患者さんの立場で見ると、お世話になる機会が多い「馴染みのある診療科」と言えるのが内科ではないでしょうか。
内科医には専門領域に特化するタイプの他に、内科全般を広く取り扱う総合内科専門医という働き方もあります。

「内科医に興味があるが、自分の性格が向いているのかどうか知りたい」
「内科医になるために必要な要素や資格が知りたい」
「他科で働いているが、内科に転職するにあたり自分は適正かどうか知りたい」

この記事では、内科医に向いている人の特徴や、内科医の活動分野などを詳しくご紹介します。
内科医を目指す方や、転科して内科への転職を考えている方の参考になれば幸いです。

内科医に向いている人の7つの特徴

内科医としてイキイキと働いていくためには、知識や技術だけでなく、性格的な向き不向きや適性があるのかどうかも重要なポイントです。
ここからは、内科医に向いている人の特徴を7つご紹介します。

1. 観察力・洞察力のある人

内科の診療は外から見えない部分を症状から判断することになります。
どのような検査をすれば的確に病巣を見つけられるか、問診からどのような状態が読み取れるかが重要になってくるのです。
患者さんの状態を的確に見極めながら、診察や治療を進めていくためには、鋭い観察力や洞察力が必要といえます。

また、生活習慣病の患者さんとは長い期間をかけて食事療法などをしながら治療を進めていきます。
治療の効果がどのくらい出ているのかを、検査数値だけでなく、患者さんの状態を見ながら判断していかなくてはなりません。
さまざまな場面で必要になってくる「見極めの力」を磨ける人が、内科医に向いていると言えるでしょう。

2. コミュニケーション能力のある人

観察力と同時にコミュニケーション能力も内科医に必要なスキルの1つです。
コミュニケーションに関しては、すべての診療科で必要となってきますが、内科の場合はより重要性が高いと言っていいでしょう。
外科などの目に見える症状を扱うのとは異なり、愁訴から体の内部の不調を見極めるためには、的確な質問で患者さんの答えを得る必要があります。
患者さんが自分の状態をうまく説明できないケースも考えられますので、話しやすくなるように寄り添うことも大切です。

また、患者さんだけでなく一緒に闘病する家族の方とも良好な関係を築くことで、治療をスムーズに進める助けにもなります。
他科の医師やコメディカルスタッフなどともコミュニケーションを密に取り、チーム医療を円滑に行う場面もあるでしょう。
コミュニケーション能力を磨いておくことで、損をすることは1つもありません。

3. 責任感やリーダーシップのある人

内科医が受け持つ疾患には、治療に長い時間を要するものも少なくないでしょう。
長期にわたる治療をやり遂げる強い責任感が求められるのです。
さらに、患者さんやその家族と一丸となり、一緒に病気を乗り越えられるように導いていくことができる、リーダーシップ性も必要となってきます。
患者さん側から「この先生と一緒に頑張りたい」と感じてもらうことがなにより大切です。

リーダーシップのスキルは病院側のスタッフ間でも大いに役立ちますし、頼り甲斐のある存在になることで、業務が進めやすくなります。
ワンマンではいけませんが、コミュニケーションをしっかり取りながら、大事なところは決断して率いていける強さがある人は、内科医に向いています。

4. 思いやりのある人

内科医に限らず、医師に向いている特性の1つに「思いやりがある」という点が挙げられます。
医師は人を助ける職業ですので、相手を思いやれる心のゆとりが必要です。
病院を訪れる患者さんは、何かしらの体調不良や疾病があり、不安を持っている状態です。
そのような患者さんと信頼関係を築いていく必要がある医師は、人当たりや会話の進め方などで、患者さんに心を開いてもらわなくてはなりません。
患者さんだけでなく、その家族や周囲のスタッフにも思いやりを持ってコミュニケーションを取ることが、信頼関係を作る第一歩となるのです。

常に相手に思いを致すためには、医師本人の心身のゆとりが何より重要です。
自分自身の健康にも気を使い、自分を大切にしながら患者さんに寄り添うことができればベストでしょう。

5. 体力のある人

内科医として入院病床がある病院に勤務している場合、オンコールや当直などの長時間労働は避けて通れません。
医師の働き方改革が進められてはいますが、入院患者も多くなる内科では、まだまだ医師の勤務時間は長いと言えます。
ハードな労働環境の中で、患者さんに寄り添い、時にリーダーシップを発揮してチームを率いていくしなやかな強さが必要なのです。
そのためには、ある程度体力に自信があり、当直の後でも気力を持って働けるだけの強さが必要でしょう。

体力だけでなく、長時間労働に身を置いていても平常心を保てるメンタルの強さも持っていると、内科医としてキャリアを積んでいく大きな助けとなります。

6. 勉強を続ける向上心のある人

常に学び続ける向上心は、内科医に限らず医師に不可欠な特性です。
医療の世界は日進月歩で進化を続けていて、新しい治療法や論文を常にチェックし、吸収していく姿勢が大切になってきます。
また、自分の専門領域だけでなく、関連する他科の知識を身につけることも、診療の幅を広げるためには欠かせません。
常に情報をアップデートし、知識の範囲をどんどん広げていける意欲は、内科医というよりは、医師全体に必要なものだと言えるでしょう。

7. 新しい情報を応用できる人

内科医が対応する範囲は広く、取り扱う疾患の種類も非常に多いのが特徴です。
循環器内科や神経内科など、特定の部位で専門性を極めたとしても、幅広い知識が必要になってきます。
新しい治療法の情報を吸収したら、それを使うだけでなく、今までの経験にどう活かしていけるのかを考えることも大切です。

