医師が研修を終え、ある程度実力が備わってくる時期が30代と言われています。
この時期には、初めての転職を経験する医師も少なくありません。

初めての転職では、下記のような迷いや不安を持つ方も多いと思います。
「30代の医師の転職事情はどうなっている?」
「転職を決断する判断基準が知りたい」
「転職に失敗しないためのポイントが知りたい」

医師の転職は、ライフスタイルとのバランスや、医師として進みたい方向のバランスを考えながら判断することが大切です。

ーーこの記事を読んで得られるものーー

  • 転職を決断する判断基準
  • 転職で失敗しないポイント

実際の事例を交えながらご紹介しますので、転職を考え始めた30代医師の参考になれば幸いです。


30代医師に多い転職理由TOP7

30代は「初めて転職する医師」が多い世代です。
それでは、30代の医師が転職を希望する理由にはどのようなものが多いのでしょうか?
実例をもとに、よくある理由をピックアップしてみました。

事例参照元:リクルートドクターズキャリア

1位:家族との時間を大切にしたい

— 事例 —

以前は、東京都下の総合病院で内科医をしていました。 循環器外科で医局派遣の夫と、一緒に食事をとれるのは月に何日もない状況。私が職場を変えるしかないと思いました。

労働時間が長くなったり、当直やオンコールなどが多かったりすると、家族との時間を取ることもできません。
30代ともなれば、医師としてのキャリアについて考える時期でもありますが、同時に家庭でのライフステージの変化も起こってきます。

結婚を考えたり、女性医師なら出産を迎えたり、子育ての時間が必要になってくる中で、働き方の変化を考える時期に来ているのです。

2位:更なる研究開発に打ち込みたい

— 事例 —

目の前の患者を治すことだけでなく、研究活動も続けていきたいと感じていました。 製薬会社の研究職なら、研究開発を通じて医療の発展に貢献でき、同時に治験などを通じて臨床の状況を知ることもできると思い転職を希望しました。

自分の目標を、医学の発展のための研究や開発に定めている医師であれば、一般病院や大学病院では物足りないと感じることもあるでしょう。
臨床の経験は大切ですが、研究開発の時間を削られてしまいます。
ある程度の経験が積めてくる30代で、目標である研究の場へ舵を切るための転職はベストタイミングと言えるでしょう。

3位:条件・待遇向上を目指したい

— 事例 —

やとわれ医が会社員と違うところは、経営者が変わったら突然仕事を失ってしまうリスクもあることです。 30代の今が一番キャリアアップに向けて動くべきときと考えました。また結婚を控えていることもあり、収入面でもっと条件のいいところを、と思ったのです。

勤務医としてキャリアを積んでいくのであれば、勤務先の待遇は重要です。
少しでも収入アップを目指したり、労働条件が厳しくないところを求めるのは自然なことでしょう。
また、将来の開業資金を貯めるために収入増を目指し、アルバイトも視野に入れて本業での負担を減らすような転職をするケースもあります。

4位:専門医を取得してキャリアアップしたい

— 事例 —

小児科専門医を取得後、アトピーについて取り組みたいと思い、知人が経営するクリニックに勤めたのですが…。効率ばかりを求める経営者と診療方針が合わず、転職したいと考えるようになりました。

専門医を取得後、さらにキャリアアップしたいという医師の場合、勤め先が望むスキルを得られる環境なのかどうかは、かなり重要です。
知見を深めたい分野の専門外来がある病院やクリニックなら、大いに経験を積むことができるでしょう。
さらに、自身の目指したい分野を極めている医療機関に転職することで、目標とすべきメンターとの出会いも期待できます。

5位:スキルアップのために臨床経験を増やしたい

— 事例 —

自分できちんとキャリアデザインをし、専門領域をつくって、需要と供給のバランスがとれる地域でやっていく必要があると思いました。 そのためには、私の場合もっと専門に特化した臨床が必要だと思ったのです。

「資格取得を目指し数多く臨床経験したい」といった具体的な希望は、30代の医師の転職理由として多く聞かれるものです。
まだキャリアプランが漠然としているので、臨床経験を増やして進むべき道を見極めたいというケースもあります。

6位:医局を離れたい

— 事例 —

卒業以来、ずっと大学病院で働いてきましたが、もう限界という思いで転職を決めました。 月の宿直もあり、宿直明けは診療終了まで通常勤務、オンコールも当たり前のようにありました。 休みの日にアルバイトをしてようやく何とか格好がつく程度の収入で、ここまで働くのはもう無理と思ったのです。

収入面の不満や、転勤などの医局人事、ハードな勤務から解放されたいなどの理由で、医局外への転勤を希望する医師が増えてくるのも30代医師に見られる傾向です。
学位や専門医などを取得した後は、自分で納得できる働き方をしたいと考える方も多く見られます。
派閥闘争や人事など、人間関係が難しくなってしまうこともあり、医局とは関係のない環境へ移りたいというケースも見受けられます。

