中は給与が低いため「まだまだ医師になるための準備期間である」という感覚もあるでしょう。

しかし、大学で奨学金を借りた場合などは、卒業後はできるだけ早く収入をアップしたいと考える医師は多い傾向です。
こうしたジレンマから、収入の低さがストレスになり、年収が割に合わないと感じる医師も多いでしょう。

2.努力と年収が見合ってないため

医師は高収入と見られがちですが、実際には努力と年収が見合わない側面もあります。

医師として働き、5〜10年の経験を積むと年収1,000万円を超えるケースが多くなりますが、その裏には過酷な労働環境があります
勤務医の労働時間の長さは常に問題視されており、「働き方改革」の実施を受けても、すべての医師の労働時間が減ることは難しいのが現状です。

24時間以上の拘束時間を月に何度も行ったり、休日でも呼び出しがあれば業務に駆けつけなければならないストレスがあります。

そのため、高収入を目標として医師になったのであれば、現実とのギャップから「割に合わない」と思う方もいるでしょう。だからこそ、収入だけでなく「なぜ医師として働き続けたいのか」を明確にする必要があります。

医師が高年収を狙う4つの方法

医師が高い年収を目指すには、以下4つの方法があります。

  • 職場に相談する
  • アルバイトをする
  • 年収の高い職場に転職する
  • フリーランス医師になる

年収を上げるために、本章の内容をチェックしてください。

1.職場に相談する

年収アップを目指すなら、まずは職場に相談するのがよいでしょう。

医療業界全体で人手不足が深刻なため、病院側は医師に離職されると困る場合が多いです。そのため、給与アップに応じてもらえる可能性があるでしょう

相談する際は、自分の実績や病院への貢献度合い、市場価値を具体的に示しながら、話し合ってください。

2.アルバイトをする

医師の年収を上げる方法として、本業以外にもアルバイトをする選択肢があります。

リクルートドクターズキャリアの調査によると、非常勤の時給相場は1万円前後と報告されているので、限られた時間でも十分な収入を得られるでしょう。

また最近では、オンライン診療など、働く時間を選びやすいアルバイトを行うことも可能です。
医師のアルバイト時給については以下にまとめました。アルバイトを始める前の参考にしてください。

3.年収の高い職場に転職する

医師が年収を上げたいと考えるなら、今よりも待遇のよい職場に転職するのが有効な手段です。

医師にとって転職は珍しくなく、平均すると4〜5回転職するという医師が多く見られます。また、慢性的な医師不足のため、常に売り手市場であるという背景もあり、医師の転職は引く手数多と言えるでしょう。

とはいえ、医師が現在の仕事をこなしながら、転職のために情報収集をしていくことは大変なことです。

そこで医師特化型の転職エージェントをおすすめします。多数の医師のキャリア形成に関わってきたため、情報量が豊富で適切なアドバイスも受けられます。

特に「メッドアイ」は医療業界の動向に精通しており、非公開求人や高待遇求人を多数保有しているため、年収を上げたい医師におすすめです。

また、職場ではなかなか相談がしにくい、キャリアプランに関する悩みにも親身に対応してくれます。

4.フリーランス医師になる

フリーランス医師とは、特定の医療機関に所属せず、複数の医療機関と契約して非常勤で働く医師です。

自分のスキルを活かしながら複数の医療機関で働くと、収入を上げられます。

例えば、時給1万円で1日8時間、週5日働いた場合のフリーランス医師の年収は約1,920万円です。アルバイトなしの勤務医の平均年収(1,300万円)に比べて約620万円高くなります
医師が不足している地域や専門性が高い診療科などでは、時給が2万円近くなることもあります。
しかし、年収アップが期待でき、働く時間を自由に調整できるというメリットがある一方で、デメリットも多い働き方です。
例えば、自分が希望するタイミングや条件で確実に働けるとは限らず、仕事が不安定になりやすい点が挙げられます。
また、税金や保険料、年金などの手続きをすべて自分で行う必要があるのも負担になるでしょう。

こうしたメリットとデメリットを比較したうえで、慎重に選択することが大切です。

医師の年収はこれからどうなる?

医師の年収は将来的に減少する可能性が高いとされています。
実際に、Dr.転職なびのアンケート調査によると32.8%の医師は「医師の働き方改革」以降、年収が減ると見込んでいます。

特に時間外労働の上限規制は、これまで当直や時間外診療で収入を得ていた医師にとって、大きな影響を与えると考えられます。

また、医療費抑制政策が続く中、診療報酬の改定が行われていることも将来的に医師の年収が減少する理由として挙げられます。診療報酬が下がることで、医療機関の収益が低下し、人件費が削減されると考えられているためです。

今後のキャリアや収入に不安を感じる場合は、医師専門の転職エージェントの活用がおすすめです。

自分のスキルや経験に合った好条件の求人を見つけることで、適切な報酬が確保でき、収入の減少リスクに備えられます。

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医師の年収は診療科、医療機関の種類、年齢によって大きく異なり、中央値で1,700万円です
診療科別では脳神経外科や産婦人科が上位を占め、経営母体別では医療法人が高い傾向にあります。

しかし、医師になるまでの長い教育期間と多額の費用、過酷な労働環境を考えると、必ずしも満足できる水準ではないと感じる医師もいるでしょう。

そのため、下記の4つの方法で年収アップしましょう。

  • 職場に相談する
  • アルバイトをする
  • 年収の高い職場に転職する
  • フリーランス医師になる

特に転職は高収入を実現しやすい選択肢のため、検討してみてください。

現在の年収や将来の収入に不安を感じている医師には、医師特化型転職エージェント「メッドアイ」がおすすめです。「メッドアイ」は医師の転職に特化したサービスで、非公開求人を含む多数の高待遇案件を保有しています。

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