常に学び続けることが必要になるのが医師ですが、学んだことをいかに上手に活用できるかというセンスも問われることになります。
多角的に物事を見ることができたり、1つの情報からいくつもの選択肢を考えられる思考能力がある人は、内科医としても、医師としても適性があると言えます。

内科医になるために必要な資格とは

内科医を目指す場合、最短ルートとしては、医師国家試験合格後に初期臨床研修を終え、内科がある医療機関に就職すればスタートを切ることができます。
内科で1年以上の経験を積むと内科認定医の資格が得られ、さらに専門分野を決めて後期研修を受けることで、専門医資格が得られます。

経験を積みながら、内科の各種専門医やサブスペシャルティを取得することで、キャリアを築いていくことになるでしょう。
また、幅広い知識が求められる総合内科専門医を取得すれば、将来的に開業医となることを考えている方には有利に働くため、一考の価値があります。

内科医の仕事について

内科医として働くと、どのような症例を診ることになるのでしょうか。
勤める医療機関によっても変わってきますし、目指すキャリアプランによっても変わってきます。
ここからは、内科医の仕事内容や、活動分野について解説します。

内科医の仕事内容

内科医は、問診や視診、触診などを行い、必要に応じた検査を指示します。
それらの結果を総合的に踏まえて病状を診断し、治療法を決めていくことになるのです。
治療方針が決まったら、患者さんやその家族にインフォームド・コンセントを行います。
患者さんの現在の状態や診断結果と治療法、それらにまつわる効果やリスクを説明して同意を得た後は、治療を進めながら経過を診ていくのが一連の流れです。

生活習慣病や慢性疾患の場合は、これらに加えて食生活や運動といった、患者さんの普段の生活についても指導したり、予防のための指導も業務となっています。

内科医としての活動分野

内科医の担当する領域は多岐にわたります。
体の広範囲を診ることから、臓器別や部位別、症状に合わせた診療科の細分化もされているのです。
どの分野で働くかによっても働き方や学ぶべきことに違いが出てきます。
主な内科の診療科としては、以下のようなものがあります。

  • 総合内科
  • 循環器内科
  • 呼吸器内科
  • 消化器内科
  • 腎臓・内分泌内科
  • 糖尿病・代謝内科
  • 血液・腫瘍内科
  • アレルギー・リウマチ内科
  • 感染症内科
  • 脳神経内科
  • 老年内科
  • 心療内科

内科領域はサブスペシャルティ領域も多く、キャリアパスの選択肢が広いのが特徴です。

内科医の活躍の場

内科医が働く場としては、以下のような医療機関が代表的です。

  • 総合病院などの大病院
  • クリニック
  • 産業医
  • 訪問診療医
  • 福祉施設

ワークライフバランスを重視するのであれば、病床のないクリニックや産業医などがおすすめです。
スキルアップを目指すのであれば、総合病院など大型の医療機関で働くことで、最新設備が充実した環境で学べたり、より多くの症例を見て経験を積んでいくことができたりします。
患者さんとのコミュニケーションスキルを磨くには、訪問診療や福祉にまつわる仕事が向いています。

内科医の仕事が気になったら

内科で働きたい、内科に転科したいと思ったら、まずどんなアクションをするべきでしょうか。
ここからは、内科医になりたいと考える方のために、転職事情やおすすめの仕事探し方法をご紹介します。

正社員以外の勤務形態を検討する

内科医は医師の中でも数が多く、医療機関も多数あるため、転職先は数多くあります。
しかし、担当領域が広いことや、診療科が細分化されていることから、自分が進みたい分野と合っているかどうかは確認が必要です。
具体的なキャリアプランを練られていない場合は、正規職員ではなく非常勤やアルバイトなどから始めてみるのも1つの方法です。
まずは経験を積んでみて、自分に適性があるかどうかを見極めることができるでしょう。

医師転職の専門家に相談する

自分が内科医として働いていけるかどうかの適性や、目指す年収やキャリアプランを叶えるためにどのような職場を選べばいいかと悩む場合は、専門家に相談することをおすすめします。

医師専門の転職エージェントに相談することで、現在の自分の市場価値を知ることにもつながるのです。
メッドアイは医師専門の転職エージェントとして、転科や転職のマッチング実績を豊富に持っています。
さらに、医師一人一人の希望や悩みに寄り添ってきた経験から、最適な転職先をご紹介することが可能です。
もちろん非常勤やスポット勤務、アルバイトの情報も非公開のものも含め多数ご用意しています。
まずはお気軽に、今の悩みや描いているキャリアプランをご相談ください。

まとめ(内科医に向いている人の特徴)

医師が診療科を選ぶ際には、目標やキャリアプランをしっかり立てる必要があります。
しかし、事前に立てた計画に、必ずしも自分の性格が合っているとは限りません。
医師の仕事は強い責任感が求められるものですので、適性がないと感じる領域でずっと頑張り続けるのは辛いものがあるでしょう。
転職や転科で視点を変えてみることで、新しいキャリアプランが見えてくることもあります。

転職を考える場合は、医師専門の転職エージェントを利用して、目指す方向性も一緒に考えてみることをおすすめします。
内科での勤務を希望するのであれば、ぜひ一度メッドアイにお気軽にご相談ください。
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