7位:Uターン・Iターンで地域医療に関わりたい

— 事例 —

子どもが幼稚園に入る前に、妻と私の実家がある広島へ帰って働きたいと思ったのです。医局を離れ、しかもUターン転職となると、自力では十分な情報が集められないので、登録しました。

家庭の事情やキャリアプランの実現として、地方医療に関わるためのUターン・Iターン転職を決断する医師もいます。
将来的に家業を継ぐために、実家のある地域へ転職しておけば、その土地の医療機関や医師と関わりを築くことができます。
また、ライフスタイルの変化に伴った地方移住を望むケースもあり、その土地の医療に貢献できることでやりがいを見出す医師も多いです。

30代医師が転職する判断基準3選

「転職した方がいいのかな?」と考え始めたら、まずその理由を深く突き詰めて検討してみることがおすすめです。
その上で「今の職場で何が足りないのか?」「改善できることなのか?」と見つめ直してみるといいでしょう。

転職を判断する基準は主に下記の3つです。

  • ライフスタイルの改善
  • キャリアアップ
  • スキルや専門性

ここからは判断基準3つを説明していきます。

①ライフスタイルも改善をしたいかどうか

給与への不満や、激務が辛いといった、私生活に影響が出てしまうケースでは、自身のライフスタイルを改善したいのかが判断基準の1つになります。

子育てや、マイホームを持つなど、これからのライフプランでお金がどのくらい必要になってくるかを年収ベースで試算するといいでしょう。
また、家族との時間を取りたいと考えていたら、どの程度の労働時間までならプライベートと両立できるのかを考えてみてください。
現在の職場で勤務を続けるのは許容範囲にないと思ったら、転職を決断することをおすすめします。

給与や待遇の改善を希望する場合は、現職で交渉するのはハードルが高いため、思い切って転職した方が希望を叶えやすいです。
また、激務を避けることが目的であれば、常勤医だけで探すのではなく、非常勤やフリーランスへ転向するなどの方法もあります。
30代を超えてくると、20代までは平気だった長時間勤務もつらく感じてくることがありますので、ライフワークバランスを考えながら判断すると良いでしょう。

②今の医局はキャリアアップできる環境かどうか

医局勤めをしている医師の場合、学位や専門医の取得など有利な面もあります。

また、下記のようにキャリアプラン実現の障害になるケースも考えられるでしょう。

  • 経験できる症例に制限がある
  • 臨床業務にあまり携われない
  • 医局人事により思いがけない転勤などが発生する

キャリアアップを目指す場合は、今の医局で積める経験をしっかり積んだのかが判断基準となります。
今の職場にこれ以上いても専門的な分野に特化できないと考えるなら、転職を選択するのがおすすめです。

③研修を通して専門性を高めたいかどうか

30代の医師は、初期臨床研修と専門研修プログラムを終え、ある程度のスキルを身につけた状態を迎えます。

これから自己のキャリアプランを実現していく転機となる年齢であると同時に、結婚や出産・育児といったライフステージの変化も同時に訪れるケースが少なくありません。
将来に向け、どのようなキャリアプランを歩んでいくのかを、ライフイベントとのバランスを考えながら決めていくことになります。

その中で、研修で身につけた専門性をさらに高めていくのかどうかは重要な判断基準です。
研修中の環境が自分の働き方にあっていれば、ライフイベントを優先して現状維持という選択肢もあり得ます。
一方で、さらなる専門性を求めるのであれば、転職や転科などを選択することがおすすめです。

転職に失敗しないための3つのポイント

転職を決断したら、タイミングを考えたり転職活動をしたりと、やることや考えることがたくさんあります。
医師の転職は情報収集などに労力がかかりますが、ここをおろそかにしてしまうとミスマッチを招きかねません。

ここからは、転職に失敗しないために大切な下記の3つのポイントを解説していきます。

  1. 転職の目的や条件を明確化する
  2. 余裕を持って転職スケジュールを決める
  3. 医師転職専門のエージェントを活用する

①転職の目的や条件を明確化する

転職活動を始める際に、転職の目的や転職先に求める条件を改めて明確化しておくことが失敗しないポイントです。
転職を決断するまでの間に、ある程度目的を考えている方もいると思いますが、改めて具体的に目的と必要条件をリストアップしておくと失敗を避けられます

転職したい理由を箇条書きにし、それを解決するために必要な条件が何であるのかを具体的に設定します。
紙に書くなどして見える化するのがおすすめです。転職エージェントなどのコンサルティングを活用する時にも、自分の希望条件をスムーズに相談できます。

②余裕を持って転職スケジュールを決める

転職活動は、ゆとりを持ったスケジュールで取り組むことも失敗しないポイントです。
医師の転職には何より情報収集が大切です。転職先に求める条件が複雑化したり、求人情報で見える範囲ではわからない情報が必要になったりします。

転職を決断したら、まず大まかなスケジュールを考え、情報収集にどのくらいの期間が割けるのかは考えておくと安心です。
また、現職の退職にも想像より時間がかかります。

一般的に医師の転職には半年〜1年程度かかると言われていますので、転職希望時期を考え、逆算してスケジュールを組んでみてください。

③医師転職専門のエージェントを活用する

転職を決断したら、まず最初に転職エージェントを活用するのも失敗しないポイントです。

転職エージェントを利用する主なメリットは下記が挙げられます。

  • 基本無料で利用できる
  • 同じような悩みを持つ医師の転職をサポートした経験が豊富
  • 企業の内部情報が入手しやすい
  • 給与や労働条件などの交渉を請け負ってくれる

転職先探しや詳しい情報収集は、個人では難しい場合もありますし、条件交渉などが苦手な方もいるでしょう。
エージェントを利用する事で、転職活動で難しく感じるハードルは超えやすくなります

医師専門の転職エージェントであるメッドアイでは、採用担当者には言いづらい個人の要望も、コンサルタントが代わりに交渉し、転職を成功に導いてくれます。
また、職務経歴書作成など、転職に必要なドキュメント作成のアドバイスも受けられますし、入職前や入職後のフォローも万全です。

30代の医師が転職する3つのメリット

医師にとって30代とは、ある程度の経験やスキルを手に入れて、医師として充実した仕事ができるようになってきている時期です。

そこでここからは、30代の医師が転職で得られる3つのメリットをご紹介します。
キャリア形成のために思い切れるきっかけになれば幸いです。

  1. キャリアアップできる
  2. 給与が待遇がアップする
  3. 人間関係が改善する

①キャリアアップできる

臨床現場の業務を数多くこなしたいのに、医局人事で望んだ配属がなされないといった不満はないでしょうか?
研究や論文に関する業務と、臨床に携わりたいという方には向いていないかもしれません。
民間病院なら研究関連業務がなくなるので仕事に余裕ができ、望むスキルの向上に力を向けられます。

専門性を極めたい場合も、今の職場で十分な経験が積めないようであれば、専門の医療機関へ転職することでスキルアップを目指すことができます。
開業を目指すのであれば、経営も学べるクリニックなどに勤めるのもいい選択肢です。

このように、転職は理想のキャリアプランを築くことができるというメリットがあります。
40代や50代でのセカンドキャリアまで見据えながら、じっくりとプランを練ってみてはいかがでしょうか。

②給与や待遇がアップする

収入が十分でないと感じている方にも、転職によるメリットはあります。
特に医局にいる場合は、相場より給与が低い傾向があり、激務の割に収入が少ないと感じがちです。

また、当直やオンコールが多い環境にいる医師にとっては、労働時間が短く当直も少ない環境を望む方もいるでしょう。
こういった給与や待遇面での不満から転職を考える医師もたくさんいます。

慎重に転職先探しをして、条件をしっかり交渉することで、これらの希望が叶えられるケースは、実はとても多いのです。
メリットを享受するためには、情報収集が鍵になるとともに、どれくらいの収入増を目指すのかを明確にしておくといいでしょう。

このように、給与や待遇がアップすることも転職の大きなメリットです。

③人間関係が改善する

人間関係がうまくいっていない場合、転職して環境を一新することで解決することもあります。
今の職場のまま改善を目指すという選択肢もありますが、一度こじれてしまったものをもとに戻すのは至難の業です。

思い切って転職で人間関係をリセットすれば、今までのやりづらさやストレスから解放されるというメリットが得られます。

もちろん転職しても新たな人間関係の問題が出る可能性もあります。
新しい職場では、職場内やプライベートでの人との関わり方を考え直してみるといいでしょう。

まとめ(30代医師の転職事情)

30代の医師は、研修を終えて自信をつける時期で、同時に初めての転職を経験する年齢でもあります。

30代の医師が転職を決断するのに重視したいのは、下記3つのポイントです。

  • ライフスタイルを改善すべきか
  • キャリアプランに沿ったスキルアップができるか
  • 給与や待遇などに不満や無理がないか

長期的なキャリアプランが曖昧な場合や、初めての転職で迷っている場合は、その悩みを転職エージェントに相談することで答えが見えてくるかもしれません。

無料で利用が可能ですし、エージェントに登録=必ず転職ではありませんので、「転職した方がいいかな?」と考えるようになったら気軽に相談してみることをおすすめします。

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